温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「おしん」 第43話 田中裕子こそ、演技のバケモノだよなぁ……

おしん」第36話で少女編が終了、37話からの青春編で田中裕子がおしんとして登場。
子供子供したおしんちゃんがいなくなってちょっと淋しいなぁ〜と思っていたけれど、心配するまでもなく田中裕子がすっと引っ張っていった。

加賀屋に奉公にきて8年、おしん16歳。
当時田中裕子は28歳なのだそうだけど、もう「16歳」でした。そうとしか見えない。
8年の間に大奥様に商売の事からお茶にお花の花嫁修行までたたき込まれ身のこなしは落ち着いてしっかりしているのに、ちょっとした仕草の端々にまだ若い感じがチラチラ見えて、見ている方もなんにも考えず16歳と思って見ている。
いや、調べなきゃ本当に16歳と思ったかも。
確かに童顔ではあるんだけど、表情とかもまだ子供感がするんです。
あーやっぱり田中裕子だなぁ。

当初はおしんの事を胡散臭く見ていた加代お嬢様だけど、実は興味の裏返し、ふとしたきっかけからすっかり仲良くなり、それと共に若奥様の信頼も勝ち取ったおしん
けれどけしてそれに甘えず奉公人としての分を弁えて働いていた。
そんなおしんに成金の次男との縁談という、これ以上ない玉の輿の話がくる。
加代は「言いなりで嫁に行くのか⁈」とおしんをなじるけれど、貧乏の辛さが骨の髄まで染みているおしんはまだぴんと来ないもののそれもいいのかなと思っていた。
一方の加代はわかりやすく苦労知らずのお嬢様。社会主義に憧れたり、「画家になる」と女学校を辞めてしまったりと子供の頃から性格変わらず。

そんな2人がまさかの同じ男に惹かれた事で事件は起こる。あー、橋田壽賀子先生怖いわー。
砂丘で出会った安田と名乗る影のある男by渡瀬恒彦
自分の絵を褒めてくれた上にゴーギャンが好きというインテリぶりに加代は一瞬でのぼせる。
一方のおしんは胡散臭く思っていたのに「小作の生活のために組合を作る運動をしている」という一言でいちころ。
どちらもまだ16歳、おしんだってしっかりしていても加賀屋周辺しか世の中を知らない。
そしてお嬢様がこういう男に惹かれるのもお約束。
見てると安田は活動家と言っても、地主の親から生活費を送ってもらっているという「それでいいの?」と言いたくなるようなあまちゃんなのだけど、小娘にはそんなことはわかりませんわね。

加代の気持ちは一方通行、安田はおしんに「迎えにくる」と言って旅立った。
はい、もうこうなるとね女の友情なんかありません。
子供の頃「お加代様と大奥様のためならなんでもしよう」と誓ったおしんが、加代に隠れて安田に会ったり、大奥様のまとめてくれた縁談が嫌になる。人間いつまでも子供ではいられないのよね。

安田からおしん宛の手紙に気づいた加代は婿候補との顔合わせをすっぽかし、「おしんは玉の輿に乗った」と嘘をつき無理矢理東京に行く安田について家を出る。
そしてそれに気づいたおしんは加賀屋で安田の連絡を待ち続けるが、進む縁談に耐えきれなくなり逃げてしまう。
その43話ラスト田中裕子のアップが恐ろしかった。
もう子供の顔じゃないんです。女の顔なんですよ。
まだ安田とは数回会っただけ、一線を超えてもいないのだけれども、安田や加代に対する色々な感情が溢れてくるような、女の顔でした。
あー、やっぱり田中裕子だわー。

最近みたブログで安藤サクラを「演技のバケモノ」と書いてるのをみて「うんうん、わかるわー」と思っていたけれど、それで言えば田中裕子がいますよね。
最近でも時々連ドラに出ては恐ろしい演技を披露してますが、やっぱり昔からすごいのね。
派手な美人顔とかではないのに、役によって恐ろしく美しかったり、びっくりするほど普通になったりしてますが、この43話のラストのアップはマジでゾッとした。
朝からえらいものを見た。

あー、青春編でも相変わらず面白いですよー「おしん」。
目が離せない。