温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「知らなくていいコト」完走〜!「大恋愛」と同じく、まさに「ザ・大石静‼︎」だったわ〜

日テレ水曜10時の働く女性枠「知らなくていいコト」、全話完走しました〜!

吉高由里子主演なのでガッツあるヒロインの明るく元気なお仕事ドラマと思われて、初回は「暗い」とか結構叩かれてましたが、途中からの「尾高さんステキ」トーンもあり、尻上がりに視聴率も上がってたようです。自分も結構楽しみに見てました。

で、全話見てのザックリ感想。

 

「うーん、何というか、いかにも『大石静』のドラマだなぁ。おもしろいんだけど何か残らない…」

という感じでした。

 

原作物のドラマばかりの昨今、数少ない名前で客を呼べるレベルの脚本家。

80代の大ベテラン、倉本聰山田太一橋田寿賀子のように、見ていて「大石静らしさ」がちゃんとあるっていうのは作家として強みなんだろうなぁ。

この人の「らしさ」はまずはヒロイン像。

基本的に女性主役で、自分をしっかり持った仕事もプライベートもガッツあふれるタイプ。もちろん恋愛も自分から動く。

「知らなくていいコト」のヒロイン ケイトを見て、「大恋愛」で戸田恵梨香演じる尚を思い出した。

尚は婚約者がいながら大好きな小説の作家に出会って運命を感じたら、ガッツリ向かって行く。下手に描くとただのふたまたなんだけど、そこを魅力的に描くのが大石静

ケイトも、父親の事にビビって別れを切り出した彼氏の野中に、自分をふるのもったいなくない?と食い下がってみたり、元カレ2人存在することを皆知っている職場でも全く動じなかったりと恋愛には強い。

見ていて「あー、いかにも大石静だー」と思った。

しかも今回は登場は少ないもののケイトの母親役が秋吉久美子(しかも結婚せずケイトを産んだシングルマザーで仕事はバリバリ)というすっばらしいキャスティング。

この2人が母娘ってなんという説得力!なんだろうね、奔放感?というか「言うこと聞かなそう」な感じが魅力なとこが共通してるのね。

 

そう、大石静らしさといえばおそらく当て書きで生み出される俳優の魅力。

俳優のイメージ、プラスアルファで作り出されるキャラクターがいつもいい。

今回ブームにもなった、尾高役の柄本佑や「大恋愛」のムロツヨシのように、あまり2枚目イメージの無い俳優をめちゃ男前に描いてみたり、明るいイメージの重岡大毅小池徹平にダークな役をふったりで、それが結局俳優の株も上げている。

どのキャラも魅力的でつい見入ってしまう。

 

そう、ドラマは楽しめるんですよ。

で、わーって気分が盛り上がるんだけど「ああ、感想を書きたいっっ!」って言う気持ちが持続しない。「知らなくて〜」も「大恋愛」もほぼ当日消化して楽しみに見てたのに。

それはやっぱり、エピソードのツッコミの甘さかなぁと。

ベテランだけあって、引き込み力は強いし盛り上げはうまい。キャラも魅力的。

だけどまとめ方がちょっとご都合な感じで、つい「そんな上手くいく?」と思ってしまう。

今回、ケイトは週刊誌記者なので毎回何か事件があって、取材して追及、解決までいくんだけど、それを1話でやるとどうも物足りない。

実際の事件をヒントにしてるからなおさら、「そんな上手いこといかんでしょ」感が際立つというか。

収賄の罪を被って秘書が死んだエピソードでは、実は証拠を残していてそれを元に記事を書き国会議員を追い込むんだけど、最近週刊誌が何か暴いても議員を追い込めた事なんて無いしなぁ。くしくも現在文春が大スクープを載せたわけですが、関係者一同シャラっとしらきってるしね。

現実と違って上手くいきすぎてなんかなぁというのはある。この辺は「家売るオンナ」でも思ってた。

もちろん、ドラマだからスカッと解決するのはありなんだけど、そこの説得力が弱いんだよね。

 

そしてキャラが魅力的なだけに、その魅力に頼りすぎ感もある。

今回の重岡大毅演じる野中の闇落ちは確かには面白かったし俳優にも美味しい役だった。

とはいえ、本筋に上手く絡んでなくて「いらなく無いか?」という感じも否めない。

落とし所が難しいよね。

 

と、力技感のする大石静ドラマではあるけれど、毎週みたい!という引き込み力は充分で楽しいドラマでしたよ。

そしてやっぱり吉高由里子は魅力的。見た目の良さもあるけど、リアクションのナチュラルさがすごく良くて、この人がお仕事ドラマに活用されるのはよくわかる。

野中が酔って乗り込んできた時の嫌そうなあしらい方がすごく良くて、録画を見返してしまったし。

 

この前上野樹里を調べていたら、朝ドラに出た時の父親役の岸谷五郎が凄く評価して、小さい事務所所属の上野樹里を自分の所属事務所のアミューズに来ないかと誘ったという記事があった。元事務所に恩義があるからと断る上野樹里のために、アミューズは事務所丸ごと引き取ったそうなのだけど、その時まとめて引き取られた所属タレントの1人に吉高由里子がいたのだそうですよ。

凄いエピソード!

上野樹里レベルならそこまでする価値はあるだろうけど、そのまとめての中に吉高由里子がいるとか大ラッキーだよねー。すごいなぁ。

このレベルの俳優さんなんて1万人に1人とかでしょう。凄いわー。

それはともかく、吉高由里子の魅力を再確認できて面白かった。

全体のトーンが暗めなのも、ヒロインの仕事や出生の秘密や不倫の恋もかけていてまとまっていていいドラマでした。