温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「いだてん」 第36回「前畑がんばれ」 どうしてこんなに時代を描き出せるの⁉︎ …からの、ついに来た!星野源‼️

毎週釘付け「いだてん」です。
ここ最近は時間が合えば待ちきれず6時のBSで見てます。うちは調査対象世帯じゃないし(笑)

我々世代ですら知っている「前畑がんばれ」という超有名エピソード、その高揚感と一体感をこれでもかと描きながら、世界情勢がどんどん重くなっていくのも描き出す。
やっぱりクドカン天才だー!(単純です)
クドカンは好きな脚本家ではあるけど、もちろんどれも好きな訳ではなく、自分的にはピンと来なかったものもある。
で、ここまで来てはっきり言えるけど「いだてん」はクドカン作品で一番好きだ。
そしてなんと言われようと代表作だ。
クドカンのバランス感覚の良さがこのオリンピックの光と影を同時に描くという難しい仕事を成り立たせているんだなぁと思う。

今回の主役の前畑のレースは当然勝つのを誰もが知っている。
それなのに、プレッシャーに押しつぶされそうな前畑の4年間を描くことで見てる人間はどんどん感情移入をしてしまい、まるで今レースが行われているかのように応援し、金メダルを取った瞬間は本当に涙してしまう。
この引き込み力!脚本も演出も全力だ。
そんな明るく日本中が熱狂する様子の端々に不穏さが見えるのがね…。
ロス以降の数話でそれが積み重なっていくのを見せられて、明るいニュースがありながら不安が拭えなくなっていく。
もちろんこの先 日本がどこに向かうのか知識としては知っている。
けれど「いだてん」はその行き先をオリンピックの高揚と共に体感させるから恐ろしいのだ。
クドカン、イケズ……。

あちこちに不穏な芽が描かれる。
あれだけスポーツ大好きオリンピックバカだった嘉納先生が、ベルリンの統制されたオリンピックに触れて「オリンピックは国家事業だ」と言い出してしまう。「楽しいの?」と言っていた人が。
それは老いだけではなく、時代の空気にのまれていったんだろう。あの、嘉納治五郎が。
通訳のヤーコプがユダヤ人の状況をチラチラ見せる。良くも悪くも鈍感な田畑はついに気づかず、帰国して彼の自殺を知って現実に気づかされる。
前畑のライバルは開催国ドイツのゲネンゲル。
控室までヒトラー総督が激励に来る。
前畑とはまた違うプレッシャー。
レース後、観戦する総督を見上げる不安そうな表情。
4年前、夢のようなロスとは何もかもが違う。
淡々と確実に情勢が変わっていくのが恐ろしい。
東京オリンピックに向けての組織委員会には軍人も入り、着々とドイツの後を追う日本。
さすがの田畑もそのおかしさに気づいた頃、昭和12年、開戦。

今週も「え?もう終わり⁉︎」って思うほどあっという間の45分。
不穏な空気で終わったのに、次週予告でそう!星野源のアップ‼︎
きた!ついにきたー!
テンション上がるぅ〜(笑)
しかし、平沢和重が出るということは、嘉納先生…。

ドラマ後の紀行コーナーでは、前畑の56年後に同じ競技で金メダルを取った岩崎恭子が登場。
実際に前畑と会った事もあるそうで、こういう話ホント好き。確かに歴史は地続きなんだなぁと。やっぱり「いだてん」は紛れもなく大河ドラマだ。
情報量が多くて感想が中々まとめられないけど毎週楽しみです。