Twitterを眺めていたら羽原大介氏が「昭和元禄落語心中」についてつぶやいていたのを見かけた。
なんでだろう?と確認したら脚本担当するのだそうだ。
元々「菊比古が岡田将生‼️それは見なくては❗️」と思っていたけど、脚本がこの人ならますます期待できそう。
羽原大介氏は今BSで毎日再放送している「マッサン」の脚本家なのだ。
「マッサン」の本放送は2014〜2015年にかけてだったのだけど当時朝ドラを見る習慣がなく、堤真一の役がいいという記事を見て途中から見始めた。
なのでせっかく再放送が始まったしと4月から改めて見始めて、今週で最終回を迎える。
そしてこのところつくづく思うのだけど「マッサン」って実はとてもいいドラマだ。
当初は王道朝ドラフォーマットにのっとった無難な作りで、及第点ではあるけれど特別インパクトもない、と思っていた。
けれど、その基本的な要素をきちんと取り入れながらそれぞれのキャラクターが立っていて、エピソードも間延びせずにキッチリ半年進めているのはよく考えたら結構凄い。
自分は朝ドラを見るようになってから4年くらいでまだまだあまちゃんですが、途中で挫折したもの、飛ばし見のもの、完走したものそれぞれある。この4年のなかでは「ひよっこ」が一番好きなのだけれども、そんな「ひよっこ」でも突っ込みたいことはある。全体の構成のバランスが悪い印象なのだ。「ひよっこ」の脚本家は朝ドラ3本目のベテランで、確か「エピソードを月曜に始まって土曜に解決の形にこだわらず書く」とインタビューに答えていた。けれど、意外と土曜でケリがつく事も多くて、あれ?結局フォーマットに引きづられるんだなと思った。そのせいか、後半に出したはいいけど描ききれなかったキャラが何人か出てきてちょっとガッカリしたのだ。
後半の頃のインタビューで「当初は10年くらいを書くつもりが4年になった」とも言っていて、やはり半年の長丁場、週に15分×6話という特殊な形態のドラマを構成するのは大変なんだなぁと思う。
そんなかんじで見てみると「マッサン」のエピソード配分は後半のエピソードを伸ばした感じもなく程よく書き込まれていてモヤモヤ感がしない。
特に余市の恩人熊さんの息子一馬の出征エピソードとマッサンの甥の悟のシベリアからの帰還のエピソードが良かった。そう、戦争についての触れ方が上手いと思う。
戦争をまたぐ朝ドラは多いけど、描き方がなんだかなぁというのが多くてモヤモヤするのだ。
主人公が女性で(マッサンは一応一番手は玉山鉄二ではあるけど)直接戦争に関わらないので、描き方はそれぞれな分酷いのは酷くてねー。
最近ので1番おいおいと思ったのは「とと姉ちゃん」。家族が女ばかりで出征が全て他人事で、同僚の出征も簡単。東京住まいなのにさほど食べ物に苦労してるフシもなく、「栄養不足で肌が痒くなりました」のナレーションだけ。戦争中感が全くなかった。
「朝から戦争描写は辛い」という戦中世代の声もあるそうだが、戦争を知らない世代が大半になったからこそドラマでキッチリ描くべきじゃないのかな?朝ドラはリアル戦闘シーンはほぼ無い分やり方はあるはず。
「マッサン」は1人が出征することによる周りの反応を1週間つかって描いたり、そして彼が戦死したことの哀しみ、彼が遺したものを描いた。そして戻る事のできた人間も深く傷ついている事と、それを癒すものこそウイスキーなのだという、王道の展開を丁寧に描いていてなんだか泣けてしまった。
現行朝ドラの「既存の朝ドラをぶっ壊す」と威勢はいいけど、壊しすぎてドラマの体をなしてない様子を見てると、朝ドラの王道を真っ直ぐに行く「マッサン」がいかに真摯に作ってるのかよくわかる。
そう、「王道」悪くないよ!ドラマとして面白い方が大事!
そもそも「マッサン」はヒロインが外国人という大冒険をした分、それ以外の所を手堅くまとめてきてていいと思うのよ。
無駄にポジティブシンキングなヒロインと好きなことへの才能はあるけどほかはボンクラな旦那、という朝ドラ王道の夫婦設定も最後までブレなかったからこそ半年分見てきたのが報われた感じだし。
最後までマッサンは融通きかない坊ちゃん育ちのウイスキーバカだし、エリーはひたすらマッサンを信じてて、まあ馬鹿ップルなんだけど(笑)それでも憎めないように描くのが脚本家の腕だよね。
あ、朝ドラにありがちな浮気疑惑騒動が無いのも良かったなぁ。マッサンはダメ男だけどエリーのことはいつも大好きで、挨拶のハグすら引き剥がそうとするくらいだ。一途、いいよね!
そんな「マッサン」ももう終わりだけど、そういえば最終回前日の金曜日、「あさイチ」のゲストにシャーロットが来て、有働さんが泣いちゃって泣いちゃってイノッチがハンカチ差し出して「あー、これが噂の!」と思ったなぁと思い出した。
有働さんが本気で見てる感じが良かったなー。
新あさイチメンバーは第一弾は事故にあったと思って、10月からの「まんぷく」は心から楽しんで欲しいなぁ。
菅田将暉も出るしね!(笑)