モカの日記

誰かに気を遣うことのない、思ったことをそのまま書いてみるところ。

「やすらぎの郷」 面白く見ていたのに台無しだ!

何かと話題のシルバードラマ「やすらぎの郷
どうやらクランクアップしたらしく、今週の前半はその話題がネットニュースになっていた。

絶妙に3話くらい遅れで見ているので、感想がどうもタイミングつかめなかったのだけど、見ていて色々思うところはあるし、面白いドラマだと思っていた。
18週前後の東日本大震災や戦争についての「自分で体験しない限り他人事で、人は忘れてしまうのだ」という訴えかけは耳が痛く、終戦記念日を前に戦争を知る世代が訴える重さを感じたし、
沢木耕太郎がモデルと思われるライター役をきたろうがやってて「え?え?きたろう??」とはずしてきて笑わせてくれたり、
色々投げっぱなしなエピソードや強引な展開はありつつも面白かった。

が、今週の展開はなんなんだ!
先週金曜の予告を見たときから「ん?」とは思っていた。
でもまさかねー?と思っていたら、そのまさかの展開だった。

やすらぎの郷内にあるバーのバーテンダー松岡茉優演じるハッピーちゃん。
11時過ぎにバーを閉め、帰宅するため自転車でやすらぎの郷を出る。
すると山道にしゃがみ込んだ女の子とそれを囲む男達。
自転車を停め「大丈夫ですか?」と声を掛けたハッピーはその男達に山の中へ連れ込まれる。
しゃがんでいた女の子はオトリだった。
その後、軽自動車でやすらぎの郷を出た男性職員の一馬が通りかかると、山から出てくる男達を見かける。
そのうちの1人に見覚えのある一馬は気になって周りを探すと隠されたハッピーの自転車を見つけ事の次第に気づく。
探し回った一馬は山小屋の中で乱暴されたハッピーを見つける。

‥‥倉本御大ともあろうものが、このチープな展開。このあとの展開も含めて、検察してみたらさすがにTwitterで非難轟々。

そもそも安易にレイプネタを使う感覚が気持ち悪い。
最近のドラマでも、レイプまではいかなくても「フランケンシュタインの恋」や「ごめん、愛してる」でも、主人公がヒロインと知り合うのが、襲われた所を助ける上に、ヒロインが助かったとはいえ襲われた後なのにフラフラ人気のないとこに来たり、初対面の男についていったり。女性からみたらありえない。
レイプをアクセントでしか無いような使い方。

やすらぎの郷」ではその後、ハッピーを一馬が施設に連れ帰り、犯人を見たか?の問いに見ていないと答え、翌日一人犯人の元へ行き対決するが返り討ちに合う。
それに憤った、施設の他の男性職員(全員前科者。このための設定だったのかと思うと力抜ける‥‥)が復讐を計画するが、それに気づいた、藤竜也演じる秀さん、倉田保昭伊吹吾郎という本人も役柄も武闘派俳優たちが立ち上がる。
ここまでが水曜日。

なにこれ?出来の悪い西部劇???
時代劇や西部劇にありそうな展開で(イメージだけど)、そういう作品でなんかなぁと思うのは、女性は男性と同じ生き物ではなく、金や宝石や酒と同じ戦利品の1つの扱いなんだよね。
まあそういう時代だった訳だし、その頃の作品は否定しないよ。
けど、21世紀の今、このエピソードはありえないでしょ。

確かに、倉本聰は男尊女卑の気配もあるし、今の時代の目線と合わないところもある。
だけどそれも作家性だしと言える範囲ではあるし、「やすらぎの郷」ではあえて、縮こまったテレビ界に喝を入れるべくギリギリの表現を入れているのもわかる。
やたらと喫煙シーンがあったり、先週は1点1000円で賭け麻雀をしたりと、チャレンジングだよ。
でもレイプネタを簡単に扱うのは問題が違う。

Twitterでは、なにしろ倉本聰だから深読みして肯定している意見もあった。
特に、以前倉本聰の親戚の女性が残酷な事件の被害者になったことがあったから、だからこそ、なんの落ち度もない被害者に突然降りかかる事件への憤りを表すためにあえて入れたのではないかというものは一理あるとは思う。

