温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「わろてんか」単純にドラマの出来がダメなことに気がついて!

相変わらず賛否両論(というより最近は否が圧倒的な気が)な「わろてんか」。
さすがに当たり障りない系のネットニュースでも否定的な記事が出て来た。

「ベタな展開連発に視聴者の評価は真っ二つ」「大阪の笑いがウケるか?」「二番煎じに見える?」とか色々言われてるけど、いち視聴者として言わせてもらえばそんなことじゃないんだよー!
ベタだって大阪の笑いだって嫌いじゃない、二番煎じだろうが面白ければ構わない、単純に何もかもが下手くそなんだよー「わろてんか」は!

まずドラマとしての基本的な作りが雑。
登場人物のキャラ設定が誰1人魅力が無い。
ヒロインてん、何でも笑う「ゲラ」という説明だったけど、そんなシーンがどれくらいあった?子役時代にドイツ人客とのパーティで蝶を見て笑った以外、他の人よりよく笑うという描写あったっけ?
兄新一が具合悪く家の雰囲気を明るくしようと言う時も、特にてんが言い出すシーンもなく既に妹りんと女中トキも一緒に楽しそう。全てのエピソードがそんなんで、特別よく笑う子に見えない。
せっかくいる妹りんの扱いも、跡取りの兄が亡くなり跡取り娘になったてんが藤吉と一緒になるのに家を継ぐ代わりが必要だからいるだけという、製作側の都合で置いていているだけなのが丸わかりな適当キャラづけ。
どうせいるなら、すごく大人しい子にしててんが「ゲラ」なのを強調させるとか使いようはあるのにただの明るい子。りんに縁談が来た時「器量好し」と突然言われてたけど、じゃあてんはそうでもないかというと「べっぴんさんや」と言われているし、てんとのキャラの違いも描かれず、跡継ぎのスペア要員以外に見えない。
「あさが来た」の二番煎じと言われてるけど、そんなの「あさが来た」に失礼だ!と思うくらい真似すら出来ていない。
活発なあさにおしとやかなはつという好対照な姉妹をキチンと描いて、いかにあの時代にあさが特異な女性だったのかを印象づける。ちゃんとしたキャラ造形がドラマの入口なんだから。

手代の風太や女中のトキもそう。仕事描写がまるでなく、風太はただの片思い要員、トキは女子トーク要員としてしか使われていない。
風太は先々てんの事業の右腕になると推測されているけど、子供の頃から仕事をしていない描写しかないのだ。濱田岳が上手くて「健気〜」「不憫〜」とか言われてるけど、その前にちゃんと仕事をさせて。結局ただのダメ男。
仮にも女実業家を描こうというのに父親の儀兵衛ですらまともに仕事をしてるところがない。
そういう所が雑なドラマだと言っているんだよね。
そしてヒロインの相手役藤吉に至っては何一つ魅力が書き込めていない。愛すべきダメ男にしたいのはわかるけど、そういう魅力が出るほどのエピソードがない。てんに対しても大人になってべっぴんさんになったな以外に好意を持つ理由が出てこない。笑ってくれたって言ってもネタに対してじゃないしね。

演出も下手だ。
元許婚の栞が初登場するとき、暴漢に囲まれたてんを救うべく、ステッキを武器にバッサバッサと男どもをなぎ倒す。正直コントかと思った。スピード感も何もないグダグダなアクションシーンで、これはてんの気をひくための栞の仕込みか?と疑ったくらいだ。
ベタを極めるというならカッコいいキャラは果てしなくカッコよく描かなきゃしょうがないでしょ!あまりのカッコ悪さに逆にびっくりしたよ。
それから賛否の別れた儀兵衛の自殺未遂誤解騒動。このエピソード自体もどうかと思うけど、儀兵衛が綱を持っていて、皆が誤解して引き止める弾みでクビを吊りかけてしまうというのがテンポが悪く、先に自分でクビを入れてしまっている。その後のワイワイ止める所の間の悪さ。スローモーションかと思ったよ。

