温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「anone」 2、3話 感想 なんて言えばいいのかサッパリ分からないけど、目が離せない

録画を見るタイミングがなくて初回からちょっと間を空けて視聴。
が、見だすと止められず2回分一気見。

なんて言えばいいのか全然わからない。なんか気になって先を見ずにはいられないのだけどどこがどうとか上手く言えない。あー、上手く言葉にできる人が羨ましい。
でも、いいの。なんかよくわからないけどいいの。子供か!(笑)

この枠の前2作は見てないけど、話を聞く限りはその2作よりは「カルテット」テイストなドラマだと思う。
謎だらけで不親切な造りで受け付けない人も多いはず。ストーリーも3話でやっと見え始めて来たくらい。だけど、何というか好きなんだよね。
歌とか詩とか、意味よくわからないけど何か惹かれる、そういう感じだ。
上手く言葉には出来ないけど、このドラマの言い分はなんだかわかるのだ。

初回の広瀬すず演じるハリカが子供の頃、おばあちゃんの家で過ごした記憶がまるでおとぎ話のようだったけど、それがそのままこのドラマを表してる。
偽札、誘拐、改造銃…と色々な犯罪が出てくるのに怖いとかじゃなく、なんだか哀しくてファンタジーだ。
改造銃で上司を撃ち、持本(阿部サダヲ)やハリカを監禁する西海も凶悪な犯罪者ではなくて何か滑稽で切ない。
「自分が、いてもいなくてもどっちでもいい人間だって、45になっても思うんだ。20才の倍思うよ」
という西海のセリフ、ひたすら噛み合わない会話が続くドラマの中で、不意に突きつけられる自分の思いのようで突き刺さる。
ああ、これこそ坂元裕二。しんどい。けど見たい。

そしてこの人によっては難解なドラマを成立させてるのは俳優の上手さと映像の美しさ。
初回のハリカのネカフェ仲間や弁護士の息子、西海など、脇役までがとてもハマっていていい。脇の俳優さんは「テレビでよく見るー!」という人はあんまりいないのにどこからみつけてくるのかなぁ?と不思議なくらいみんないい。
映像も、亜乃音(田中裕子)の家や持本のカレー屋とか、凄い生活感があるのに1枚ガラス越しの様な美しさ。そしてだだっ広い空き地と風車、というような現実のようなファンタジーのような風景。
そういうのがこの脚本と合っている。

で、セリフで説明が無い分を映像と俳優の演技で分からせてくれるので、目が離せずじっと見てしまう。みんな上手いけれどやっぱり田中裕子は別格だなぁ。
持本達が亜乃音の家と工場を荒らしハリカを誘拐する。そこへ帰宅してハリカに荒らされたと誤解して、彼女に裏切られたと思う亜乃音。ほとんどセリフが無いのに思わず「違う!誤解だから!」と言ってあげたくなる。
青羽(小林聡美)に「娘を預かってる」とハリカの画像を見せられて、瞬時に状況を理解しハリカのために大金を出すという亜乃音。見てて泣きそうになる。田中裕子、さすがとしか言えない。

3話でのハイライトは、共犯として手を組むことにした亜乃音と青羽が一箱のタバコからそれぞれ一本とり火を点けあい、一服して足で踏み消すシーン。かつてハードボイルドな男同士の定番シーンをベテラン女優2人にやらすこのカッコよさ。たまらん!

ネット記事では「難解で、90年代風で、若者にウケない」と書かれてた。まぁ、そーかもね。
けど、自分は単純明解で楽しいドラマも好きだけど、訳わかんないけどなんか気になる、そういう面白さも好きだ。
ドラマの面白さは色々だ。
このドラマはやっぱりなんだか上手く言えないけど、面白いのだよ。