温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「コンフィデンスマンJP」 第1話 チラチラ見える「リーガルハイ」の幻影……

さて、4月も3分の1が過ぎ、いよいよ連ドラがスタートし始めました。
今期は「うわーこれこれ!」というワクワクネタがなく、あまりテンション上がってない💧
定食のごとく、必ず見てじんわり味わう「孤独のグルメ」とかレギュラーはあるものの、毎回感想書きたくなりそうなのが見当たらず。
そんな中イチオシなのが「コンフィデンスマンJP」。残業切り上げて間に合うように帰ってきましたから!

なんと言っても「脚本 古沢良太」‼︎
まあ、ガッツリ見てたのは「相棒」の古沢回と「リーガルハイ」くらいなのだけど。
「デート」はあまりに評判いいので、去年再放送してたのを録画してみたものの、どうしても杏の演技が受けつけず挫折。
でも、長澤まさみは好きな方の女優さんだから!と期待してました。
コンゲーム物という事ですし、ドキドキハラハラさせてくれるかしらー?

で、第1話の感想。
「あれ〜???」

ダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)の詐欺師トリオがあの手この手で大金をせしめるという設定で、メインキャストは3人のみ。毎回のカモとして豪華ゲストが登場。初回は江口洋介が珍しい悪役を。

まずは顔見せで違法カジノを舞台とした詐欺でホストクラブオーナー未唯カーディーラーの山西惇から大金をせしめる。
山西惇にカジノにガサ入れにきた刑事を劇中劇で演じさせるとか「相棒」で古沢良太を知った人にもサービスバッチリ。
そして本題、経済ヤクザの江口洋介に危険を承知で詐欺を仕掛ける。
当然何度も危うい展開になり、状況は二転三転、でも最後は江口洋介をキッチリハメてメデタシメデタシ、実は江口洋介に店を取られた団子屋をこっそり救ってた、というオチも王道。

いや、あらすじはこれでいいんですよ。
何度も危うくなってハラハラさせて、でも最後は上手く行かないと「逮捕、終了!」になっちゃうし。お約束でいいんです。
こういうのはその「危うい展開」をいかに面白く見せるかだから。
が、その「危うい展開」がねー……。
つまらなくもないけど、面白くもない…。
う〜ん……。

何度も突っ込む「ルパンか!」
展開の荒唐無稽さがルパン三世かーとい言いたくなる。
特に飛んでる飛行機から現金入りアタッシュケースを投げ落とし、さらにそれを追ってパラシュートで飛び降りるとか正にルパン!
けど、その時間差で移動しちゃうから飛び降りたところでアタッシュケース拾えるとかおかしくない?、というのはもう目をつぶるけれども、それ以前に詐欺の演出が大掛かり過ぎて萎えるのだ。
飛行機をチャーターして定期便に見せかけて騙すため、空港も作り物、スタッフも乗客も全てダー子が「仔猫ちゃん」とよぶ仕掛け人なのだ。
あのさぁ、ドッキリじゃないんだからさぁ。仮にも詐欺というれっきとした犯罪でこんなに手助け得られるなら頭使う必要ないでしょう。
ルパンだって、次元、五右衛門以外の手伝いは不二子ちゃんまでだ。
人海戦術に訴える犯罪って、なんかなぁ……。
メイン3人と言っても、劇中でこんなにお仲間いるじゃないですか。
これでコンゲームって言われても、スッキリしない。もっと知恵を絞った感がしてくれなきゃ面白くないよー。
そもそも今の時代、素人ですら簡単にそれが実在するかネットで調べられてしまうのに、誰も信じない経済ヤクザがホームページがあるだけで空港の存在を信じるとか甘すぎて💧

と、ストーリー展開はイマイチ。
で、俳優陣はというと…。
冒頭の違法カジノシーン、壺振り人で登場した小日向文世がさすが。濃くも薄くもなくただ「壺振り人」にしか見えなかった。
それと、「リチャード」であるときと全く別人なのだ。そしてそれが違和感が全くない。
それに対してあとの2人は、えーと。

