モカの日記

誰かに気を遣うことのない、思ったことをそのまま書いてみるところ。

「ひよっこ」第18〜19週 お父ちゃんは覚悟を決めた

世津子の部屋でお父ちゃんではなくなったお父ちゃんと再会という波乱の展開で始まる第18週。
雨の中、世津子に拾われた経緯を語るお父ちゃんでない雨男さん。
雨の日に出会ったから雨男さんなのね。
学校に行けてなかったり、靴を買おうと自分をはげましたり、おそらく貧しい育ちの世津子。
必死で1人生きてきて、心許せる相手もいない。
大女優である自分を知らない雨男さんに心安らいでしまったのは仕方ない。
ま、男前だし!

他の人のブログで「母になる」と比較して、二重誘拐ではないかと書いてたけどそうは思わない。
確かに最初に届けを出さなかったのは世津子かもしれない。
でも怪我が治った後は自分の意志で外出もしていたし、雨男本人が自分がどこの誰か調べようとすればいくらでも出来た。
世津子が雨男に安らぎを感じていたように、雨男も世津子の所に居たかったから居たのだ。
自分が人を傷つけたのかもという恐れはあっても、世津子に惹かれる気持ちがあったからここに居たのは確かなことだ。
そしてそれはみね子にもわかること。
みね子だって世津子の事を素敵な人だと思っていた。そんなあの人とあの素敵なマンションの夢のような暮らし。
お父ちゃんのいたあの宿舎を思い出せばここにいたいのは当然。
やっぱりお父ちゃんは辛かったのか?自分達との生活が嫌になってしまったのか?
記憶を無くしたのも無くしたかったからじゃないのか?

この事態を簡単には伝えられず、鈴子のアドバイスで美代子に手紙を書くみね子。
なるべく冷静に事実だけ。
みね子が一生懸命、状況を飲み込もうとしているのがツライなぁ。
そして手紙を読んだ美代子が覚悟を決めて東京にやってくる。

一方、覚悟を決めたのは世津子も同じ。
みね子からの連絡を雨男に伝える。
「明日、あなたの奥様が来ます」
みね子も美代子も、そして世津子もみなもう腹をくくってしまったなか、1人置いてけぼりの雨男。
なんだろう?やっぱこういう時は女性のが強いのか?

結婚指輪と家族写真で武装してくる美代子。
指輪を外していたことに驚いた。
以前弟嫁の滋子に励まされたように、実がいない事に慣れてしまっていたんだね。
世津子の素敵マンションに気後れする美代子。
そして出される見るからに上質なスリッパ。
もう美代子の気持ちが折れそうなのを必死で奮い立たせているのがヒシヒシと伝わって辛い。
そして本当にここにいた、夫だったはずの人は自分の事を覚えていない。
そんなときふと見つけてしまった洋服のほころびが気になって仕方ない美代子とその気持ちがよくわかるみね子。
あるレビューブログで「美代子にそんなクセがあったのか説明ないのはおかしい」って書いてたけど、そういうことじゃないんだよー!
男性にはわかんないのかなぁ。
もうこれは美代子と世津子の女の戦いなんだよね。
美しい世津子に少しでも見劣りしないよう武装してきたのに、ほころびのある服を着ているみすぼらしい自分。
みね子たち兄弟や茂じいちゃんは、たとえ実に記憶がなくても血の繋がりがある。
親子なのは変わらない事実なのだ。
けれど美代子は結局他人なのだ。「カルテット」でも言っていた、「夫婦って別れられる家族」だと。
会う前からうっすら気づいてて、会ってから確信したこと。実は居たくて世津子の所に居た。
美しい世津子との夢のような裕福な暮らし。
明らかに男女として惹かれあっていたのもわかる。
そこから自分との生活に戻れと、全く自分のことを覚えていない夫に強制できる程美代子は傲慢ではない。
それでも、子供達や何より自分のためにも世津子にキッパリ言わなくてはならない。
この人は雨男ではなく、自分達の夫であり父である実なのだと。
そして聡明な世津子は自分がそれを受け入れるしかないのもわかっている。
その場でキッパリ別れを伝える世津子。
女性達が覚悟の行動を取る中で、1人置いてきぼりの実。
ももうここで雨男は終了、実に戻るしかない。

3人で入ったそば屋でそれぞれが気持ちを整理する。
激昂したことを詫びる美代子。明るく振る舞うみね子。
そんな2人の気持ちを受け入れ未練をふりきり合わせる実。
記憶はなくても、優しく気遣いできるこの人はやはり実なのだね。

みね子に実を託し1人帰る美代子。
せめてものプライド。世津子と実を見れば、強制的に連れ帰ってもどうにもならないことは分かってるのだ。
改めて自分を選んでもらいたい。
奥茨城母親の会で本音を吐き出す美代子が切ない。
でもいいお友達がいて幸せだ。

実の症状についてみね子に届いた世津子の手紙。丁寧に書いてはいるけれど、ひらがなばかりで拙い文字が、世津子の生い立ちを表していて切ない。
綿引さんやみね子の手紙が綺麗な文字で書かれているのと対照的だ。
ますます孤独を深めてしまった世津子が救われる時はくるんだろうか?
岡田脚本は投げっぱなしはしないだろうけど、どうすれば世津子が救われるのか全く想像つかないよ。

一方、みね子の元で自分の過去を学び直す実。
実に「帰りたい」と思わせるのがみね子の任務。なかなか難しい。
いや、実からしたら数回会っただけの年頃の女の子と六畳一間で暮らすのも相当な覚悟なんだけど。普通無理だよね?
それでもみね子が周りのみんなから愛され、父親が見つかったことを皆が喜んでいてくれる、
そんな娘を見ていて「谷田部実にちゃんと戻ろう」と自然に思えるのは、やっぱり優しいお父ちゃんなんだなぁ。

ついに「帰ろうかな」と言い出す実。
「行ってみる」ではなく「帰ろうかな」
田植えに合わせての帰郷に、奥茨城のみんな、そして宗男さんとの再会。
これは稲刈りの時期ではなく、田植えの時期なのが大事なんだな。
苗を植えこれから育つ稲と共に、谷田部家をまた実と共に育て直していく。
これから始まる新たな谷田部家にふさわしい青葉の季節。
きっと立派に実るよね。

そして1人帰京するみね子。
もうみね子の生活の場は東京赤坂のあかね荘。
自分の希望した上京ではなくとも、この2年半体験したこと出会った人たちがみね子の血肉になっている。もうみね子の一部なのだ。
今までの「お父ちゃんを探す」目的がひと段落、これからが本当のみね子の東京生活なのかもしれない。
みね子がみね子自身の意思で東京の生活を選び働いて生きていく。
いよいよひよっこから脱皮なんだぜ!
長い長い前振りだったんだなー。

さて大きい山場を超え、来週からはまたみね子の日常に戻る。
お父ちゃんが戻るまで散々ウルウルさせられたけど、こんな何気無い日常の楽しさを描いてくれるのもひよっこの面白さ。
これからの展開もまた楽しみ。
ちょいちょい思わせぶりにワンショットが入るヒデくん。
果たしてみね子と先の展開があるのか?
そして、雨男との思い出のベンチに佇む世津子。
まだまだ波乱はありそうだ。