温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。タイトル変えました。

「透明なゆりかご」 第5、6話 変わらなくて答えの出ない問題

産婦人科は望んで妊娠し出産する、幸せな患者ばかりではない。

そういう人達をどう描くのか、そこがいつもこのドラマはいいのだ。

 

第5話は14歳の妊婦の話、第6話は中絶手術を受ける17歳の少女と不妊治療で悩む夫婦の話。

望まない妊娠をする人と望んでも妊娠できない人。それぞれ辛いけれど、共通するのは負担を負い傷つくのは女性なのだという事。

 

第5話の14歳の少女は恋愛だと思っていた大人の男に騙されて妊娠して逃げられた。その状況が分からないほど幼い彼女は子供を産むと言い張り、そんな彼女の母親は自分の育て方が悪かったのかと悩む。そして覚悟を決めて娘を自立を促すのだが突然亡くなってしまう。母親が亡くなったことで親の自覚を持ち自立し子供を育てていく。

 

けれど未成年の妊娠が出産まで出来るかというとそれはまた難しい。

その答えのようにもなっている第6話。

アオイが由比産婦人科の前で出会ったハルミ。

付き添いがいれば格安で中絶してくれる医者に付き合わされる。

「なんでちゃんとしないのか」と言うアオイに「男に言ってよ」というハルミ。

一方、由比産婦人科で診察をうけるアキは不妊治療の末に妊娠したものの育たなかった。不妊の原因は夫にあったのだが、妊娠を告げた時「俺の子なのか」と言われたことで傷つき離婚したいと言い出す。

 

妊娠は女性だけでは出来ないことなのに、何かあれば負担は女性が負う。この事だけはいつも変わらない。

ドラマは97年の設定だけれども、20年経った今もびっくりするほど変わらない。

どこかのアホが「産まない方が幸せじゃないかと勝手な事を言う人がいる」と言って炎上したのをヘラヘラしてたけど、「産みやすい社会」にするのがお前の仕事だろー!と突っ込むくらい、変わってないのだよね。

そして変わらない社会の中でも、現場の医師達はそれぞれの思いのもとに自分が出来ることをし続けているのだ。

 

格安で偽名でも相手の同意書無しでも中絶を受け付ける老医師夫妻は、20年前に状況を詳しく聞いた女子高生が帰り道自殺してしまった事を悔やみ、ここまで来るほど追い詰められている女性をただ受け入れる事を選ぶ。指定するのは一つだけ「付き添いを連れて来ること」。ちゃんと家まで帰るように。

一方、由比院長は中絶を出来ればやりたくない事といいながら、結局他でやるのなら、いつか望んだときに授かれる準備のため丁寧にしてあげるのだと。

17歳のアオイはまだ少女らしく「簡単に出来たら堕ろせばいいと思うのではないか?」という非難を投げつけるけれど、それに対し老医師は「あの台に上がったことがあって『簡単に堕ろせばいい』と思う人はいない、と私は思う」と答える。

アオイの青臭い正義感も当然だし、それにきちんと自分の考えを示す医師達。

絶対の正解なんてない中、それぞれの答えを出す。ドラマもどの答えも支持をしないし否定もしない。感情的にならず、淡々と問題を考えようと提示するのがこのドラマだ。

こういうドラマはやっぱりNHKでないとつくれない。見終わったあといつも色々考え込んでしまう。

 

ドラマの内容もいいけど、作りもいつも楽しみ。

民放や大河や朝ドラと違い視聴率をあれこれあげられることもないから、人気頼りでない適材適所なキャスティングが楽しみ。

このところの未成年妊婦役で実際に10代の女優さんが出ているけど、いつも上手いしぴったりでどんな人が出て来るのか楽しみだ。

14歳妊婦役の子は当時まだ13歳だったそうなのだけど、演技がしっかりしてる上にいかにも「14歳」という、身体は育ってても何となく漂う子供感がして良かった。

そう、最近学園ドラマが面白くなくて、それは自分が年取ったからかなー?と思っていたけど、それだけじゃないということに「鈴木先生」を見ていて気がついた。

いくらなんでも生徒役が年齢行き過ぎ!

不況の折、スポンサーとか視聴率のこともあって10代の子の主演ドラマが作れないのはわかるのだけど、20代ばかりの高校生はやはり無理。単純に高校生に見えないのだ。

鈴木先生」が面白かった理由に、設定が中学生なので基本的なトラブルが学校内で起こることと、流石に生徒役がどう見ても10代の俳優ばかりなので、ちゃんと中学生というまだ完成してない不安定な世代の空気が出ていたからだ。

これはやっぱりその世代の人にしか出せない。

身体もまだ育ち切ってなくてちょっとバランスが悪くて、それなのに口だけはあれこれ言うといった人間として生き物としての未発達さがいかにも中高生という感じになる。

最近多いスイーツ系映画で20代の俳優で高校生物を作るけど、映画館の大きい画面で予告を見てると、肌質からしてもうどう見ても10代じゃない人がバッチリメイクして、シワ一つない制服着ててもコスプレにしか見えない。演技のウマヘタだけじゃないのだ。

よくエッチなグラビアの子で「合法ロリ」と称した童顔の成人女性を見るけれど、あれも結構年齢わかるしね。童顔とかでも何となく醸し出すものが違う。骨格とかも変わるし。

「ROOKIES」みたいなひねった物ならともかく、普通の学園物ってやっぱ無理ですよ。

 

で、2話で1人で出産した女子高生役の蒔田彩珠はもう売れっ子でよく見るし安定の良さだけど、今回のハルミ役のモトーラ世理奈というモデルさんが物凄くよかったー!

19歳のモデルさんで最近女優業もやってるらしくテレビドラマは初なのだそうだ。見たことあると思ったらRADWIMPSのCDのジャケ写の子でなるほどーと思った。

いわゆるわかりやすい美人系ではなくモード系のモデルさんというルックスで「すげー美人!」という感じではないのだけど、存在感があって魅力的。セリフは拙いところもあったけど、表情がすごくよくて先が楽しみだ。

この人と、タイプの違う清原果耶が並んでる画面は透明感満載でキラキラしてました!

若いって魅力の一つだよね!と思いますよ(笑)

 

一方の老医師夫妻をイッセー尾形角替和枝という配役がまた反則!これだけで勝ち(笑)

カーネーション」で糸子役を60歳以降を尾野真千子から夏木マリに引き継いだときあれこれ憶測記事が出たのに対し、脚本家が静かに反論したのを読んだことがある。

尾野真千子は力のある俳優で彼女なら晩年の糸子を演じることはできると思う。けれど、それはまだその年齢に達していない我々のおごりなのではないか。歳を取ったゆえの苦悩やら重みというものは歳を重ねた人間にしか出せないのではないか、ということで引き継いだという。

今回の老医師夫妻を見てそれを思い出した。

若い役者さん達も存在感はあるけれど、いるだけで画面が締まる説得力はやはりイッセー尾形角替和枝という人たちならでは。

そしてそんな人達と共演して清原果耶やモトーラ世理奈が俳優として学んでいくのは、ドラマの内容ともリンクして素敵だなぁと思った。

 

そして院長役の瀬戸康史。「キバ」の頃はこういう可愛い顔の男性俳優さんは年齢いくと大変そうだなと思っていたけど、いい感じに歳をとって、いい仕事をしていていいなぁ。

なんかNHKに気に入られてるよね(笑)

クールなようで熱意に溢れた由比院長がすごくハマっていていいです。

あと4話かー。楽しみだけど終わるのはつまんないなー。