温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「ゲゲゲの女房」第118〜127話 まだまだ星野源が出て嬉しいわ(笑)

苦節ウン十年、ついに茂の時代がやってきた。

悪魔くん」のドラマ化、「ゲゲゲの鬼太郎」のアニメ化と続き大ブームに。

漫画の注文もひっきりなしで忙しい日々を送っている。

そんな時、布美枝の弟貴司が東京にやってくる。

 

おー、星野源再登場〜!

まだ出てくると思わなかった、うれしいなー。

ミシン販売店の婿養子に入った貴司は研修で東京にやってきたが、仕事が忙しく妻子と上手くいっていない様子。

布美枝の方も、茂のあまりの忙しさに娘についての相談もできない。

そんな布美枝に「忙しさにかまけず、お互いちゃんと話して向き合おう」と言い残して帰っていく。

ま、使い方としては分かりやすい再登場ですね(笑)それでも出てくれるのは大変嬉しい。

少し気弱だけど人当たりがよくソフトな好青年という当時の星野源に振られそうな役で、今見るともちろん下手ではないんだけど、今の方がずっと演技が上手くなってるのに地味に感動。

進化し続けてるなぁ。

ちょうど今週「いだてん」で知的なマダムキラーっぷりを見せつけてくれたとこなので、新旧比較バッチリです。

しかし哀しみの情報が。ラジオで「僕は最終回出てないんですけど」って言ってたし!あれが最後⁉︎そんなー💦酷いネタバレだー!

話が脱線しました。

 

ゲゲゲの女房」、放送当時は録画してまで見るほどの情熱がわかず、面倒で1週目で脱落しましたが、改めて見ると良くできたいいドラマで面白い。

……面白い、んだけど、「スキーっ!」ってはならないのですよ、これが。

これはおそらく、主人公が布美枝だからなんだろうなー。正直、布美枝に魅力を感じない。自分は。

これはこのドラマがはっきりとモデルと原作があって、しかもそのモデルがとても知名度高いので割と史実に忠実(おそらくですが)に書いてるからなんだろうと思う。

基本的に布美枝って何にもしてないんですよね、結局。この時代に山のようにいた、普通の、夫に従う妻。結婚までは親に養ってもらい、結婚後は夫に養ってもらうという。

いや、もちろん「専業主婦は働いてない」と言いたいんではないですよ。家電のない時代の家事は大変だろうし。

ただその辺は多分意識的に描写を減らしてるんじゃないかと思う。貧乏時代もそこまで悲惨に見えないし、せいぜいお財布覗いてため息つくくらい。主婦の大変さもソフトにしている。ご近所の奥さんとお喋りしたりお買い物したりでまだ赤ん坊のはずの娘を連れてなくて「どこいった?」状態だったり。

それはまあ、大人の事情で赤ちゃん俳優を駆り出すのが限度があるのもあるんだろうけど、このドラマのふんわりした雰囲気を保つためもあるんでしょう。

「貧乏にも負けず仲良くほのぼのと暮らすちょっと風変わりな夫婦」に見せるために世知辛い描写は抑えてるんだよね。

そしてそれはドラマ全体の作りとしては成功していて、村井夫妻のどこか浮世離れした様子は出せているのだけれど、布美枝という人間に物足りなさを覚えてしまうことにもなっていて。だって村井夫妻の浮世離れぶりの99パーセントは「水木しげる」というキャラクターによるものなのですから。

おっとり育った、ごく普通のお嬢さんである布美枝が、ドラマ的に「水木しげる」とほのぼの暮らすには「主張しない傍観者」にするしかないんですよねー。

で、それでは薄くなるところをサブキャラで補っているのがこのドラマの上手いところではある。

 

典型的なのがゼタの編集者の加納郁子。布美枝が初めて見る「名刺を持ってバリバリ働くキャリアウーマン」で、野心と向上心に溢れ、ゼタの仕事が物足りなくて転職していく。

女性キャラが「夫に従う妻」だけではないようにバランス取っている。その割に辞めていったあと布美枝が「(ゼタの編集長)深沢さんの事をお好きだったのじゃないかしら」というのは唐突で余計だなーと思ったけど。なんでも男女の話に持っていくなよーって。

調べたらモデルがガロの編集長の後の奥さんだったからのようですね。だから男女の話を入れたんだろうけど、女性が仕事頑張るのは好きな人に認めてもらいたいからにしてしまうのはなんかなぁ。モヤっとしますね。

 

