BSの朝ドラ再放送枠、「おしん」、「はね駒」ときて、次はなんだろう?と思っていたら「澪つくし」が始まりました!
おお、徹底的に昭和のレジェンド作を放送していくのね。なるほどー。
という事で2週間の放送を見てまず驚いたのは
「朝ドラなのに恋愛ドラマなのね〜!」
という事でした。
朝ドラ歴が10年に満たないもので、ついつい朝ドラは女性の自立を描くものというイメージでした。
もちろんその人生の中に恋愛や結婚は大きなものですが、それがメインではなく、どう生きるかがメインテーマ。本人が自立して人生の軸となる仕事をしていくパターン、あるいは成功した夫を支えるパターンとありますが、基本的には何を為すのか、という話だと思っていました。
ですが「澪つくし」、ヒロインかをるは大店の醤油屋の旦那の妾の子という、今なら絶対通らない設定、第1話の冒頭で運命の相手、網元の息子惣吉と出会う。
大正が終わり昭和が始まったこの時代、女学校の卒業間近ではあるものの本人も周りも就職などというはしたない事は考えもせず、父親に認知され醤油屋の娘として嫁に出してもらうのがありがたい事、という認識の時代。
おおー、まさに障害山盛りのメロドラマが始まりそうだわ〜。
さすがに「澪つくし」くらいの有名作なので誰が出てたかくらいはざっくり知ってましたが、こういうお話だったのね。朝ドラなのにこんな恋愛ドラマなのかー。新鮮。
キャスティングもひねりがなくストレートなのでわかりやすく面白い。
言うまでもないヒロインかをるの沢口靖子、さすがに芝居は下手なんですけど、初々しさが新しい時代を迎えるヒロインにハマっていて可愛らしい。
相手役の川野太郎もまだ上手いとは言えないけど、その硬さがこの時代のやんちゃな漁師にちゃんと見えて上手いキャスティングだなぁと。
その分周りが上手くて、かをるの母るいの加賀まりこは色っぽいし、醤油屋入兆の旦那の津川雅彦は思わず手を打つハマりっぷり。いやほんと、女好きの金持ちと言ったらこの人ですよね(笑)
女中頭の根岸季衣はいかにもいびってきそうだし。
明石家さんまがよく「澪つくし」で世間に知ってもらったと言っていたけど、意外にも2週目から出てきていて、思った以上に大きい役なのかしらね。
何よりこのドラマがいいのは、大正から昭和に変わったこの時代がきっとこうだったんだろうなぁと思わせる空気がちゃんとある事。
ヒロインが妾の子というのは今の朝ドラならクレームを恐れて絶対にやらないだろう。
「あさが来た」でも、モデルの人の家での後継ぎは妾の子で、モデルの人も公認だったという記事を見たけど、ドラマではそこは綺麗にぼやかして、モデルの人が産んだ1人娘が婿をとっていた。
妾がいいとか悪いとかではなく、家のためという理由でそういう事が普通にあった時代だったんだと言うことを知りたいんですよ。
醤油屋の職人達や漁師達は荒っぽくて、なかなか関わるが厄介そうとか、なるほどーとか思うしね。
そしてその醤油屋の娘と網元の息子、わかりやすいロミオとジュリエット様式なわけですね、なるほど。
平成朝ドラに馴染んだ身としては、このメロドラマ的展開がとっても新鮮です。
面白くなりそうかも〜。
個人的に今のところ1番気になるのは、入兆の長女、かをるの異母姉の律子を演じる桜田淳子。プライドの高さとか頭の良さとかを感じさせるお嬢様ぶりが素晴らしい。
あー、この人が女優続けてくれていたらなぁ。見てみたかった。
とにかく「澪つくし」なかなか楽しいです。