温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

炎上してる映画の件を見て、ヲタの切なさについて考えた

絶賛大炎上中「バイバイ、ヴァンプ!」の件、気になっていろんな意見を探して見ている。

自分はボーイズグループや2.5次元系俳優には疎いので出演者はほぼ知らないのだけど、嘆いているファンの人たちの気持ちを思うとモヤモヤしてしまう。わりとハマり体質でもあるので他人事ではないのだ。

もし、自分がこの出演者の誰かのファンだったらどう思うだろう?怒るのか、悲しむのか、ほっとけよと思うのか。

それでも当然推しを嫌いになるわけでもなく、迷いながらもBlu-rayとか買っちゃうのかなー。

うーん、ファンって弱い立場だなー、つくづく。

 

映画の内容については、あらすじ見ただけで「そりゃ荒れるわ」というものなのは同意。

確かに2020年にもなってこの感覚は凄い。

でもまあ、このあたりの感覚の古さはわからないでもないとも思う。

自分は全盛期の野島伸司ドラマが好きだったのだけど、昨年の「高嶺の花」はハラハラして落ち着いて楽しめなかった。

少し前CSで「ゴールデンボウル」を放送していて、「へー、懐かしい。」と思ってちらっと見たらエピソードがいちいちヤバくて驚いた。

例えば、主人公が電車の中で知人の痴漢容疑を晴らすのだけど、その被害を訴えた女性を周りの男性たちが囲んで「お前みたいなブス、触るか」「ブスのくせにそんな服着て」と責めたてるのだ。通勤電車のサラリーマンたちがだ。

確認したらこれは2002年放送だったのだけど、当時はこれが通ってたんだよねー💧

野島伸司は美醜についてこだわりが強いし、露悪的なところもあるから、言い分は分からなくもないけど今の感覚ではとても無理だ。

「高嶺の花」では、余命わずかな病人が知り合った中学生に自分の婚約者がとても美しい人だと語るのだけど、その中学生がその女性に実際にあったらさほどでもなく(というかドラマ的にはブス扱い)「え?」と驚く、というシーンがあって、おいおいと思ったので、野島伸司の感覚自体は変わってなくて、自分達視聴者の感覚が変わったのだと思う。

Amebaで「バイバイ〜」についてプロデューサーを招いての討論を記事にしたのを見たが、プロデューサーは若く見積もっても50代後半の男性で、監督は「特命係長 只野仁」などの人だそうなので、当時から感覚がアップデートされてないのだろう。本当に今回の荒れる理由が分かってないのかもと思った。

クリエイティブ業界の人としてどうなんだよと思うけど、日本なんていまだにマッチョ思想が幅を効かせてる世界だからどうにかできちゃってるんだろうな。しょーもないことで。

それでも、弱者やマイノリティが自虐的に笑わないとやっていけないことを「コメディ」といえるこのプロデューサー達はセンスが終わってるなとは思いますが。

 

で、話は戻ってファンの気持ち、それが切ないなぁと。

自分は昔なら深夜とかいまだとCSやWOWOWでやる「いつのまに作られてたの?」と突っ込みたくなるような邦画の小作を見るのがわりと好きだ。

いったいいつ公開して、これでペイ出来るのかしらー?と心配になるようなものも多いのだけど、今回の件についてのファンの人のブログで、こういうのはファンにDVDを買わすことで成り立ってると知った。

なるほど、深夜アニメと同様の方針なんですね。DVDを低コストで作れるようになってから、この狭くて深い範囲から搾り取る手法が定着したものなー。

別に内容的にファンが満足できるものならいいと思うけど、今回のようなのは厳しいなぁ。

日活ロマンポルノが指定された数の性交渉シーンを入れれば自由に作れたのでいい監督が育ったように、低コストアイドル映画もそういう道も出来るんじゃないかと思うんですよ。

実際たまに何となく見たら意外に面白い物があったりするし。マイナーな作品であれ、映画を作れるチャンスを皆が生かそうとしてやれればこんな不幸なことにはならないんではないの?

結局は「作品」を作るのではなく、発展途上のアイドルとファンという微妙な立場の人たちからお金を巻き上げればいいやというお偉い方々の思惑が丸出しで気持ち悪い。

そんな作品でもお布施と称して結局ファンは推しのためにお金を出してしまうんだろうなぁ。

不幸な展開だ。

 

自分はハマり体質でたまにどっぷりハマって突っ走ってしまったりするのだけれど、今まで幸運だったのは、自分の推しがこういう案件に関わったことが無いことだなと思った。

お芝居が好きでよく見てた時があって、好きな俳優さんがテレビに出るようになって露出が増えるのが嬉しかった。端役ではあっても謎企画は特になかったのは大人の俳優さんで、そういうジャンルがメインの事務所だったからだと思う。

アイドルにハマったのは天下の最王手ジャニーズのみ、しかも当時推しに推されていたので追うのは大変だったけど、面白い仕事がいっぱいで楽しかった。

最も最近のジャニーズはさすがに逆方向にやり方が露骨過ぎて引くけど。未だにボイメンとか歌番組に出さないのはね。もう一般人にそういうの隠せない時代なのになー。

星野源は大ブレイクしてからハマったし、下積みある大人で売れると、ちゃんとやりたい仕事選んでやれてる感じが見ていて安心する。

何しろ主演ドラマ撮影中はオールナイトニッポンを数ヶ月録音放送にできるくらいに売れてるもんなー!……あああ、ホント体弱いなぁ、大丈夫なの?

それでも、星野源も音楽の事務所を大手に移ったとたん売れたのはやっぱり事務所の売り方が上手いのかしら?

今回の映画の件も、ジャニーズではない男性アイドルの事務所だから売り出しに苦労する中で起きてしまったことなのかも、と一般人に思わせないで欲しい。やっぱり夢の世界で美しくあって欲しいものだと思うんだよね。

ましてや、若いファンも多いのに、こんな偏見だらけの謎企画に加担させないで。

自分の好きな人がクズな仕事をしてるのは悲しい。クズな仕事って、別に悪い役が嫌だとかじゃなく、仕事そのものがきちんと作ろうとしてないやつ。軽いコメディでも配慮がされて真剣に作られた面白い物はいくらでもあるし。

なんかまとまらないけど、ファンからとりあえずお金引き出せばいいやっていう根性がやなのよ。

素晴らしい夢をみさせてくれるものには惜しげもなくお金を出すのがヲタってものだから、払ったお金の対価はちゃんと見せて、Win-Winな企画を出した方が皆幸せなのにな。その手間を惜しむのが腹立たしいんだよー。

あー、なんかホント他人事ながら切ないなぁ。