温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「相棒9」正月に、伝説の鬱回「ボーダーライン」再放送に泣く

年末年始には長〜いバラエティ特番が多い一方で、連ドラの一挙放送も多い。
当然好評だったものを放送するので見たことあるものも多い。
いつも「こんなに人気だったものを放送しても今さらみるかな〜?」と思いながら、家にいてテレビつけてやってるとついウッカリ見入ってしまう。録画消化しなくてはならないものがたくさんあるんだけどね。
「アンナチュラル」にもずいぶん時間とられてしまったわー(笑)
やっぱり何度見ても面白いんですもの!

で、3日には相棒のスペシャル2本をやっていて、1本目の「閣下の城」の終わり頃につけてしまったらついそのまま2本目の「英雄〜罪深き者たち」まで見てしまった💧
「英雄…」はシーズン14、2016年の元日スペシャルで、この頃はだいぶ脚本に隙が多くなってきてなぁ…と思っていたら、
「4日16時からは『相棒9 ボーダーライン』を放送します」とテロップが。

キタキター!ここぞという時の「ボーダーライン」‼️
この内容を正月休みにやる皮肉!

柴田という青年の遺体が発見され他殺が疑われた。
杉下右京と神戸尊が柴田の足取りを追っていくことで、彼がなぜ死ぬところまで追い詰められたのかが明かされていく……。

柴田役の俳優さんは山本浩司という人で、見かけはするけどすぐ顔と名前が一致するという人は少ないだろうという立ち位置の人。自分もこの話で初めて見た。
なんでも山本さんのファンイベントではこの「ボーダーライン」の上映会をやるのがお約束らしい。
ここまでのメインの役はそんなに多くはない。
けれどこの頃の「相棒」の凄いところは、こういう有名俳優とは言えないけどきちんと芝居が出来る人をメインに据えて、ストーリーで魅せるドラマが作れていたところだ。

今年の元日スペシャル「ディーバ」は大地真央西岡徳馬をゲストに、神戸くんも再登場させ話題作りばかりだった。
以前なら俳優のランクで犯人の推測はできないストーリーだったのに、今回の黒幕は大地真央、狙われた西岡徳馬はそれだけの悪事を働いた男、となんのひねりもなかった。
「ボーダーライン」を見て、やっぱり「相棒」はこの頃が脚本もキャスティングも演出も1番かみ合っていてよかったなぁとしみじみ。

が、しかし「ボーダーライン」が泣けるのはそこではないですよね。
放送は2010年、若者の貧困問題が表に出だした頃で、普通に暮らしていたはずの柴田が派遣切りにあったのをキッカケに生活に困窮していく様がリアル過ぎるほどに描かれている。
自分も大学出るとき就職が上手くいかなかったり、転職期間が長くなったりという経験があるから見ていてしんどかった。
たまたま自分は正社員の仕事も手に入って生活出来ているけれど、特別資格がある訳でもないし、いつ柴田のようになってもおかしくないのだとつくづく思い知らされる。
柴田が何とか仕事を見つけようと医療事務の資格を取るのだけど結局仕事が見つからないのはすごくわかる。
自分も資格取ったらいいのかもと調べたりしたけど、医療事務って割と取りやすくて、その割に仕事は少なく圧倒的に経験者が有利なので未経験者の就職って凄く難しいんだよね…。
ここで医療事務を持ってくるのがリアルでねー。

結局、柴田は負のループから抜け出せず、犯罪に手を染め、わずかに残ったプライドを傷つけられた事で耐えられなくなり自ら死を選ぶ。
それを右京さんが「社会に殺された」と言うラストが当時凄く刺さった。
それから8年の間何度も何度も再放送があって、録画保存もしてるのだけれど、やっぱり見てしまうのは社会保障諸々が根本的に改善されていないからなんだろうなぁ。
これからだって自分がいつどうなるかなんてわからないし、仕事のなかった頃の不安や、仕事があるありがたみとか色々な思いが浮かんでしまう。
柴田の足取りを追うところでミステリーとしての面白さも充分で、ファン投票で神回1位なのは当然なのだよね。
そしてそれをぐうたらした正月休みに見せられて、休みがあるありがたみまで思い知らされるとは、テレ朝の編成容赦ないわー。

結局、しっかり見てしまい後半は泣きそうになるのをぐっとこらえていた。
あー、働いて自分で生計立てられるってありがたいことだなー!
いつも仕事辞めたいって騒いでますけどね(笑)
普通の生活、ありがたみを思い知りましたー。