温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「絶メシロード 新春スペシャル」 身近な絶メシを思い切なくなる

グルメドラマならまかせろ!のテレビ東京、この年末年始も、大みそかは「孤独のグルメ スペシャル」、BSテレ東では「ワカコ酒スペシャル」を前後編で、そして1月1日にはこの「絶メシロード 新春スペシャル」とまさに目白押し。

 

「絶メシロード」は「カメラを止めるな」の濱津隆之が妻と娘にちょっと邪険にされている普通のサラリーマンで、週末に車中泊で一泊旅行をし、名物とかではない普通の店だけど絶品で絶滅しそうなメシを食う、というだけのドラマ。

まあ明らかに「孤独のグルメ」の系譜なんですが、この濱津隆之のしょぼくれ感とこなれていない演技が絶妙で、また別の味があっていいんです。

 

週末、妻と娘が推しアイドルのイベントに行く間、金曜の夜から土曜の夕方で濱津隆之演じる須田は一人で出かける。

コロナ禍で自粛を迫られる中、久々のアイドルイベントが復活。成人の日を含む3連休のため、2泊で日本海へと向かう。久しぶりの絶メシ旅だ。

 

……なのにねぇ、現実はそれどころじゃなくて、この日程は絶賛緊急事態宣言中だし。

ドラマ見たのはまだ宣言前だったけど、大みそかに東京の感染者が1300人越えというニュースの後なので、「あー、切ない……」と思って見ていた。

劇中でコロナ禍だったことを匂わせ、須田が店を選ぶとき、メニューを選ぶときに「久々だし」と繰り返す。

そうだよね~、おそらく企画して撮影してた頃はGO TOとかバカ企画が進行してた頃だろうし、だからこそきっと落ち着くのを祈っての企画だったろうに、現実は2500人に迫ろうとしているとは……。

 

ここ数年「孤独のグルメ」も順調にシリーズを重ねていたのに去年は無かった。
松重豊が降りたがっているという噂もあるけど、コロナ禍だったのも新シリーズをやらなかった理由なんじゃないかと思ってる。
なにしろどこも狭い店、対策しながらの撮影も大変だろうし、ドラマに出ればその後は激混み。そりゃ~やりづらいよね。
それでもこの年末年始にグルメドラマを作ったのは、飲食業界に対するエールなんだと思う。だからこちらも、現実とは大きくズレてしまったのは承知で、いつかまたこうやって気軽に食事に行ける日が来ると信じてドラマを見るのだ。

 

今回須田が寄った店は2軒。
群馬県高崎市の中華屋と長野県軽井沢町の洋食。
毎回ラストに実際の店主とその役の俳優さんが並んだ写真が出るのだけど、よく似たキャスティングにいつも感嘆する。
今回は泉谷しげる国広富之。最近のテレ東ドラマは著名な俳優をサラッと起用していて、「ああ~深夜ドラマも市民権を得たのだなぁ~」とその度にしみじみ。いいですねぇ。


洋食屋ではビーフシチューセットにカニクリームコロッケを追加していたけれど、「孤独のグルメ」とまさかのカニクリームコロッケかぶりで笑う。五郎さんは虎ノ門でエビフライとオイスターチャウダーと共に頼んでた。そうね~、カニクリームコロッケは家で作るの大変だしお店の味って感じかも。

でもそれぞれのドラマのスタッフは「しまった💦」と思ってそうだ(笑)

 

「絶メシ」というのは「絶品」で「絶滅」しそうな店のこと。

基本的に個人営業の店で、大抵は後継ぎのめどが無く、現店主がいなくなれば閉店してしまいそうな店。
ドラマを見ながら、身近な絶メシ店を思ってさみしくなる。
コロナ禍で打撃を受ける中、なるべく好きな店には行くようにしていたけれど、11月に突然閉店してしまった店があった。

年配のご夫婦でやっていた小料理屋で安くて美味しい。ランチなんていつも「これで!?」と思うほど安くてボリュームたっぷりだった。4~5月の緊急事態宣言の頃にはお弁当をやったりしてがんばっていたのに。1週間前に食べに行ったときは普通にやっていたのに、店の前を通ったら内装をはがす工事をしていてびっくりした。
閉店の案内もなかったし、今も前を通るとついのぞき込むけど、店の中は空っぽだ。
ああ、本当に「絶メシ」ってあるんだなぁ。

あいかわらずいろんな方向からグルメドラマを繰り出してくるテレビ東京
1月からは「ゲキカラドウ」とついに激辛ものが登場。
コロナ禍でこういうロケドラマは大変だろうけど、続いて欲しい。「絶メシロード」なんて「プラス旅」なのだからなおさら厳しいよね~。
あらためて普通にエンタメを楽しめることのありがたみを実感する。
スペシャルでは幻想になってしまった旅だけれど、きっと通常運行できる日がくると思ってじっと待とう。
それまで1つでも多くの絶メシ店が生き延びてくれるよう、祈っています。
セカンドシーズンも待ってますよ。