温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。タイトル変えました。

映画「東京喰種」 漫画実写化って何だろう?とりあえず見所は窪田正孝!

全話無料配信で読んで以来気になっていた「東京喰種」。WOWOWで放送していたので思い切って見てみました。
自宅のテレビサイズで部屋も明るければ苦手な猟奇描写ものりきれるでしょう、R12だし!

見終わった感想。
「うーん、面白かったのか面白くなかったのか……?悪くはなかったかなー。」
という感じ。
ネタバレありで詳しく。

ストーリー展開はほぼ原作準拠。3巻あたりまでらしい。
主人公カネキ(窪田正孝)は喫茶あんていくで出会ったリゼ(蒼井優)に惹かれ、デートをすることに。いい雰囲気で人気の無い公園を歩く。と突然リゼに襲われる。リゼは人を喰う亜人種、喰種だった。
必死で逃げるが捕まるカネキ。その時落ちてきた鉄骨に潰されリゼは即死。リゼの臓器を移植されカネキは一命を取り留めるが、以前とは何かが変わっていた……。
この冒頭のエピソードはすごく良かった。

まずテロップで「喰種」がいる世界観をさっくり説明。そしてあんていくにいるカネキからストーリーが始まって、カネキが変わるまでが短いのに必要な説明が全部わかる。
ここは原作でも 1話の半分くらいという短いエピソードだけど、まずは俳優の演技勝ち!
蒼井優、やっぱりいいなぁ〜!
漫画ではリゼは「高嶺の花」と形容するメガネ美女なのだけど、この辺りは絵が下手でイマイチピンとこない。
そして蒼井優は「すごい美形!」というよりは「雰囲気美人」な女優さんと思うけど、とにかくこの人のリゼは妖艶なのだ。そりゃーカネキも見ちゃうよねっていう。
そんなリゼにドギマギするカネキを演じる窪田正孝も文句なし!やっぱり上手いんだなぁ、この人。
そしてバケモノへ豹変するリゼと捕食対象だと気づきジタバタ逃げるカネキ、捕らえられ絶望するカネキと2人とももうリゼとカネキでしかないし。冒頭でこの2人がガッツリ見せてくれてつかみはオッケーだ。

そこからはとにかく窪田正孝が引っ張る。
自分の身体がどうもおかしい、何を食べても恐ろしく不味い、不安に苛まれながら自分になにが起きたのかを確認したいでも恐ろしい……そんなカネキをほとんどセリフなし、絵面だけで見せる。
原作では、何か食べても不味くて吐き出す、自分はどうなってる?といったカネキの心の中をひたすらモノローグで入れてるのだけど、それを窪田正孝が演技だけでやっているのにちゃんと葛藤と不安が分かるのはさすが。こういうのが映画だよねー。下手な映画だと全部セリフで説明しちゃうし。
またこのときの食べて吐くとかいうシーンがいい感じに汚くてリアルで生々しいのがいい。映画だから吐くところをダーっと撮るわけには行かないところを、あちこち汚れてたり、角度を変えたりで見られるラインにしつつ汚いのだ。

何一つ人間の食べ物が食べられず追い込まれていくカネキは「食べられるものの匂い」をたどり喰種のニシキに出会い、自分がどうなったかをついに理解し、あんていくの店員トーカ(清水富美加)や店長芳村(村井國夫)達の助けを借りて生きる道を探す。
一方で喰種対策局(CCG)の捜査官真戸(大泉洋)亜門(鈴木伸之)があんていくの客、笛口親子を追って現れる。

トーカ役の清水富美加がやっぱりいい。
トーカはほとんど笑顔無し荒くて凶暴なシーンが大半なんだけど、若い女優さんがこういう役やると「なんかギャーギャーウッセーなぁ……」と力みばかりが目立って痛々しくなりがちなのに、ちゃんと地に足ついてる演技なんだよね。
うーん、色々あったけどやっぱり惜しいよね。WOWOWの番組欄ではもう「千眼美子」名義になってて、せめてもうちょっと宗教感のしない芸名ならなぁ…。千眼て……💧
騒動直前に放送してた「バイプレイヤーズ」のゲストも良かったし、アクションも出来るし残念なことだ。
人前に出て消費される対象になるということはそれだけメンタル削られるってことなんだろうけど、なんかなぁ…。

笛口母が喰種捜査官に殺害されカネキ、トーカはそれぞれ亜門、真戸と対決するのがクライマックス。
大泉洋は白髪ウェーブのカツラで笑かしキャラなのかと思っていたらそんなことはなく、どシリアスキャラ。
うんうん、やっぱりちゃんと役者だなぁ。無駄に喋りが立つから今だにお笑いと思われがちだけど何だかんだなにやってもそつなく上手い。特に滑舌良くてセリフ聞き取りやすいのがすごく長所だと思っている。
亜門役の鈴木伸之は「あなたのことはそれほど」で初めて見た。
劇団EXILE所属なのだけど、なんだろう?ここの「劇団」は芝居は教えないのかな?
操作シーンで筧美和子と話すシーンがウッとなったし。2人のシーンで2人とも下手だと当然誰もフォローにならない訳で💧
まあ、この映画での亜門はガタイ要員だからこんなもんかーという感じかな。