そして何もかも説明するナレーション。
先の展開を全部喋るから面白味がまるでない。藤吉を好きなリリコがてんに色々嫌がらせをするけど、リリコが初登場したとき「てんの一生の親友になる」というような説明をつけていたので、今何をしようがどーせ藤吉はてんとくっつくのだとしか思わない。もちろんナレーションがなくてもそうだろうとは思うけど、それを映像で見せるのがドラマだろう。
兄の新一が具合悪くなった時も「この時代子供は何人もいても全部は育たなかった」という感じのナレーションがあったけど、いくら死亡フラグ立てまくっていたとはいえ、その説明はないでしょう。

そして笑いのセンスが皆無。
普通のドラマに突然ズッコケて一回転とか持ってた物を放り投げるという、お約束リアクションを入れるのって相当難しい。完全に浮いている。
ネタの笑いもしょうもない。唐辛子を触った風太が「目が〜目が〜」(はいはいムスカね)、女子達が考えを巡らせるときに「ポンポンポン、チーン」と閃く(一休さんて、今これをわかる人はどれ位?)とか哀しい気持ちになる。
ベタならベタで突き抜ければ面白いのに、半端すぎる。去年の一部で話題作「奪い愛、冬」くらいやり切ればまだ見直せるけど、そんな根性は無さそうだし。
大阪の笑いがウケないのかというけれど、そもそも全国放送で視聴者の大半は大阪以外の人間なのだ。大阪でしかウケないものをやってどうする。もっとも大阪の人もウケて無い説もあるけれど。

そして内容の無い脚本。
「笑い」とばかりいうけれど、全然意味がわからない。12話で新一の遺影に満面の笑みで話しかけるてんとりん、クラクラした。いや、哀しみを乗り越えるのに笑おうって言いたいんだろうけど、屈託無く笑ってどーするよ?例えば頑張って笑顔を作るとか、「笑い」にだって色々あるのに全てごちゃごちゃ。
もう3週目だというのに何一つヒロインが動いてない。普通の連ドラなら3話分くらいやってる時間だ。見切るのには十分。

出勤前の身支度中、時計がわりにテレビをつけるけど、8時台のワイドショーがあんまり好きでは無い。誰かの不倫騒動とか猟奇な殺人事件とかでもあればどこの局も延々とやっていて朝からそんなもの見たくないのだ。
見終わってから出勤というのが時間的にちょうどいいので、できれば「朝ドラ→あさイチの朝ドラ受け→出勤」というようにしたいのだけど、「わろてんか」の想像以上の酷さに力尽きそうだ。次の朝ドラは見ないと決めているので、「わろてんか」には期待してたのにな。朝から楽しく笑わしてくれるとばかり思ってた。

そしててん役の葵わかなちゃん、既に可哀想になぁと思ってしまう。「下手くそ」「可愛くない」ともうあちこちで言われてて、この子の責任ではないのになぁと思う。
確かにこのところキャリアがあるヒロイン役が多くて、比べれば演技はまだまだだ。でも見てられないほど酷いわけじゃないのに、脚本や演出の悪さが全部この子のせいみたいになっている。座長ってそういうもんとはいえ、これはあんまりだよなぁ。

「まれ」「とと姉ちゃん」「べっぴんさん」は途中脱落したけれど、このままだと「わろてんか」は最速記録を出しそうだ。
なんとか気づいて、楽しい時間をくれませんかねー?
本気で「トットちゃん」と入れ替えてくれないかしら?今のトモエ学園エピソードなんて、すごく優しい気持ちになれて、朝見るのにぴったりなのに(笑)
あまりもグダグダで吐き出さずにはいられなかったよー!(笑)

追記
松たか子の主題歌だけはいいなぁ。朝にぴったりの爽やかさだし!