東出昌大を見ていてストンと「あ、下手だ。」と思った。
同世代の俳優の中でも「棒」とよく言われているけど、いやー、ほんっと素直に「わー、下手だなぁ」と思ってしまった。芝居の緩急が全くないのだ。
ダー子が色仕掛けを企んで、ボクちゃんが必至で止める。「私の事心配なのー?」と言うと「いや、全然。下手だからやめとけ」、というノリツッコミみたいなシーンのメリハリが無くて驚いちゃった。今時、このキャリアともらってる役でここまでのレベルの人はさすがに少ないよ。ただでさえ滑舌も声質も良くないのに。

長澤まさみはまだいい。けれども、見ていて思い浮かべてしまうのだ「リーガルハイ」を。
東出昌大演じるボクちゃんは3人の中では普通の「人を騙すのは良くない!」と言うようなお人好しタイプで、辞める辞めると言いながらダー子やリチャードに騙されて結局手伝わされてしまう。
この関係が、「リーガルハイ」の堺雅人演じる古美門と新垣結衣演じる黛の関係とかぶるのだ。リチャードに当たるのは里見浩太朗演じる服部だろうか。
勝つために手段を選ばず人を騙すような事も平気でやる古美門とダー子が重なるので、長澤まさみを見てると堺雅人の演技が浮かんでしまう。そうするとありありと差が見えてしまうのだよねー。
堺雅人の古美門が、嘘と本当どちらを言っているのか分かるようなわからないようなスレスレの加減の芝居をしているのに比べると、長澤まさみのダー子は、ボクちゃんを騙す時とか「騙してます」と言う演技が丸出しなのだ。
これは長澤まさみの責任ではなく演出の問題なのかもしれないけど、早い段階でそこがバレバレなので全くハラハラせず、「あー、だよね」と思ってしまう。
結果思うのは「堺雅人スゴイわ」(笑)
そしてそんな百戦錬磨の強者に振り回されるキャラとしてボクちゃんが黛と同じ立ち位置なのだけど、芝居の受けの上手さが雲泥の差だ。
当時、新垣結衣のことは好きだけどそれは可愛いからー!としか思ってなかったけど大間違いだったわ。堺雅人のくどい演技に負けない素直な演技は技術が必要なものだった。
上手さがわからないくらい自然だったんだと、東出昌大のぎこちなさを見て思い知った。
う〜ん、コメディって残酷なくらい俳優の技量が見えてしまう。

そして、こういう内容は突っ込む隙を与えてはならないのにテンポが悪いのよ!
なんかダラダラしてるんだよねー。これは初回恒例の30分延長の弊害かしら。

とりあえず、とーっても期待してたのに拍子抜けしてしまいました。
まあ、「アンナチュラル 」ですら初回は「ん?」と思ったので、とりあえず次も見ましょう。ゲストの吉瀬美智子は美しいし(笑)
1時間になればテンポも良くなるかな?
今期はあと「あなたには帰る家がある」はメインキャスト4人が全員好きな俳優さんなんだけど内容が食いつけるか微妙だし、「ブラックペアン」は二宮のミスキャスト感が不安でねー、なんとかこのドラマは立て直して欲しいなぁ。
次回こそは、ね。

追記
東出くんの芝居の下手さのどこがツラいのかと言うと、こちらから「この演技はこういう意味だよね?」と理解しに行ってあげないとわからないのだ。絵面を見てスッと考えずに受け入れる事が出来ない。だからどんどんテンポも狂うし、展開の荒唐無稽さに見てる人間が気づいて冷静になってしまうのだよねー。「巻き込み力」が無いのかな。
例にあげたダー子とのシーンでも「ノリツッコミなんだよね?」と考えてしまうのよ。
うう〜ん💧