温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「スカーレット」 〜第72話 あー、不穏。やっぱこのドラマ怖いわ(褒めてます)

なんとか常治の許可を取り、結婚に向けて八郎が賞を取るための手伝いをする喜美子。

「幸せへの大きな一歩」というサブタイトル通り、2人が一緒に頑張る素敵なエピソード〜!

…なだけではもちろんなく、端々に表れる不穏な空気。あー、怖い……。

 

信作の家がカフェに商売替えするにあたって頼まれたコーヒー茶碗。

求められることが嬉しくて種類も数も増やして受ける八郎と、それより陶芸展向けの作品に集中して欲しい喜美子。

まだ陶芸家ではないからお金は貰わんという八郎と粘土も電気代もかかってるのにそれはおかしいという喜美子。

八郎の代わりに自分がコーヒー茶碗を作るという喜美子と、人前に出すものだからダメと言う八郎。

結婚前の恋人同士としてはとても息があって自然でお似合いな2人なのに、ちらちらと考え方の違いが見える。それも特に「ものづくり」に対しての。

結局半分を手伝ったが2個割れて、八郎が10客、喜美子が8客作り、喜美子の分だけ代金を貰って、大野家のカフェサニーに納品した。

……うー、フリが怖い。

同業、しかも才能の差が出てしまうような職業を夫婦で目指す。それぞれの考え方も違う。

 

賞を取らなくては結婚は許さん、チャンスは一度きりという常治の課題。が、八郎はあっさり新人賞を取った。そして結婚。

一瞬拍子抜けした。けれどもやっぱり甘くなかった。

記念の写真を撮ろうとしていると、サニーの客がコーヒー茶碗を頼みたいという電話。

客が気に入ったのは八郎ではなく喜美子の作った物。結局「自分はまだ大量には作れないから」と断るが、その横でなんとも言えない顔の八郎。

 

5年後。独立して工房を立ち上げた2人。息子も生まれた。

しかし八郎の作品は5万どころかまだ厳しい様子。喜美子が大量の注文品をこなして生活を支えている。

取材で滋賀にきたちや子さんに「女性陶芸家を目指せばいいのに」と言われても「陶芸家を目指してる訳ではない」と答える喜美子。横で複雑な顔の八郎。

常治が建てた離れで、ほのぼの幸せに暮らしてる様に見せながら、やっぱりチラチラと見える不穏な空気。

「スカーレット」は、職人か芸術家か、生活との兼ね合い、ものづくりをする人間の業、そういうものを描こうとしているんだなと改めて思う。

だから女性主役のドラマなのに出産という見せ場になりそうなところはサクッと省く。

やはり、あくまでもこれは喜美子が女性陶芸家としての道を切り開くドラマなのだ。

八郎があっさり新人賞を取ったけど、それだけで陶芸家としてやってける訳ではない。あくまでも第一歩。なんの保証も無いのが現実。

これから喜美子が陶芸家としての才能を開花させたとき、八郎がそれを受け入れられるのか、そんな不安を感じさせる1週間だった。

 

そしてその他のエピソードも相変わらずリアル。

離れを作るためにオート三輪を売り、雇われ長距離ドライバーになった常治。思った通り身体を壊し、借金は結局喜美子の肩に。

百合子は短大に行けず高校を出て就職。

あああ、一体いつになれば余裕ができるのよ?

先週からの喜美子と八郎を演じる戸田恵梨香松下洸平のシーンが本当に自然でいいカップルなだけに、芸術家同士となった時のことが今から怖い。

あああ…。

でも見る!面白いもんね。