最近は時間がなくて、単発ドラマは録画しても見る間がなく結局消してしまうということが多くてあまり見れてない。
改変時期には色々面白そうなのをやっててなかなかもったいない。
そんな中ちょっと前に珍しく続けて2本見た。
「琥珀の夢」はサントリー創業者、鳥井信治郎をモデルにした話。「マッサン」完走後だったので大変興味深く見た。
事実を基にしてるので話は面白いんだけど、内容を詰め詰めで、ただのエピソードの羅列になっていてドラマとしてはどうなのかー?と思った。
でも「マッサン」と比べるのは面白かった。
そしてもう1本は「それでも恋する」。
岡田惠和のオリジナルドラマと言うことで期待してました。
三重県の観光地と言うほどでも無い港町、40代独身女性3人がカフェ兼居酒屋を営業しながら一緒に暮らしている。
そこに美しい青年が現れたことで3人の本音が明らかになっていく……というお話。
女性3人に和久井映見、西田尚美、木村多江、青年に志尊淳、和久井映見の別れた旦那に尾美としのり、その漁師仲間に遠山俊也。
このキャストに岡田脚本なのに、なんで面白くないドラマになってんのー???
なんで〜!?
田舎町で独身女の共同生活という設定がまずファンタジーなんですが、それは岡田脚本らしくて結構好き。
岡田脚本にはこういう「血縁に寄らない共同体」というのがよく出てくる。「ひよっこ」の工場の寮とか。
血縁という縛りがないから離れようと思えば離れられるのに一緒にいることで、関係が純粋になる。一緒にいたいからいる。いられなくなったらやめる。
このドラマの3人は性格はバラバラだけれど学生の頃からの友人という、実際にはそんなに価値観違う友人て大人になるまで保たないよなぁと思うけどドラマには良くある設定。岡田脚本にしてはちょっと安易。
で、ふらっと現れた美青年の志尊淳が「もしかして私のこと好き?」とそれぞれ思い込んで抜け駆けしようとしたところからマウンティング合戦になり本音をぶつけ合う。
結局、思わせぶりな志尊淳はまたふらっと帰っていってしまい、3人は「あーあ」と笑い合いながらまた一緒に暮らしてくのだ。
それだけかよー!
いや、岡田脚本の面白さってそういうなんてことない日常のちょっとした会話だったりするとこにあるのはわかってる。
けど、わざわざこのキャスティングでこれだけはないよー。
志尊淳演じる青年の背景が描かれないのはいいんです。あくまでも3人の関係に刺激を与えるためのキャラだし、単発ドラマなのだから彼まで描こうとしたらとっちらかっちゃうし。
でも肝心の3人の関係があんまり意外性なくて。
和久井映見は優等生タイプ、西田尚美は流行りもの好き、木村多江は男に依存するタイプとキャラふりもベタだし、そもそもどんな仲良しでも女同士の関係にマウンティングが存在するなんて当たり前のこと。今更それだけを取り上げて描くのなら、もっと突っ込んで新しい目線や展開を見せてくれなくちゃ驚かない。
さざなみを起こす役が若い美青年という設定もイマイチ。
ただでさえ「田舎でいい歳して独身」というつながりで一緒にいる3人の揉めるきっかけが「男の取り合い」って…昭和か!
あまりこういう言い方好きじゃないけど、岡田惠和は男性だから女性の友情とマウンティングの関係がよくわかってない?
いや、ハズしてるわけではないんだけど、普通過ぎて。
好きな漫画で「OL進化論」というのがあって、すごく印象に残ったネタがある。
3人組の仲良しグループがいて、A子にB子が「C子彼氏と別れたんだって。結婚すると思ったのにショックだよねー」と言うのに対し、密かにA子がショック受けてるのは「私、そう言う話を先にされた事一度もない…」という事だった。
そう!そういう格差があらゆるところに存在するのが女子ってものなんだよー!と衝撃でずいぶん前に読んだのだけど今だにすぐ思い浮ぶ。
そういうのを知ってると、今回の岡田脚本はまだまだ甘いなー!(笑)
とはいえ、役者は上手いし楽しくは見れました。特別面白いと思わないけど(笑)
収穫は志尊淳。いや、上手い人だなぁとは思っていたけど、ドラマでちゃんと見たのが小松政夫とトランスジェンダーとゲイの役で、いわゆる「普通の青年」を初めて見たかも。
このキャストに負けないんだから流石だなぁ。
先行き楽しみだ。