第46週、スーパー開店1周年記念セールから10年、おしんは67歳、昭和42年の春が巡ってきた。
はい、ということでこの週から子供世代が冒頭に出てきていた大人俳優に交代です。
と言ってもまだここでは仁達は30代、初子ですら40歳なので、「え?こんなおっさんで30代…⁉︎」と思わなくもない。すみません(笑)
再放送に当たって画質をクリアに調整してるんだろうけど、それが今見るとアラまで見えてしまってちょっと笑う。
浩太の渡瀬恒彦は当時40になるくらいなのに、青年期から老年期まで全部演じてて、当時59歳の乙羽信子と並ぶといかにも「老けメイク!」って感じが見えてしまう。
こういうのはカメラの進歩の功罪なんだろうなぁと思って面白い。竜三も晩年酷いメイクだったけど、それも当時の画面ではそのくらいしないと映えなかったんだろうし。
1号店出店時の借金も返し、仁、禎夫妻とも別に家を構え、おしんは店の敷地内に初子とニ人で暮らしている。
2、3号店を出したい仁と右腕である禎の夫 辰則に対して反対するおしん。
そう、さすがのスーパーヒロインおしんもどんどん頑固年寄りとなっていき、仁のやる事にいちいち反対する。
正直意外だった。冒頭の様子からして、昭和58年時でも仁はおしんに頭が上がらない様子だったので、スーパーの拡大はおしんの先導なのかと思っていた。けれど、新しいことを言い出すのは基本的に仁で、おしんはまず反対し、何か事件が起こることでムキになって仁に任せず自分で新しい事をやろうとする。
元々おしんは自分のやりたい事を押し通す人だったのだけど、年を取ってますますそれが強くなった。
そもそもおしんと仁は性格も違うし、考え方も合わない。
基本、情と義理の人であるおしんに対して、割り切りの早い仁。おしんはどうしてそんな人間に育ったのだといつも悔やむ。それは親思いだった亡くなった長男雄と無意識に比較してるのだろうし、仁もそれを感じていてますますムキになるという悪循環。
仁の妻、道子が気に入らないのも、仁が捨てた百合や、雄の妻になるはずだった初子と比較して出来が悪いのもあるはず。
すごいなぁ、あんなに時代を切り開く女だったおしんですら歳を取ることによる嫌な面がチラチラ出てくるんだから、橋田先生容赦ない。
隠居を勧められても聞かないくせに、禎がやってる店は閉めて専業主婦になったほうがいいと勧めてしまうし、おしん、ほんとにもう…💧
仁も仁で、気の弱い所があって何かあるとすぐ折れるからますますおしんも腹立たしいのだろう。
と、まあ親子でも合わない事はある、でも離れて暮らす事でなんとか上手くやっていたのにまだまだ事件は起こる。
陶芸修行中でつましく暮らす、希望と百合夫妻。そこに希望の作品が賞を取ったという知らせが入り、おしんは独立するための窯をつくる金を出してやろうとする。
こういうところがおしんの凄いとこでもありダメなところでもあるんだよねー。
出来の悪く要求の多い仁に比べ、真面目で奥ゆかしい希望や初子には自分から何か残してやろうとする。でも、実子の仁と違い、血が繋がらないのに戦争を挟んだ苦しい時代に育ててもらったのだから2人が遠慮するのは当然。
おしん本人も「本当の子と思っている」と常々言いながら、無意識に仁や禎と差をつけている。希望に何かしてやりたいのも、加賀屋へのおしんの思いの持って行き場が欲しいのだし。
あー、人間はしんどいなぁ。
それでも希望夫妻がおしんの申し出を受け、新しく家と釜を建てる。
新居へ引っ越しの前日おしんと初子はお祝いに行くが、田倉に戻ると百合が事故にあったと連絡がある。
うーん、ここでまだこう突っ込んでくるとは橋田先生いけず💧
百合は希望と4歳の息子圭を残して亡くなってしまった。
なるほどー、確かに思い出せば冒頭の現代パートで百合はいなかったし、希望の面倒を見てたのは初子だった。
そして、血の繋がった孫が何人もいるのにおしんが圭を可愛がってるのはこういう事なのね。
面倒見られないだろうと圭を引き取ってきたおしんと初子。他の孫は一緒に暮らしてないし、そりゃー情も移るわけだ。
橋田先生の構成力は相変わらずスキが無い。
しかし、それは仕方ないとしても、百合が亡くなって通夜に駆けつけようと来た仁を、道子の目の前で「お前には行かせない」「百合にどんな仕打ちをしたか!」と怒鳴りつけたのはいかがなものか?
思わず「おいおい、それは無いよー💦」と突っ込んでしまったわ。
おしんが百合の突然の死に動転したにしても、仁が兄弟として育った希望の妻である百合を悼む気持ちは汲み取ってあげていいと思うの。
確かに百合は仁に捨てられたけれどもう10年以上前の事、今は希望と幸せに暮らしているし、田倉に顔を出さないのも悔しくてというより気を遣っての事じゃないのか?百合はそういう人ではないの?
おしんがいくら当時の事を怒っていても、仁、百合、希望の問題でおしんの事ではないのに。
おしんが若い時、親に持ち物扱いされたり、姑に文句言われたりがあんなに辛かったのに、結局おしんがいま同じ事を子供達や嫁にしているという皮肉。あーあ。
結局おしんの失言で道子は過去の事を知り、子供を連れて実家に帰ってしまった。
そしてこれ以上孫を片親にしたくないと、道子の実家まで謝りに行くおしん。
いや、だからそれが余計なんだってばー!
30過ぎの息子夫婦の喧嘩に口を挟むんじゃないって!
子供達もそれぞれ欠点はあるけれど、おしんも大概やぞー!
そうでないと面白くないしね。