温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「磯野家の人々〜20年後のサザエさん」この人たちですら時代には逆らえないのね…

豪華キャスティングが話題の「磯野の家の人々〜20年後のサザエさん」、まあやっばり気になるよねーと思って見てみました。

……え?これって哀しいドラマ???
キャストと20年後という以外の知識はなかったのですが、中々に切ない内容にめちゃくちゃ戸惑う。
仕事が続かず今はレストランをやっているものの客が来なくて閉店を考えているカツオ。
デザイナーになったものの中々採用されず後輩に追い抜かれるワカメ。
やりたい事もわからずとりあえず就職活動するものの不採用続きのタラオ。
中間管理職として勝手な上司と今時な部下のいたばさみのマスオ。
……思わず声出してツッコみましたよ。
ここは笑うとこ?それとも泣くところ??
あの、磯野家ですら時が流れるとほのぼのだけでは済まなくなるの?そういう教訓なの?

自分では読んでないんだけど、昔あらすじを聞いて「うっ💧」ときたオバQが帰ってきた話を思い出した。
大人になり家庭を持った正太郎の元に再びオバQが現れる。昔と同じ様にどんぶり飯を遠慮なくお代わりするオバQに正ちゃんの妻は嫌な顔をする。もう以前のようにはいかない事に気付いたオバQは再び去っていく……という話。うろ覚えだけど。
なんか切なかったなー。子供の頃の楽しい思い出を「それは記憶違い!」と直されたような気がした。
今回の20年後のサザエさんにも同じ感じを受けた。
波平と舟は歳を取り、いささか先生は引退を決意と「笑うとこはないんですか⁉︎」という展開の中、サザエだけが空気を読まずにマイペースで相変わらずポジティブ。
結局は周りが皆サザエの無敵ポジティブに巻き込まれ、改めてそれぞれの道を歩きはじめるというまあハッピーエンドなんだけど、それでも「なぜこういう話にしたんだろう?」という疑問は残った。考えたけどわからない。
ネットの感想は見事に分かれてました。そうだよね。
20年経ってもアニメと同じくほのぼの家族なのを見たかった気もするし、この人たちですら現実があるんだよという展開でよかった気もする。
うーん。

キャスティングは良かったです。
見る前からいいぞと思っていたけど、見たら「さすが!」でした。
どの人も絶妙にアニメに似せていて、でも実写として違和感ないあたりに落とし込むセンスが素晴らしい。穴子さんの小手伸也はちょっとやりすぎだけど(笑)
伊武雅刀の波平は引きのカットではつくづく波平だし、マスオの西島秀俊の「えぇ〜〜⁉︎」の絶妙さ加減ときたらもう!
西島秀俊は口元がアニメの口みたいにしてたり、何より存在感がめっちゃ薄くて正にマスオさん。凄いよ。
学生起業家で流暢に語るイクラには思わず「『ハ〜イ〜♪』と『バーブー』しか言えてなかったくせに!」とツッコミました(笑)
幻のフグ田家第二子のヒトデは女子高生なのに悩みがサザエのキャラ弁というのんびりさがサザエさんの娘だなぁという感じで笑っちゃった。

演出が舞台っぽいというか独特で誰だろう?と思ったら鈴木雅之でした。
「ラジエーションハウス」の初回が酷いなと思って確認したら鈴木雅之で「もう終わりかなー?」と思ったのだけど、こういうある意味ファンタジーだと合いますね。まだまだいけそう。

なんだか謎企画ではあったけど、テンポ良くてなんか見てしまって結構楽しめたし、その「アニメ知ってる前提」での展開が成り立つ家族はやっぱり磯野家しかないなぁと改めて思いました。