だけど、だったら尚更、被害者であるハッピーの扱いには気を使うべきだ。
一馬がハッピーを施設に連れ帰る。
施設には医者もいるし、まずはそれが妥当な判断だ。
が、見ていると、どんどん人が出て来てバタバタとしてくる。
警察にも電話したらしい。
その辺で既にグッタリ。
女性職員だけならともかく、まず一馬がハッピーを引き合わせたのが自分の上司の男性職員。
医者は仕方ないとしても、その後も男性がバタバタ。女性職員も複数。
そこさー、気遣うなら最低限の人間、それも女性だけに知らせるとかしないか?
で、警察呼んだらしい割に、本人が警察は嫌だと言ったということで、次の日一馬が一人で対決し、返り討ちにあったのを見て、男性職員達が「何があった?」
で、伝言ゲームのごとく、腕っぷし強そうな人を呼び耳打ちする
「ハッピーがまわされた」

‥‥‥なんのブラックジョークなんだよ!
施設の男性職員達の間に合言葉のようにどんどん広がり、そして秀さんの耳にまで入る。
これはなに!あれかなぁ?いわゆる「セカンドレイプ」ってやつを分かりやすく説明してくれてるのかしらー⁉︎(もちろん嫌味)
本人が警察は嫌だというのは、とにかく人に知られたくないということだ。当然の気持ち。
それが職場の同僚、しかも男性ばかりに本人の知らないとこでどんどん伝わっていく。
それも「まわされた」って!昭和か⁉︎
これで本人の傷が癒えるわけないでしょ?
失踪ものだよ!
なんかね、前科者達が暴れる口実を見つけてテンションあげてんのかよって思っちゃうよ。

倉本御大ですから、そういうブラックな表現なのかとか深読みしてみたけど、やっぱり違うらしい。
木曜分はまだ見れてなくて、Twitterなどの推測と予告だけで書くのはあれだけど、腹立つから書く。
前科者だけど今は真面目にやってる。けれど俺らの仲間、ハッピーのためなら手を汚してまたムショに戻っても構わない!‥‥というまっすぐなハッピーのための気持ちらしい。いらないよ!
で、それを察知したかつてヤンチャした年配者たちが「未来あるものは手を汚さなくていい。それは年寄りの役目」とばかりにかわりに不良の溜まり場に乗り込む。
まあ、かつてのアクション俳優達がまだまだイケるよってとこを見せたいだけだよね???
そのためのハッピーの事件⁉︎
結局、昭和のマッチョなジジイの夢を叶えたいエピソードだよね。

放送が終戦記念日に重なるので、秀さんたち年寄りの行動は戦争に重ねてはいるらしい。
まあ、だから実際70代の俳優を80代に設定して、戦争の記憶を語らせたりしている。
でもね、理不尽な暴力への報復を書くにしても、そのために若い女の子を出し、ハッピーなんてもはやグロテスクなあだ名で呼ばすのはどうなのよ。
だったら、やすらぎの郷の入居者がひったくりに合うとか、オレオレ詐偽に合うとかでもいいのでは?
最年少のレギュラーキャラがこのための要員だったのかと思うと本当にもう‥‥。

ここ数日、牛乳石鹸のWebCMの件が炎上してるのをさすがに気になって見た。
見たけど、そこまで責める程のものとは思わなかった。なんか書きたいなとも思った。
正直、このCMより今週の「やすらぎの郷」の方がよっぽどフェミニストの面々がいきり立つべき案件だと思ったけどね。
牛乳石鹸はCMと言ったってWebだ。それに対して「やすらぎの郷」は地上波のドラマだ。

とは言っても、炎上しろとか責めてくれとかそういう問題じゃないんだよね。
おそらく倉本御大は炎上は想定内で問題提起のつもりだろうし、これでまた規制すべきって話になってしまうのは違う。
あくまでもこの「やすらぎの郷」における倉本聰のこのエピソードの描き方を自分はウンザリしたという話で、他の人達はどう思うのか知りたいのだ。
一律にイカンぞ!と言いたいのではないんだけど、そこの説明は難しいのかなぁ。

こういう話はどうしても男女の受け止め方の差があって、それがなかなか埋められないから、現実の事件の扱いでも問題が起きてしまうのだろう。
倉本聰という大ベテランですらこんな感覚なんだなぁと、残念ではある。

とはいえ、ドラマはまだまだ先がある。
このガッカリをこの先回収してくれるのではないかとまだわずかながら期待は捨てていない。
「あー、あの時あんなエピソードを入れたのはここでこう持ってくためだったのか!さすが倉本聰‼︎」
と思わせてくれたらいいなぁと思っている。
ドラマって自由なものであって欲しいから。