温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

イジメの記憶はふと蘇る

最近自分がやった仕事と競合する他社商品がネットでちょっと叩かれている。
出るのは知っていたし、ガッツリ競合するから意識もしてた。
最初見たとき「あー、う〜ん??」と思ってホッとしたのは確かだ。
大丈夫、負けてない。黒いぜ、自分!(笑)

とはいえ、自分が関わったものやさらに別のとこのと比べて、随分と叩かれてるのを見てると「勝ったね!」という気持ちが段々薄れてきて、「そ、そこまで言わんでも‥‥💦」と段々ヘコんできた。
自分に対してではなくても『叩かれてる』ということにダメージを受けてしまい、同業者なものだから「これが自分に対してだったらどうしよう‥」と落ち込んできてしまった。
SNSの宣伝ってつくづく諸刃の剣なのだよね💧

と、何となく滅入ってるところに追い打ちをかける出来事が。
自分は「銀魂」が好きで、それまでアニメはほとんど見なかったし、声優さんも詳しくなかったので、銀さんの声をやっている杉田智和という声優さんを知ってものすごく衝撃だった。
「わーこんないい声の人がいるんだー!」
その後ネットなどで人となりを見かけて、なかなか変わり者だと知っても、産まれたてのヒナが初めて見た動く物を親と認識するかのごとく、ファンとかではないけど、自分の中で一段上の特別のとこにいる声優さんなのだ。

なので杉田智和のやっている、木曜9時の「アニゲラ!ディドゥーン」というネットラジオをタイミングが合えば聴いている。
かなりくーだらない番組だけど、羽海野チカがゲストで出たりとなかなか侮れない(笑)
10日木曜、残業していてそろそろ切り上げるかーと思ったら9時を回ったところで、アニゲラを聴きながら片付け、会社を出て、電車に乗った。

その日はゲストに若手の声優さんが出てて、冒頭を聴き逃したので誰かはわからないけど、ハキハキしたいい声の人だなぁと聴いていた。
声優さんの番組なので、業界に入る前にどんなアニメやゲームを通ってきたというお決まりの話しをして、その流れで中学生のときの話になっていた。

「僕太ってたんで、女子に『キモい!寄るな!臭い!』って言われてました」
「休み時間はイヤホンして机に突っ伏して寝たふりしてました」
「僕の恋人は二次元だけですよ」
とサラッと明るく結構な思い出を話すのでビックリしてしまった。
杉田智和他の出演者は手慣れたもので、動揺も見せず笑いに変えてたけど、
何の構えもなく聴いていた自分は電車の中でオロオロして涙ぐんでしまった💧

思わずツイッター検索して、この人が浜田洋平という人でどんな見た目なのかも調べてしまった。
まだ若そうだし、顔も悪くないし、どちらかというと痩せ気味で昔太ってたという感じはなかった。
イジメられてた当時からまだ十数年だけど、笑ってラジオで話せるくらいにこの人の中で昇華できたのか?
それとも、意地であえて話題にしてるのだろうか?

今売れている人が過去のイケてなかった時のことを話すのは、好感度を上げる鉄板ネタではあるけれど、大抵の人は話せるラインを引いていて、それは大抵誰でもレベルが同じだ。
バラエティで出来るライン、真剣な話をする場でのライン、芸人さんなら出来るライン、カッコいい系の俳優、ミュージャンの出来るライン、それぞれあるけど、みんなそれぞれの段階で話す。
星野源が中学生のときのときイケてなかった話しをしたりするけれど、それは思春期に繊細すぎるが故に世間に馴染めない、アーティストとしてはありともいえる話なのに比べると
「キモい!寄るな!臭い!」
「イヤホンして寝たふりしてました」
は生々し過ぎた。
こういうくだらな系番組でサラッと話せるレベルに思えなかったのでビックリしたのだ。
こんな風にサラッといえるまでに、この人はどれだけのことをしてきたのだろうと、とても太ってたとは思えない画像を見ながら考えていた。

