温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「BG 〜身辺警護人」最終話 裸の王様オンステージ、終了

「BG」最終回で最高17・3%、毎分最高は矢沢永吉の登場シーン

最終話放送後、たくさんの記事が出た。視聴率が17・3%で自己最高で有終の美、なのだそうだ。みな褒めまくる。
そっかそっかー、よかったねー。
でも問題は冒頭の記事の見出しで全部わかるよね。

最終話、亡くなった上司上川の汚名を晴らすべくゆり子大臣と共に動くBGチーム。が、様々な横ヤリが入り追い詰められていく……
まあ、ストーリーはほぼ想定通り。ついに最後まで意外性ゼロの安定走行。一貫してましたねー(笑)
命を狙われているとか言いながら、ホテルに入るゆり子大臣と「明日9時にお迎えに上がります」とか、アホか部屋まで張り付けやそれって次の日来ないフラグだよねと思うとその通りとか、初回の立ち位置からやっぱりSP江口が予定通り最後に手助けするとか、ついに一度もSPがちゃんと動いたことはなかったなぁ、日本の警察そこまでポンコツか、とか内容についてはもういいや。出来悪いのはわかった。ついに回復しなかった。

しかし、最後まで見てつくづく思う。裸の王様になった木村拓哉が気の毒だ。
毎分最高が矢沢永吉登場シーンて、要はドラマが見たいんじゃなく「永ちゃん、いつ出るのー?」と見てたってことだ。ドラマも木村拓哉も関係ないじゃん💧
それでも「高視聴率、わーい!」という記事ばかりでるけれど、ネットの反応だけでも「アンナチュラル 」と違いは歴然。
ライターの記事でも「高視聴率」を書いた記事が大半、内容について検証した記事の量が全然違う。
ツイッターなどの視聴者の反応をみても、「アンナチュラル 」が「ミコト」「中堂さん」と役名で書いてたり、真田丸以降よく見るイラストつき感想が次から次へと上がるのに比べると、「BG」は「キムタクすてき!」「山口智子と共演泣ける!」とか俳優の名前ばかり。
「ドラマ」として見てるか「俳優のイメージ映像」として見てるかの差がはっきり見える。
製作陣はなんだかんだで視聴率が良ければ仕事としては合格なんだろうけど、「俳優 木村拓哉」はまた賛否両論だ。
元々「キムタクファン」で出てれば喜ぶ層が多い事を考えれば、俳優としてこのドラマをやったメリットって果たしてあったのか?

自分はSMAP結構好きだったし、木村拓哉がなかなかヒールのイメージを払拭出来ないのを残念に思ってる。これだけのスターであり続けた人はなかなかいない。
けれど一方で、確かにこのままでは木村拓哉ダメだろうなぁとも思う。
「何をやっても木村拓哉」という批判に対し、「高倉健だって何をやっても高倉健じゃん」という言い返しをよく見るけど、高倉健木村拓哉じゃその「らしさ」の質が全く違う。
質実剛健、昭和の男」の高倉健ならオッサンになっても、むしろオッサンになればなるほど魅力を増すものだ。
それに対し木村拓哉って「反体制のヤンチャ小僧」なんだよね。結局若いうちしか使えない「らしさ」。
だから色々あった今こそ、ガラッとイメージチェンジを計って、ちゃんと「俳優」になるべきだったのに。

そういうのでうまくやったなぁと思うのが水谷豊。元々人気俳優で、ドラマは必ず視聴率を取るという人ではあったらしい。けど、かつては「小柄でちょこちょこ動く肉体派」な役が多かったんじゃないだろうか?
それを「相棒」でガラッとイメージ変えてきてそれが大成功。上手く知的イメージもつけたから、「相棒」以降も困らなそう。
今60代前半で「相棒」が17年?18年??だから、杉下右京を始めたのが40代後半かな?
いいタイミングだよね。
小柄で渋さが出せるか難しいかも、というタイプだったのに上手くやったなー。
だから木村拓哉も今回ボディーガードなんてやるべきじゃなかったんだよ。若くないと厳しい職種をなぜ選ぶ?誰かアドバイスしてあげなよ。いくら平均よりは動けると言ったって45歳は45歳。まあ、「A LIFE」がいまひとつだったのもあるんだろうけど、肉体派は続かないでしょ。だったらせめて刑事にすべきだった。

そして、今からでもきちんと演技の勉強するべきだと思う。
じぶんは木村拓哉のドラマでちゃんと見たのって「HERO」くらいだけど、その時のキラメキはやっぱりスターだった記憶があるし、俳優としての素質はとてもありそうだったと思う。
だけど、それ以降も求められるままのキラキラドラマしかやらず、おそらく演技に対しての指導や意見も貰わないままやってきてしまったんだろうなぁと、久しぶりにドラマを見たとき思ったのだ。
最初の「HERO」が20代の終わりくらいだろうか?そこらで「若者の反抗キャラ」は封印すべきだったんだよね。

そもそもSMAP全盛の時、バラエティーレギュラー組はその横でドラマやったり舞台したりしていたのに、木村拓哉は年1くらいのドラマ以外はスマスマとラジオくらいしか仕事してないのだから、ほかのメンバーよりどう考えても時間が取れたはずだ。なのになぜ、舞台やるとか、いつもと違うスタッフでちゃんとダメだしくれるような、取り巻き以外との仕事をしなかったんだろう?他のメンバーと比べたって自分は「俳優」で行くしかないのは明らかだったのに。
結果、「BG」でもいつもの木村拓哉芝居でしかなかった。
草彅剛がある時期からメキメキと俳優として変わっていって、本人もとても楽しんでるのがよく見えて、見てる側もとてもワクワクしたのに、それとは真逆だ。
木村拓哉だって素質はあったはずなのに、同じようなことを20年続けた結果がこれかぁ。

最終話、皆で打ち合わせしたシーンで木村拓哉が「うちら」と言ったのにものすごく驚いた。
45歳の大人の男性が仕事の打ち合わせで「うちら」⁉︎
これが脚本にあったなら井上由美子がバカだし、木村拓哉が言いやすいように変えたなら木村拓哉とそれに突っ込まなかった演出がバカだ。
このいかにも木村拓哉らしさ満載の「うちら」呼び。
結局誰一人として木村拓哉に違う人間を演じさせようとしていない。
木村拓哉」でありさえすればいいのだね。


まあ、現状「木村拓哉」でこれだけの視聴率は取れるし、ウワサによればジャニーズ幹部の座も決定で安泰な芸能生活が待ってるそうだし、本人が「俳優」になる気がないならまあどーでもいいんじゃない?

このドラマは江口洋介以下、共演者も何一つ見せ場の無い、誰一人として「俳優」として得のないある意味稀有なドラマだった。
けどね、これを自分はドラマと認めない。
同時期に「アンナチュラル 」という傑作が出た以上、地上波のドラマにはまだまだ期待するから。
こんな「BG」レベルで終わんないでくれるかな!

とりあえず裸の王様はお疲れ様でした。