温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「俺の話は長い」完走。久々のホームドラマはなかなか刺さる

録画が溜まっていたのをまとめ見して完走しました、「俺の話は長い」。

淡々とした日常を描いてもちゃんと成り立つと証明してくれた、久々のホームドラマです。

ツイッターで誰かが言っていてなるほどと思ったのですが、10月クール、1月クール共に日テレは3本のドラマ枠が全てオリジナルで、その意欲がなかなかだと思います。ま、出来は置いときますが(笑)

 

土曜22時枠は21時だった時代から続くジャニーズ枠で、主演じゃなくてもほぼ毎クール必ずジャニーズがキャスティングされるという特殊枠。好き嫌いも分かれるでしょう。

ちなみに現行の「トップナイフ」は珍しくジャニーズいないのかな?

日テレ×ジャニーズと言えば、古いジャニーズファンは突飛な設定のトンデモドラマ(褒めてます)のイメージなんですが、最近はわりとお仕事物が多いみたいですね。ジャニーズも高齢化の波には抗えないのね。

そんな中「俺の話は長い」はなかなかに異色。

主演の生田斗真はジャニーズだけれども、キラキラ感なぞかけらもないもっさりした青年。

色々チャレンジするのが好印象です。

生田斗真に対しては特に情熱はなかったのですが、上手い俳優ばかりのキャスティング、特に今10代ではナンバーワンでは?という清原果耶につられて視聴。

あと脚本家も興味あった。大野智主演の「世界一難しい恋」が凄く良くて、山田涼介の「もみ消して、冬」もわりと好きだったので。

 

その「もみ消して、冬」もホームドラマだったのですが、家族全員超エリートという設定を使ったコメディ要素が強めだったのに比べ、「俺の話は長い」は本当に普通の家庭の普通の話。

でもそれがよかった。「もみ消して、冬」が設定が消化し切れてないところがチラチラ見えたのに比べて、もやもやするところがない。

普通の家族のありそうなやりとりでの笑わせ方が絶妙だった。

 

と、絶賛しつつも録画を溜めていたのはなぜかと言うと、2〜3話あたりで生田斗真演じる満のキャラが受け付けないかもと思ったから。

メインキャストは5人。

大学中退してコーヒーショップを始めたが失敗して以来、働かずグダグタしているニートの満。一人で喫茶店を切り盛りする母房枝。キャリアウーマンの満の姉綾子。綾子の娘で中学生の春海。綾子の再婚相手の光司。

これに喫茶店の常連客や、満の行きつけのバーのバーテンダーや客が絡むのだけど、基本的にこの5人が綾子の家のリフォーム期間中同居するなかでの家族の話がメイン。

食事をしながらのどーでもいい会話が延々と続くとか、下手な俳優が入るととんでもないことになるのだけど、なんかリアルで見てしまう。わかるんだよね。

この満がねー、イラつくんですよ。

6年全く働かず、実家に寄生し母親のおつかいのお釣りをごまかして小銭を手に入れフラフラしているのに屁理屈だけは達者で、リフォーム中に家に住まわせてくれと言う綾子に上から目線で延々と文句を言う。見てると毎回「何様……!💢」と思ってしまい、ドラマを脱落しかけた。

これはおそらく見ている人の立場によるんだろう。どうしても自分に近い人間の気持ちで見てしまうから。

自分は弟がいて、それも満のように屁理屈を延々と言えるタイプの人間なのでよく腹を立てていた。なのでつい綾子に感情移入してしまったし、本当に「あー、満ムリ!」と思ってた。

うーん、製作者の思うツボ(笑)

まあ、実際客観的に見てみれば綾子が一番大変だ。再婚相手の光司は元ミュージシャンでいい人だけど収入は微妙、一家の家計は綾子が支えているのに、光司は家事もさほどしてる様子もない。難しい年頃の娘は色々反発してくるし、そこに無職の弟が偉そうに言ってくればイライラもするでしょう。

そんなふうに誰かの立場に「うんうん、わかるよー」と思えるのがホームドラマの醍醐味なんだなーと、久しぶりに思いました。

 

でも、イラつくというのはつまりリアリティがあるという事で、だんだんその屁理屈の応酬を楽しめるようになってきた。

そうしてみてるうちに、満と綾子の口の達者さはやっぱり姉弟だなーとか、頭が良くてやっぱり口がたつ春海はお母さん似だなーとか、親戚家族を見てるような微笑ましい気持ちになってきて、次が見たくなってくるんですよね。

後半は5人の食卓のやりとりを涙出るくらい笑ってみてました。

 

ドラマは綾子一家がリフォームの間同居する3ヶ月間で、春海の登校拒否や失恋とか、満がヒモになりかけて速攻振られるとか、光司が会社辞めちゃうとか、房枝がモテモテとか、日常のちょっとした出来事がひたすら続き、大きな事件は起こらない。

結局満もニート完全脱却とはいかないし、光司の新しい仕事はこれからだし、満と綾子は相変わらずぶつかる。

でも根底に家族だからこその遠慮のなさがあるのがわかって「あー、やっぱり家族なのね」としみじみしちゃう。

いい「ホームドラマ」でした。

 

新しい試みの「30分×2本」というのも違和感なくてよかった。

毎回本当の芸能ネタを発表っていうのは滑っていたと思いますけどね。だって全然記憶に引っかからないし。

 

出演者はみな良かったけど、やっぱり清原果揶はすごいな。

少し前に「なつぞら」で30代までやってたけど、このドラマではフツーの中学生にしか見えなかった。上手いなあ。ベテラン陣とのやりとりも全く負けてなくて、存在感もあるしさすがだー。

あと若いのに落ち着いていていつもサラッと本質に切り込んだ事を言う謎のバーテンダー役の杉野遥亮が良かった。

今をときめくトップコートの次世代スター候補な割に地味かなーと思ってたけど、今までとはまた全然違うキャラにちゃんとハマってて感心した。無難な男前が生かされてたし。これからが楽しみです。

 

と、いうことで、意外と良かった「俺の話は長い」。

多分また一挙放送とかあったら見ちゃってイラつくんだろうなー(笑)