温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「カーネーション」 やっぱり放送飛んじゃったなあ

昨日火曜日、番組表には「カーネーション」の文字がありましたが、さーてどうだろう怪しいなぁ……と思ってたらやっぱりニュースで放送中止でしたね。まあそうだよね。うん、でもこれだけのニュースでNHKだから当然やるのはわかるから、最初から期待させないで特別ニュースにしとけばいいのに💧まあ、時間変更しないならいいですけどね。心配&保存用にBlu-rayの容量こじあけてそちらでも予約してますし、そちらはちゃんと番組変更に対応して録画してなかった。優秀!(笑)

月曜には54、55話を放送。
第9週の土曜と第10週の月曜の回。この切れ方直して欲しいなー💧
昭和16年、さらに大東亜戦争も始まり庶民の生活への影響も大きくなるなか、それでもたくましく生きている糸子はある意味人生で初めての挫折を味わう事になる。
出征して戻ってきた幼馴染の勘助。何があったのか心に傷を負って帰った勘助は抜け殻のよう。何とかしたいと心配した糸子は励まそうと勘助の憧れたサエに引き合わす。しかしそれが引き金になりパニックを起こす勘助。土砂降りの中やってきた勘助の母、安岡のおばちゃんに糸子はなじられ二度と会うなと言い渡される。

今まで糸子は仕事にも周りの人間に対してもがむしゃらで一生懸命、といえば聞こえはいいけれど、ただ自分のやりたいようにやってきてそれでなんだかんだで上手くいっていた。
それはもちろん糸子のがむしゃらさを周りが評価してくれたのがあるし、裏表のない糸子の事を皆が好きだったのもある。思慮の足りないところもあるけれど、それを指摘されれば受け入れる素直さもあった。
なにより子供だったこれまでの糸子にとって立ちはだかる最大の壁はお父ちゃんで、それは糸子に限らず誰もが超えるべきものであるし、似た者同士である糸子とお父ちゃんはぶつかり合っても元に戻れる強さがそれぞれにあった。

しかし世の中にはいろんな人がいて、誰もが糸子のようにがむしゃらには出来ないし、そしてそれが悪い訳でもない。
勘助は気の弱いところはあるけれど、人の心の内まで見る事のできるいいやつだ。糸子が気づいていない奈津との微妙な関係にも気を配れるし、めちゃくちゃな仕事をしてしまう糸子をフォローする優しさもある。そしてそんな勘助の長所は戦地ではハンデになってしまう。
安岡のおばちゃんは戦争で夫を亡くしても明るく元気に息子を育て、よく気がつくいい人だ。そして当然糸子より圧倒的に大人だ。だから泣けない奈津を糸子が「いつか泣けるようにしちゃる」と思っても、奈津は糸子ではなく安岡のおばちゃんの前で泣くのだ。

糸子はがむしゃらに強い分、他人の弱さがよく分からない。そして経験値、特に身近な人を亡くすというような体験が少ない。強い糸子が良かれとやったことが勘助の傷をえぐってしまう。そしてかつて戦争で夫を亡くした安岡のおばちゃんが糸子が息子にした事をいつものような大人の対応を出来なかったのも仕方ないのだ。誰が悪かったかといえば、糸子が悪かったとしか言えないのだ。世の中には悪意がなければいいという訳ではない事を糸子は思い知らなくてはならなかった。

月曜からこういうエピソードをガツッと入れてくる「カーネーション」はやはりすごく考えて構成されているドラマだ。
10週目、放送開始から2ヶ月半で今まではがむしゃらで何とか出来てきた糸子がまだ全然足りてないという容赦ない現実を突きつけて、生きるということは甘いもんじゃないと思い知らせてくる。ここを乗り越えてまだ糸子は進んでいくんだろうとも思えてますます先が気になる。

同日スタートなので現行朝ドラとツイッターで比較感想をあげる人が多いのだけど、たしかに容赦ないくらい作劇の力量が違う。
けさもまたヒロインが「人の心を捨てたから、先生はいい年して独りもんで家族も友達もいないんだ」という、うわぁなセリフを言っていてなんの注意も受けないというお約束な展開があった。
すごーく好意的に解釈すると、先々の成長を見せるために今のヒロインをクズに描いているのかもしれないが、ここまで2ヶ月長所が何一つ出てきていないのでこれでは視聴離脱する人が出るのは当然だ。
カーネーション」の糸子は欠点も失敗も多いけど、その都度反省したり学んだりと少しずつでもちゃんと自力で前に進んできた。だからヒロインとして受け入れられるし応援もしたくなる。そして視聴者の心を掴んだ2ヶ月過ぎ、ガツンと衝撃を与えてきた。
うん、凄くよく練られててたまらなく面白いドラマだ。

カーネーション」たった1話でこれだけ考えさせるエピソードを作ってくるのだからたまらない。なのに休止が多くてツライ…。
昨日は仕方ないけど、「米朝」と言うのを見るたびに「落語家…?」と思うくらい逃避しちゃったよー。
今日は放送あるよね、待ってます!

追記 糸子も鈴愛も基本無神経で言いたいことを言うダメな子なのに印象がまるで違うのは、やはりその事によって痛い目に合わせて考えさせるという、人間の成長の基本的な学習方法をとってるからどうかの違いかな。
とんでもないことするのは朝ドラヒロインの基本なんだけど、何一つ謝らず怒られず何も変わらないというのでは、そりゃ好感は持てないよね。