温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「いだてん」があと2話で終わってしまう!つくづく今年は近代史が面白い

12月に入り今年もあと1か月、「いだてん」も全47話のうち45話まで放送されました。
えっっ??あと2話じゃん!うううマジかー。
「いだてん」見る前は、脚本家クドカンはちょっと下降気味なんでは?と思っていたけど大間違い、ここまで数々のトラブルを乗り越えて1話の緩みすらない凄いドラマだった。
うーん、クドカン天才か。
毎回凄すぎて、凡人はなにを言ったらいいのやらと思うのだけど、いち「いだてん」ファンとしてこれだけは言いたいというのはある。
特に明らかに見てなくて(書いてる内容で見てないのすぐわかるから!)こんなのは大河じゃないとか悪口書いてるような面々に!

「『いだてん』は紛れもない大河ドラマじゃんねー」

大河ドラマWikipediaには「作品内容は、日本史上の人物の生涯を描く一代記がほとんどである。ただし、架空の人物が主人公や主要登場人物を占める場合もある」とある。
「いだてん」もちゃんと当てはまる。
自分のイメージとしてはある人物を軸に、その時代を描き出すものだと思っている。
「いだてん」を「こんなの大河じゃない」と腐すコメントは山ほどみたけど、ここまで容赦なく明治から昭和への近代史を描いていて、これが大河ドラマじゃなくてなんなのだ!と。

このところは毎回うるうるしながら見てますが、45話も鳥肌ものだった。
東京オリンピックまで2年を切ったのに、金メダル候補女子バレーの大松監督が引退を表明、慌てて田畑は説得に行く。
連勝の末、強敵ソ連にも勝ったので燃え尽きた、というのが理由だったがそれは表向き、若い女子選手達に遊ぶ時間も恋愛のチャンスも与えず練習させる事に疑問を持ってしまったから。
そう、またきた、「女子」であるカセが。
30近くなっても嫁にも行かずバレー漬けの日々、世間は彼女たちを「魔女」と呼ぶ。
そのカセに鬼の大松がハマってしまう。
しかしそれを払拭したのは選手達。彼女達は力強く言う、「だって、これが私の青春だから!」

くぅ〜っっ!来たー‼︎これこれ〜!ついにここまで来たなぁ……。
人見絹枝が化け物と言われながら競技を続けたときからまだ40年も経ってない、シマちゃんが人目を避けた早朝こっそり走った時からも50年経ってないくらい。
女子が足を出すなんてはしたないといわれた頃から、金栗四三や二階堂トクヨのような指導者や、人見や前畑達競技者がずっとずっと繋いできたタスキがついにここまで来たんだなぁ……。
お国のためではなく、自分がやりたいから、自分が勝ちたいから、自分がメダルを欲しいから。女子もそう言う時代がやっと来た。
うう、繋がってるよ〜。
この爽快感が歴史を紡ぐ大河ドラマじゃなくてなんなのか。そう、違う、そう!

一方で闇も容赦なく描く。
スポーツと金、スポーツと政治。スポーツとメディア。メディアと政治。
資金調達のため高橋是清に「利用すればいいんです」と持ちかけたツケを、巡り巡って「失脚」という形で払うことになってしまった田畑。
ドラマの中で起こることが2020年東京オリンピックとことごとく重なるのが生々しい。
歴史は流れるのに人間は学ばない。間違いを繰り返す。滑稽だ。けどだから面白い。

NHKがある場所が元々ワシントンハウスで、買い戻す予算の理由漬けにあそこに移動したというエピソードは面白かった。
東京オリンピックでカラーテレビが売れたというのは知ってたけど、まさかの60万!この時代に⁉︎今だって60万のテレビは中々手が出ないよ?凄いわー。こういう雑学が増えていくのが歴史の楽しみじゃんねー。
少し前、試験には出てこないから日本史で坂本龍馬を扱わなくなるかもというニュースがあって、「ばかじゃないの?」と思った。
たとえ歴史上で大きな功績がなくても、その時代にこんな面白い人物がいて、そこへの興味がきっかけで歴史を勉強する事もあるだろう。
そういうのを教養っていうんじゃないの?
そしてそのきっかけの一つが大河ドラマでいいんじゃないの?と。

そう、とくに今年は見てるドラマの時代が重なっていて、比較して見るとなるほどなるほどと面白い。
「いだてん」の登場人物はエリートが多い。田畑は金持ちの息子で東大出、岩ちんは戦前に東大ヨット部、東龍さんは東大ボート部。この時代に!めっちゃボンボンやんかー!
この時代に大学行ける人自体珍しい。だから「スカーレット」で草間さんが大学出と知り「学士様ですか」と常治が態度を変えた。
世の中を動かすのは選ばれたエリートで、だから「いだてん」の時代の後に出てくる田中角栄がブームになったのもこうやって流れを見てるとよくわかる。
功罪はともかく、小学校しか行ってない人間が(ですよね?)国のトップになったのだから。

「いだてん」の学徒動員で小松が召集されたように、「おしん」でも京都帝大の学生で徴兵を猶予されていた息子の雄が、文系の学生の猶予取り消しで召集された。
あー、あの時代、こうやって若者が無駄に死んでいったのかと改めて思う。
何かで、国のお金で学ばせている大学生は(言い方悪いけど)もったいないから徴兵を猶予していたのに、その余裕すらなくなった段階で日本は負けていた、というような事を見たんだけど、こうやってドラマで見るとホントわかる。

今の「いだてん」では自分が存在を知ってる人が出ていたり、子供や本人が存命の人物がたくさん出ている。
だって今回も名前が出てたけどスカルノ大統領が登場してるのよ。夫人が裏番組に出てるの、凄くない?
ブルーインパルスの隊長が出てましたが、ご本人は今年の5月までご存命だったそうですよ。
残念、ぜひご覧になって欲しかった。出番は少しでも明るい時代の象徴のような青年だったのに。
それでも怯まず悪役の立ち位置になるような人もしっかり描くことが、ストックホルムオリンピックの時代から2020年東京オリンピックまで、時代がつながっているんだなぁと実感がわく。そこにあったんだと思える。
闇の部分もあるし関係者もたくさんいて二の足踏むような近代史をここまで描いてくれて、これで興味が湧かないわけないじゃんねー。
クドカン、ホントありがとう!
まだ終わってないけども。

次回は降板した黒澤明に代わって記録映画を撮る市川崑が登場!
演じるは、そうきたかの三谷幸喜‼︎
凄くない?キャスト発表のときからワクワクしてた。
自分が初めてハマった「真田丸」の脚本家が2番目にハマった「いだてん」に出る!
うひょーゾクゾクする〜!
キャスティングも目が離せない「いだてん」、後2回も正座待機だー。

……なので、出来ればちょっとでも星野源出て欲しいなー(笑)