温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「カーネーション」 〜第140話 奈津と再会!変わらなくて泣く…

自分のブランドを立ち上げる事を決め走り出す糸子。正にだんじり、止まらない。

 

夏木糸子になって一番馴染めなかったのが、ミシンを使うシーンが全くなかった事。

確かに72歳になって、実際の作業は弟子のこうちゃん、事務作業は孝ちゃんで、忙しいとは言うものの基本的にはご隠居状態だったのだから当然なのだけど、いかにも「おばあちゃん」になってて「なんか糸子と違う…」感がしてた。

それがあほぼんの尻拭いから始まって、ブランドデビューのオファー、階段から落ちて骨折、娘たちの引退勧告に逆ギレしてからのブランド立ち上げ決心……と、「あー、これぞ糸子!」という展開にワクワクしてしまった。

やっぱりミシンを使わなくてはね!

 

一方でひしひしと感じる老いと孤独。

昔のノリで夢中になって仕事をすれば身体がついてこない。

夢中になってやり過ぎて倒れる糸子。無理な仕事を受けて自分の祝言に遅れた時のままだ。

グレて学校に行かなくなり預かっていた優子の娘里香が、糸子の背中を見て自分がどうすべきか気づき東京に戻りまた1人になる。

娘も孫もいて、仕事仲間がたくさんいてもこんなに孤独なものなのか。それは並んで生きてきた人達を皆亡くしたからなのか。

女性が自由に働けない時代から始まって、戦中戦後を同じように大切なものを失いながら生き抜いてきた同士でないと埋められない孤独なのかもしれない。

それでも夢中で働く姿こそ、いくつになっても糸子なんだなぁ。

 

しかし、72歳の糸子に優子と直子が引退しろと説教する姿に「いや、あんた81歳でバリバリ働いて遊んで新しいこともやってるやないのー!」とコシノヒロコと混同してつい突っ込んでしまったわー(笑)

ドラマの優子は優等生タイプだけど、この前テレビで見たヒロコさんはまさに糸子の娘だったしね。

 

そしてこのドラマは史実のアレンジが本当に上手い。

実際の人間は唐突な行動を取ることもあるので、残ってるエピソードがキャラに合わないような事もあったり、朝ドラ向けじゃない事もあったりするのに、それの落とし込み方が流石すぎる。

現実の小篠綾子さんは不倫相手と20年程一緒に暮らし、仕事のパートナーでもあったそうだけど、周防さんと北村に分けた事で、北村が「腹心の友」として今でも心に残っている。

糸子のキャラとしてはちょっと不思議なやもめ男性の交流会も、周防さんを思っての行動とする事で、糸子らしい行動になる。

つくづく上手い脚本だ。

 

そしてオノマチ糸子の回想シーンを挟みつつ懐かしいエピソードを入れ込むことで、今の夏木糸子がオノマチ糸子と繋がってる感が増す。

糸子のブランド発表、大きく記事になるかと思いきや春太郎改め冬蔵の人間国宝認定で小さくなる。糸子の人生にちょいちょいと現れてじゃまをしていく春太郎は相変わらずで笑えてしまう。

そして孤独に押しつぶされそうになる糸子にたい焼きのおすそ分けにきた向かいの金券屋の青年。お礼に糸子がご馳走するのはイワシ。小原家の心づくしはいつもイワシ。おばあちゃんのイワシ。泣ける。

 

そしてドラマは平成13年!平成だよ!始まったのは大正なのに平成なんてこの前じゃん!(笑)

88歳になった糸子はますます忙しく働いている。

いやー、バブル崩壊のりきったかー。

当初つくったワンピースの一着18万円、「うわー、さすがバブル!」と思って見ていて、72歳のブランド発表も、娘達はビックネームだしバブルだからなんとかなるだろうと思ったけど、バブル後の不況もちゃんとやってる。

ブランド立ち上げのときは仕事の変化に対応出来ずキレてた孝ちゃんもすっかりやり手マネージャーなのはお約束のお遊び(笑)

 

そうしてついにきた、奈津との再会。

88歳の奈津役は江波杏子!すーばーらーしい!

栗山千明と顔の系統が似てる上に、背筋をすっと伸ばした美しい座り姿、振り向いてまずは一言「なんや。なんか用け」はもう奈津でしかなかった。

プロフェッショナル、スゲー!

ちょっと泣けた。奈津生きてたよー!

 

残り10話、糸子と奈津がどんな会話をするのか。

今週も楽しみだ。

でも終わっちゃうのか。淋しい。