温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「東京喰種トウキョーグール」読みました

4月3日からアニメ「東京喰種トウキョーグール:re」の放送が始まる。
その宣伝でヤングジャンプのサイトで「東京喰種トウキョーグール」が4月4日まで全話無料公開されていたので読んでみた。
面白かったー!うん、面白かった、けど……。

あれだけ本屋でいつも平積されてる人気作なのでタイトルは知ってましたが、アニメの前作も見てないし、漫画もお試し冊子で1話の途中までチラッと読んだだけ。
興味なくはなかったけど手を出さなかったのは残酷描写が苦手だから。最近青年誌だとそういうの多いよね💧
けど、せっかく無料で読めるし漫画なら読めるかな?と読み始めてみたら面白くてやめられず、「東京喰種トウキョーグール」全143話読んでしまった。土、日、月とやるべき事ほったらかしで黙々と。スマホで漫画読むの見にくいから好きじゃないのにー。ダメな大人(笑)

気になっていた残酷描写はこれくらいならなんとか。これこそ漫画の利点。小説の残酷描写の方が想像しちゃって怖かったり、アニメでカラーになるとキツかったりするけど、白黒っていいよね(笑)
そして意外と絵が上手くなかったので助かった(笑)
昔友人に「多重人格探偵サイコ」という漫画を勧められて、最初は面白いと思ったんだけど、めちゃくちゃ上手い絵でエグい描写をキッチリ描いてるのにギブアップしたことがあった💧
逆に「寄生獣」はあの絶妙な下手さが読みやすさになってましたね。
「東京喰種」はアニメのキャラデザや表紙絵の印象で耽美的な美しい絵を描く人かと思っていたら、デビュー作ということで80話くらいまではかなりもっさりした絵柄だった、意外。正直アクションシーンが上手くなくて、状況わかりづらかったとこも多かったし。
もっとも週刊連載にありがちな「ある時突然上手くなる現象」で、いきなり洗練された線になってておお〜っと思いましたが。 絵が上手くなって以降は内容的に残酷描写が減っていたのでまあなんとか。

ある日突然「人でないもの」になってしまった主人公の苦悩とか、人類の優位種が登場するというのはダークファンタジーとしては特別目新しい設定ではないので、結局それをどう扱い何を伝えたいかが作品の見せどころな訳ですが、そういう点で前半の主人公カネキの苦しみや悲しみの描き方がストレートでそれが良かった。
絵も上手くないし展開もこなれてないんだけどだから「こう描きたい」って言うのが余計に伝わるというか。

そして原作者が実写映画のカネキに窪田正孝を指名したのがわかるなぁと思った。
特別美形でもない、普通の線の細い青年。19歳の設定なので年齢的にはギリギリだけど「アンナチュラル 」といい、「普通の青年」をちゃんと演じるのって難しいからね。
ヒロイントーカも清水富美加はハマってそうだった。この頃やたら出てたから「ゴリ押し?」とも言われてたけど、ちゃんと高校生に見えて気が強そうでアクションが出来る女優さんというと確かに他にいないかな。
当時の引退騒動で「人肉を食べる役が辛かった」というコメントが出てたけど、もしその点でしかトーカという役を見てなかったのだとしたら、そもそも女優は向いてないよね。そのくらい魅力的なキャラだ。もっともそのコメントは「暗黒女子」の事のようだけど。
前半を読んでる間はすごく映画が見てみたくなった。猟奇描写のレベルにもよるけど、当時見た予告もいい感じだったし。
4月末にWOWOWでやるから見てみようかな。大画面で見る勇気はないけど家でならいけるかも。

