週のラストの土曜日、次週の十勝編へのフリも兼ねてのほのぼの日曜日のシーン。
十勝に連れて行ってあげるというなつに対して「ありがとう」と優は言う。
それに対して「ありがとうなんて言わなくていい」というなつ。
咲太郎の会社でなつの帰りを待つようになった優は、おやつをくれる光子にお礼を言わず「ママがありがとうと言っちゃダメと言ったから」と言う。
それを聞いた光子は「感謝の気持ちは人間の基本。『ありがとう』は言わなくてはダメよ」と諭し、なつの教育に疑問を持つ。
あー、なんというか、このドラマの（主に脚本）のダメなところがわかりやすーく出たところだなぁと思いました。
言いたい事は分かるんですよ。
働く母親が子供とずっと一緒にいてやれない事で、本当は必要無いはずなのについ持ってしまう罪悪感を描きたいんだと。
光子さんの諭しを入れるのは、たとえ子供から親に対してでも感謝の気持ちは伝えるべきで、それは決して親と近しく思ってないからの事ではないんだと。
でもね、言葉足らず過ぎ。これじゃ伝わらなくてもしょうがない。
実際またこの件でツイッター荒れてましたしね。
後半は特にだけど、こういう状況説明の下手さと言うか言葉のチョイスの適当さが目につき過ぎるんだよね。
ツイッターで「子供のなつに富士子さんが言った言葉にかかってる」って意見があって、それはそうかもしれないけど、視聴者はそうそうそんな前の事覚えていないでしょ。
「なつぞら」の下手さに伏線の張り方のまずさがある。
この件もこれが2時間の映画ならありだと思うけど、ものは朝ドラでながら見の人も多い。
4ヶ月前のエピソードなんてすぐに出てこないよ。
上手い脚本ならこういうフリをちゃんと思い浮かぶタイミングを外さないし、直球で回想を入れたりするでしょう。
毎日15分という朝ドラの形式を把握してるようにはとても思えない。本当に朝ドラ2回目なのかしら？
やっぱり登場人物が多すぎて、主人公のなつですら書き込みが足りないからのモヤモヤなんだなぁ。
長丁場の朝ドラで、主人公が一つの事をやるだけでは半年持たないという判断はよくわかる。
と言って無節操にあれこれやらせてはご都合に見えてしまう。そのパターンの失敗例が「まれ」。
「おしん」もあれこれと色んな事に手を出しているけれど、あれは主人公の境遇と時代背景があったからあのなりふり構わない感じがハマっていた。
なのでここ最近はダブル主人公に近い形で、主人公の選ばなかったifを担うキャラが入ったりする。
「あまちゃん」「花子とアン」「あさが来た」とかね。
そこまでいかなくても「カーネーション」の奈津みたいな感じでも効果的だ。
「なつぞら」もそのくらいに絞ればよかったものを、入れに入れて収拾つかないとか欲しがりの子供みたいで。
ここまで見て「なつぞら」は亜矢美さんがいらないと思っていたけど、雪次郎もいらなかったー💧
雪次郎にあんなに尺を取るならなつの仕事と子育ての葛藤をちゃんと描いた方がよっぽどドラマとして成立したのに。
モデルの奥山玲子さんのエピソードが色々上がっているのだけど、そっちの方がずーっと面白いんですものねー。困ったもんだ。
「なつぞら」はもうあと1ヶ月しかないし、今週は天陽くんエピだから、子供はどのくらいまでやるんだろう？
朝ドラの働くヒロインのあるあるパターン「構ってもらえなくて淋しかったから母親に反抗する娘」になったら嫌だなぁ。
いや、こないだの「茜さんがいい」はその別パターンとも言えるんだけどね。
主人公の生き様を写す役なのでグレるのは必ず娘なんだよね。
共働き家庭で育った身としては「なんだかなぁ」と思ってしまいますよ。
もうちょい別パターンを掘り下げてほしいけれども、時間切れだろうなぁ。
劇中の衣装やら仕草やらが昭和らしくないという叩きも多くて、見てると挙げ足取りのような人たちもモヤッとしなくもないけど、突っ込まれる隙だらけのドラマスタッフ側にもモヤッとする。
雪次郎が見舞いに持ってきた菓子折りが菓子屋の主人なのに裏返しとか、確かにざわざわする。これはスケジュールがキツくて余裕がないことの表れなのかもと思う。
前に佐藤健が「（朝ドラは）時間が無いから演技指導とかはない」と言っていて驚いた。
まあ佐藤健は役が佐藤健っぽさを求められるものだったし、キャリアあって芝居出来る人だったからかもしれないけど、「なつぞら」のこのどうもピースがちゃんとハマっていない感じはそのせいかもなと思った。
家事を手伝っていたはずのなつのキュウリの切り方がヒドイ！とひと荒れしてましたが、それも演出がちゃんと見るべき事でしょう。
なんでもすぐに広瀬すずが叩かれてしまうんだから。
まあ広瀬すずはメンタル強いというかマイペースそうだから、負けてなさそうだけども（笑）
正直、天陽くんエピもいるのかい？と思っていてどんどんテンション下がってますけど、あと1ヶ月だからね。
あとはいかにイジリを楽しむしかないかな