そして布美枝の歳の離れた妹のいずみ。

今時の活発な女の子で、仕事をしてみたい、東京に行ってみたいと、布美枝と逆の行動派。恋愛エピソードもあり。布美枝に恋愛エピソードがないからなぁ💧

そう、こういうキャラでドラマの面白みを出してるんだけど、対比でますます布美枝が薄くなるというね……。

同じ夫を支える妻でも「まんぷく」の福子は、社会人経験もあるし、夫の手助けのためとはいえ、自分で考えて出かけていく強さがある。萬平とは恋愛結婚でそこの盛り上がりもある。

これはモデルの人の資料がほとんどないのが逆に自由に書けてよかったそうなので、やっぱり布美枝は資料があるのが(なにしろ現在ご存命ですから)ネックなんだなー。

とにかく自ら動く事が何にもないのでなんだかなぁと日々思ってしまいます。

 

貴司エピソードの次は、茂が戦争体験を語る話。これまた布美枝は傍観者。

そしてその次は120話を過ぎて、やっと夫婦の間に齟齬ができるエピソード。この週の分はまだ途中ですが、既にもやもや。

取引先の出版社が倒産し、アニメのため出資もしていて水木プロは厳しい状況になる。

が、その件を聞かされていなかった布美枝は納得がいかない。

放送済の回はそこまでで、どうやらこれでケンカになり布美枝が家出するらしい。とここまででもやっというか既にイラッと。

忙しい、お前にはわからん、と布美枝に何も言わなかった茂はひどいという展開に行きそうなのだけど、ここまで見てきた身としてはどうも布美枝に同情がわかず、「そりゃそーだろ」と思ってしまう。

水木プロを設立するとき、こういう会社では大抵奥さんが経理をやったりしてますよと言われ、主婦仲間に「出来るかしらー?」と聞いて、簿記の本も買ってみる。が、兄嫁が簿記の資格もあるからやらせてくれ、というのを聞いて結局言い出さず終わる。

布美枝というのは基本的にいつもこのパターンで、「やりたい」という意思表示すらしないまま終わる事が多い。だから、こちらとしても「そりゃ茂も何にも言わないわー」と思ってしまうのだ。「引っ込み思案」というキャラ設定にしても近所の奥さんとはサクッと馴染んでいたし、結局働く事の責任や厳しさを知らない世間知らずのあまちゃんなんじゃん?と思ってしまうのよね。対比のキャラがいるからなおさら。会社の状況の説明を面倒がる茂の気持ちもわかるよ。めちゃくちゃ忙しいんだし。当時の主婦としてはこういう人は珍しくないんだろうけど、ドラマの主人公としてはねぇ……。家出先も結局実家のようだし、甘いよ…。

茂の才能を信じてるというのも、背中に覚悟を感じたというだけで、内容についてそうわかってる様子も無いし、モデルがいて後に成功するのがわかってるから何となく誤魔化されてるけど、冷静に見ればただ「信じてます」って言ってるのもバカなの?という風に見えなくもなくて。周りに夢叶わず去って行くキャラも出てはくるんだけど、茂は漫画描くしか出来ないという芸術家タイプなので売れない事で漫画を諦めるわけでもなく、「夢と現実」についての描き方もさほどつっこんでるわけでもない。結局成功したのは布美枝が信じてたからでも茂が新しく何かした訳でもなく、「水木しげる」だったからだとしか……。うーん。

まあ演じてるのが松下奈緒という美人だけど色気はない無味無臭な人だからハマっていていい感じに傍観者として成り立ってるんだろうなー。

そういう点では向井理は意外と頑張ってますね。

あまり見る機会がなかったのだけど「棒」と言われてるのは知ってた。なので「ゲゲゲの女房」でもさほどではないのかと思ってたら結構いいんですよね。

お見合い時点で39歳なので最初からずっと実年齢より上の役で、売りのイケメンを出す必要もない。

大丈夫?と見てると表情とか動きとか、水木しげるにちゃんと寄せていてふとそう見えてくる。その一方で長身で小顔なので松下奈緒とのバランスもいい。頑張ってるなー。

だからドラマとしてはバランスよくてよく出来てると思います。

ゲゲゲの女房」って映画版もあって、そちらは宮藤官九郎吹石一恵でイメージ合うなぁと思ってましたが、向井理も結構ハマってます。

そう、ラジオで星野源が「宮藤さんの演技が好きなんです」と言っていて、「わかるー!一緒一緒一緒〜♪」とはしゃいでしまったわ(笑)ドラマ終わったら映画版も見たいな。

 

ドラマも後半になってますけど、まだ結婚して10年くらいしか経ってません。どこまでやるのかしら?

今のエピソードでまた星野源が出るようなのでそれを楽しみに見続けます。

なんだかんだ言ってもドラマも面白いしね。