電車の中でそんなことを考えながら帰ってきたら、うっかりスイッチが入ったようで、昔の嫌な思い出がズルズルと浮かんできてしまった。
中1のときクラスの男子何人かにイジメられた。
4月、花粉症で鼻がグズグズしているのを「ジュルジュル〜」とイジられた。
まあそれはただのきっかけで何か気に入らない奴をイジメたかったんだろう。
少なくともクラスの女子は「やめなよ」とか言ってくれたし、彼らを嫌っていた。フォローはしないまでも、そいつら以外のグループの男子はイジメには加わらなかった。
友達もいたしクラスでたった1人孤立というレベルではなかったけど、それでも充分辛かった。
本気でアイツら死ねばいいのにとも思ってた。
そのせいで随分長いこと男子が怖かった。
2年になってクラス替えがあって、奴らとは全員違うクラスになった。
最初に座った席順で隣の席の男子が話しかけて来たのだけど、とっさに「イジメられる‼︎」と思った自分は彼を無視した。怖くて動けなかった。
いまだにその子の事は思い出せる、大柄でおっとりした安達くん。
その後彼がイジメをするとかそういう子では全然ないのはすぐわかったけど、ほとんど話はしないまま1年が過ぎた。

自分の行動や人格形成に、中1のときにイジメられたことはすごく大きな影響があった。
もともと人見知りではあったけど、ますます酷くなった。
たった1年、同じクラスだっただけの奴らが、自分のその後を随分と変えてしまった。
かなり大人になるまで、そいつらに会う機会があったら、挨拶なんてせず、まず「人間のクズ!一生呪ってやる!」と罵ってやろうと思っていた。
結局会ってないけれど。

高校のとき東京まで夏期講習を受けに行ったことがあった。
代々木駅から予備校まで歩いていると
すれ違いざまに「〇〇さんじゃない?」と声かけられた。
見ると中2のとき同じクラスで、中3で転校していった男子だった。
「久しぶり」「予備校いってるんだ」「がんばってー」みたいな簡単な挨拶して別れたけど、ものすごく驚いた。
全く親しくなかったし、転校以降会ってもいない。しかも地元ならともかく東京だ。
「似てる人かなー?」「誰だっけ?」とか迷いはないのか?
少なくとも自分だったら絶対知らんふりする。
凄く驚いて、そうして他人を怖がらない、彼みたいになりたいと思った。

ラジオキッカケで、久しぶりにそういうことをまたズルズルと思い出してしまった。
世の中でイジメのニュースはなくならないし、酷いのをみるたびにふと記憶が蘇ってしまう。
どれだけ大人になっても決して消えない。
イジメられるというのは否定だ。
誰にも必要とされない、認められない。
人格形成の時期にどれだけの影響を与えてしまうのか。
自殺してしまう子を責められないと思う。
そんなの負けだと側からは言えるけど、そう思える子ばかりではない。
自分くらいのイジメ体験でもこうやってずっと残るのだから。

そんなこと考えていたら、浜田洋平という声優さんをもっと見てみたいなと思った。
まだあんまり大きい役も少ない人のようだけど。
自分は大人になっても、他社商品が叩かれてるのくらいで落ち込めるようなダメ人間だけど、
この人はここまでどんなふうにして来たんだろう?
高校で親しくなった友人が「中学のときイジメられててさー」と明るく言ったのに驚いたのと同じように、浜田洋平という人に自分にない強さを見てなんだかいいなと思った。
こういう人になりたかった。

こういう事を思い出すのは全く楽しいことではない。できれば2度と思い出したくない。
他人に話したこともない。
けれどこの先も、絶対ふとしたことで思い出す。
いつか浜田洋平という人のように笑って話せる時がくるんだろうか?
他の、世の中にたくさんいるだろうイジメ体験を持つ人はいったいどうやって生きてるんだろう?
いい大人になっても残ってる自分は少数派なのかな?
でも大人社会でもイジメってあるしなぁ。

こんな大人になったってこうなのだ。
イジメ問題が解決なんてするわけないなー。
じゃあどうすればいいんだろうか。
いつもいつもモヤモヤして終わる。
いつか、スッキリしたいことだ。