カネキ対亜門、トーカ対真戸の戦いに決着がつきそれぞれ先に向かう、と言うところでエンディング。
多少テンポ悪いかな?と言う所はあったけど飽きずに見れたし、俳優陣は健闘、アクション頑張ってたし、グロ描写の落とし所も程よいかな。
なのに、「面白かった〜!」とはならなかった。
「で?」……としか……💧
なんだろう、そもそも「漫画実写化」って面白いの???という疑問がふつふつと沸く。

原作は「東京喰種」が確か15巻くらいで、今は続編の「東京喰種re」が連載中。話は当然終わっていない。それの3巻くらいまでを実写化したところで何かなるの?という疑問。
当然話は途中。エピソードが一つ終わってはいるけれどストーリーとしての決着はまだ全然無い。
おかげで公式サイトにも意味ありげに載せているカネキを手術した医者(岩松了)の出番はほぼ1シーン。ずーっと先のエピソードで活躍するキャラの佐々木希が完全にモブキャラ。
それ以外でもカネキ以外のキャラがみな顔見せ程度になってしまってただの嫌なヤツばかりになっている。原作では先々ここに至るまでの経緯を明かされて「ああ、大変だったんだね」という共感ポイントを提示してくれるのだけどそんなとこまでとても入らない。

当然テーマの掘り下げも途中まで。
こういった「喰種」のような人間の上位種が登場するストーリーの場合、 掘り下げるポイントは、「人でない者になってしまった主人公の葛藤」「人とその上位種との共存は可能か?」「なぜ『上位種』が現れたのか」というところだけれども、あとの2つは原作でもまだ全然決着ついてないのだから、当然まずは「主人公の葛藤」を描くしかない。
その点確かに窪田正孝はよくやってたと思う。元々人だったから人を食べなくてはならない事を受け入れられないというカネキそのものだった。
なのにエピソードのアレンジがちょっと変。
配信で1度読んだだけなので記憶違いだったらすまないですが、今回のクライマックスに当たるカネキと亜門のバトルで、カネキが亜門を圧倒し、さらに人の血を見て喰種としての飢えが抑えが効かなくなり亜門を食いそうになる。それでも何とか人の側に踏みとどまりたいカネキは亜門に「逃げてくれ」と言い、亜門はそんな事を言うカネキに衝撃を受けてずっと気にかけてまた対面してなぜ自分を逃したのか問いたいと思い続けている、という展開になる。
だけど映画ではカネキが自力で抑えて去り、ハッと気づくと亜門は1人残されていたというようになっていた。
なんでだー?せっかくここまでセリフも抑えめで映像で見せたからことメインテーマになりうるところはセリフ入れてもいいんじゃない?なんで変えたんだろう?え?自分の記憶違いかしら?
おかげでこの映画でテーマにできる唯一のポイント「人でない者になってしまった主人公の葛藤」が弱くなってると思うんだよね。
これは1本の映画として見た場合に成立してるのかしら?

そして、そもそも原作を読んだ人間からしたらなんかね、ワクワクが無かった。
原作ありのものを映像化するときのワクワクって「わー!こういうビジュアルなのかー!」「おー!動いてる〜!」がまず来るわけですが、原作小説ならともかく、マンガだともうビジュアルはわかってるわけですよ。で、最近は原作ファンに叩かれないようなるべく似せるよね。だからよっぽどのことがないかぎり良くても「まあいいんじゃない?」とくらいの反応しかでない。
そして「動いてる!」の感動も、実写化されるくらいの人気マンガなら大抵アニメ化されていて、その感動も大抵アニメには敵わない。こういう特殊設定のものならなおさらだ。
実際、喰種たちの出す「カグネ」の動きとか見てて、「ちゃちい…💧」と思ってしまった。
去年映画館で予告見た時も、今回WOWOWのCMでも「トランスフォーマー」が流れてて、CG映像の出来で見たら比較のしようもないくらいなのだから。
そしてこういう猟奇描写がある場合、マンガでもアニメでも「絵である」というワンクッションで出来る表現って大きいと思うのよ。実写化することで規制も厳しくなるし、想像の余地がなくなるしなんかメリット見出せない。

そして、人気マンガは大抵長い。冒頭だけ実写化したところで「途中だよね?」感しかでないとなると、実写化の必要性ってなに?誰が嬉しいの?
いや、興行収入よければ映画会社は嬉しいかもしれないけど、このところはもうどの実写もコケてるじゃん?
なんかなぁ。制作側の自己満足かなー?

そこそこよくできてるとは思うけど、熱を感じないんだよね。
「この作品をぜひ実写化して大勢の人に見てもらいたーい!」
っていう熱を。
そりゃ、原作知らない人は面白いかもしれないけど(多分そういう人に分かりやすくは出来てる方だと思う)、原作ファンを納得させないとそもそも興行収入いかないしね。

そこそこ原作に忠実、そこそこ雰囲気出しててそれなりのCGでまあまあ見られる物になりました。
で?
なんか楽しくない。
元が人気マンガだからシガラミ多いんだろうけどねー。
実写化ってやる意味あるのか?としか思えませんでした。

悪くはないけど、良くもないなぁ、やっぱり。