温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「おしん」 第115話 関東大震災、橋田先生、次から次へと畳み掛ける、ううう。

先週末の114話は大正12年9月1日、そうついにその日が来てしまった。

おしんが田倉商会を立て直すべく子供服の既製服を作ろうと思い立ち、生地の在庫を売って資金を作りミシンを購入、新しく商売を立ち上げたのが大正11年9月1日。
そこから大口の売り先が見つかり商売は順調、長男 雄も生まれて幸せを感じるのも束の間、またもボンボン竜三は調子に乗りどんどん商売を拡大する。
おしんは不安を感じて何度も止めるが、竜三の父の後押しもありついに根負け、借金をし土地を買い大きな工場を作る。
そしてその開業祝いが開店1周年の大正12年9月1日。
橋田先生、容赦ないっす💧

視聴者としてはその日に何があるのか知っているのでとにかく「おしん!なんとか止めてー!」「竜三のバカバカバカ!いつも調子に乗りすぎなんだよー💦」とハラハラするも、当然ドラマは止まらない。あああ。

雄を庇って源じいが亡くなり、遺体を運ぶ事もできず置いて避難をするしかない。
震災3日後戻ってみれば家も工場も全焼、おしんと竜三は全てを失い、残ったのは多額の借金のみ。
幸せの絶頂からドン底に突き落とされる主人公。朝ドラの中でもここまでの容赦なさはなかなかないぞ💧

現代のおしんが避難した上野公園を歩きながら圭に当時の事を語る。
具体的に朝鮮人虐殺とかは言わなくても、流言飛語が飛び交い、罪のない人が死んだことをおしんに語らせるのは、朝ドラとしてはなかなか攻めてると思う。
圭も関東大震災を歴史として知っていてもあまり深く考えた事はなかったと言う。
本放送時の36年前は関東大震災から60年、まだ阪神・淡路大震災も起こっていない、震災というものへの意識が薄かった時代なんだと思う。
そんな時に一瞬で何もかもを失う「災害」をちゃんと描くのが橋田先生の凄さだ。
おしんは山形出身、避ける事も可能なのにきっちり入れてきた。
朝ドラでの抗えない「災害」はどうしても戦争ばかりになりがちだけど、「おしん」以降の2つの大震災や毎年のように起こる水害を思うと、橋田先生の視野の広さにうなるなぁ。
おしん」を見るまでは嫁姑問題を描く人と思ってたけど、全然違った。

そして噂に聞く「地獄の佐賀編」がこれからやってくる。
あれだけ佐賀に行くのを嫌がっていたおしんがなぜ行く事になったのか、この震災だけで納得するしかない。物語としての展開も全くブレがないのもさすがだよね。

これでおしんの子供服事業は終わってしまうだろうけど、この子供服の話は他の朝ドラと比較してみても面白い。
カーネーション」の大阪に比べ、東京の銀座に商売をしかける馬喰町ということで、流行が何年か早いのがなるほどと思う。
今と違って東京と地方の差が大きいだろうしなー。
でもミシンが高級品なのは変わらないのね。
30台も仕入れたのに、あああ……。

正に奈落の底に突き落とされたおしん夫婦。
家族同様の源じいを失い、打たれ弱い竜三と乳飲み子を抱えておしんがどう生き抜くのか、まだまだ見逃せないぞー!