ひたすら読み進めていると「CCG」という組織が出てくる。「喰種対策局」というグールを駆逐する為の組織で主人公たちの敵にあたる。
この組織についての書き込みが多くなってくるにつれて、漫画の雰囲気が変わってきた。
何というかなー、「設定広げることに楽しくなってきた」って感じかしらね?
この作者は「東京喰種」がデビュー連載だそうなので、最初の方は印象がシンプルなんだけど、人気が出て連載が長くなる事によって色々追加設定を入れられるようになったんじゃないかと思った。
もちろん、連載前からある程度の設定は考えていたのだろうけど、喰種の身体構造の説明とかを途中でダーっと出してきたのとか見ると、連載人気が安定するまでは控えてたんじゃないだろうか?少なくとも、まとめ読みした人間からするとどうもそういう印象を受ける。途中で雰囲気変わってるんだよね。
なんかすごく「あー、ジャンプだなぁ(笑)」と思った。ヤンジャンとはいえその辺のシステムがとってもジャンプ方式。人気連載は伸ばすとかよく言う強さのインフレとか。

読んでない作品を例にあげるのもなんだけど、「鋼の錬金術師」が連載終わったときに、レビューを読んで印象に残ってた事がある。
こういう特殊な世界観の漫画はジャンプに多いんだけど、「鋼の〜」が決定的に違う所は強さのインフレを起こしていない所だ、と。
初めから錬金術の可能な範囲をキッチリ決めていて、最後までそのルールを守っているのだそうだ。
ジャンプ方式だと設定上で強さの限界がくると、世界観自体を変えてしまう、ある意味のルール違反が行われるというのだ。
「鋼の〜」は読んでないけど、このレビューはものすごく腑に落ちた。そう、ジャンプ方式ってそうなんだよね!
別にそれが悪い訳ではないし、それによってでないと生まれない名作もいっぱいあるから否定はしないけど、それでもその「ジャンプ方式」に「ちょっと……」と思う時もある。
「東京喰種」はその「ジャンプ方式」を感じるんだよー!

今回公開してたのは「東京喰種トウキョーグール」の全143話で、これで一度「完」とついていて、続編として「東京喰種トウキョーグール:re」が始まったのは知っていた。
なのでとにかくこの「喰種VS人間」にどう決着をつけるのか、それに興味があった。
喰うものと喰われるものだけれども、意思の疎通が出来、主人公は元は喰われる側だったという設定なのだから、単純な白黒はつけられないだろう。
次から次へと設定が出てきて、登場人物もどんどん増える。
「どうなるのか?」とドキドキしながら、でも130話あたりで「これ、どうまとめるの?」と心配になっていた。
そして、143話読んで思ったこと……

「何一つオチがついてねー‼︎💦」

マジですかー……💧やられた。
広げに広げた伏線も、設定も、新たな登場人物の説明も、なーんにも決着つけてないし!
おいおいおいおい!なんだそれ〜!
絵もめちゃくちゃ上手くなってるし、話も面白いよ、でもさ「完」てつけるなら、全部とは言わなくてもいくらかは回収してくださいよ〜。
なんだよもー!週末潰して黙々と読んでたのにー💦
ジャンプ方式恐ろしいわ………。

何かで紹介見たときには「東京喰種トウキョーグール」に対して「東京喰種トウキョーグール:re」を続編と書いてたけど、ウィキペディアみたら「1部」「2部」になってる。
つまり全く終わってないんだけど、後付けではないんですかー?
どうやら2年後ということで普通に続きのようだけど、じゃあ一旦終わったのは一体なんなの?面白かっただけにモヤモヤするわ〜💧
描きたいこと増えすぎて収まらなかったんでは?と疑うよ。
人気連載が長くなるのは当然なんだけど、上手くまとめるのも技術のうちだと思うんだよね。
寄生獣」とか10巻くらいだったと思うけど、あれでキッチリ決着つけてて上手いなぁと思ったし。
前半が印象的だっただけになんだかなあと思いました。うーん。

とは言え、面白かったことは面白かったんです。
ちょうど始まるアニメは「:re」なので続きになる訳だし、録画したのでとりあえず楽しみに見てみよう。
カラーだとちょっと自信ないのだけどね(笑)