温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「トットちゃん!」 第3週 ずっとトモエ学園にいられたらいいのに!

相変わらず毎日見るのが楽しみの「トットちゃん!」
やすらぎの郷」より王道の内容なので、夜帰宅してからのちょっとしたお楽しみにちょうどいい内容と長さ。毎日見るなら15分だね。

トットちゃんのトモエ学園の日々が本格的に始まる。本当にのびのびと夢のような環境の学び舎。本当にあった学校と知っていても信じられないくらい。そんななかでトットちゃん度をどんどん強化していくトットちゃん(笑)確かにこのトモエ学園と小林先生に出会わなければ黒柳徹子は出来上がらなかったんだろうな。
このドラマを見ているとなぜ「窓際のトットちゃん」がベストセラーになったのかが理解できる。自分は子供の頃読んだ覚えはあるけれど、何度も読み返すほどでもないし、それ以来手に取ってもいない。それでも見ていると、「あーこんな事あった」「そういえばあのエピソードは入るかな?」と色々思い出して懐かしくなった。意外に覚えていて自分で驚くくらい。いつのまにか自分がここにいたらどうだろう?と考えている。もし自分がトモエ学園で小林先生と出会っていたら、もっと自分を肯定出来るようになっただろうか?
子供が親以外で初めて出会う大人として、小林先生は理想の人だ。ただ優しく理想を持っただけでなく現実もわかっている。あの時代にこういう人が本当にいたのかと、毎日ドラマを見て感嘆してしまう。

同級生とのエピソードも懐かしい。
「毎日鉛筆を削ってあげるほど好きな男の子」いい表現だなぁ。相撲で負かされて「絶対お嫁さんにはしてあげない」と言い放つコウちゃんには笑った。大人げねー!って、子供だったね(笑)
そして小児まひの郁夫くん。郁夫くんのまひを普通に個性として受けとるトットちゃん。ひとりで出来ないなら一緒にやる、そんな素直な行動が出来る子は確かにステキな子だ、トットちゃんは。
そして、郁夫くんが亡くなったことをきちんと皆に伝える小林先生。みんないいなぁ。

トモエ学園は楽園でも、世の中は戦争の色が濃くなって、守綱や乃木坂倶楽部の芸術家達には風当たりが強くなっていく。
これから、子供の世界にも影響が出てくるのだろうな。

今週の見所は朝がトットちゃんと弟の明児を連れて北海道へ帰省するところ。
母からジャガイモが送られてきて『あの』守綱が帰省を勧める。世間とは関係なく生きている守綱も子供が出来、朝のパワーに引っ張られ、少しづつ他人と関わるようになって来た。
10年前、守綱と生きる事を選んだために勘当されて以来初めての帰省だ。
村の人は名士の娘の帰省を歓迎するし、まして母親はずっと待ちわびていたのだから嬉しくない訳はない。
それでも父親は勘当した娘に決して会おうとはしない。村に宿屋がないから一泊は許すと看護婦にことづてしても一切顔は出さない。
さっさと自室で横になる父親トットちゃんの笑い声が聞こえる。そして思い出す、朝が子供だった頃。
夜中、障子の外から声をかけ礼を言う朝。それを聴きながらも返事はせず、涙をこらえる父親。次の日、朝は2人の子供を連れて東京へ戻っていく。

いやー、よかったー!ウッときてしまった。
こういうの!こういうのがドラマだよねー‼︎
朝の父親は確かに酷い父親に見える。妻も娘も自分の所有物と思っている。でもそれはこの時代のおそらく明治生まれであろう男としては当然の事だ。そういう時代にそう言われて生きてきたのだから。だから、親に従わず芸術家などと一緒になった娘を勘当する。そして10年それを貫いてきた。だから娘が帰ってきても決して会おうとしない。勘当した娘に対しそれを通すのが自分の筋なのだ。
けれど決して娘に愛情がない訳ではないのだ。だから泊まるのを許すし、娘の子供の頃を思い、娘の声に涙する。でも会わない。そういう風に生きてきたから、そういう風にしか出来ないのだ。そして朝も母親もそれは分かっているから、無理に踏み込もうとはしない。単純に父親を「悪役」にせず、男親と女親の違い、世代の違い、そういうどちらが正しいとか間違ってるとかそういうことじゃない事、そういう時代だったのだ、それが伝わるいいエピソードだった。
どうしても同日スタートの「わろてんか」と比較してしまうけど、こういういいエピソードを見ると、「わろてんか」がいかに薄っぺらいドラマなのかがよーく分かる。今週登場のしゅうとめ鈴木京香を単純ないじめ役扱いでアホくさい。ある意味「わろてんか」にはとても運の悪いことだった。
原作ありとはいえ、脚本家や製作陣の技量と本気度が感じられて、ドラマ好きとしては嬉しくなってしまうシーンだった。

第4週には、ますます戦争の色が濃くなって、トモエ学園も今までのようには行かなくなるようだ。辛いね。
あー、ホント1クールなのがもったいない。このテンポの良さは時間が短いからなのもあるだろうけど、この製作陣なら2クールにしたってきっと面白いドラマにしてくれただろうなー。