温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「おちょやん」〜第88話  エンタメの在り方について考えさせられる

「おちょやん」、現在太平洋戦争真っ只中、大都市大阪には空襲が頻繁にあり、戦地からの悲しい知らせも届く辛い日々。

そんな中「芝居」という「不要不急」なものをやっていた千代はなおさら辛い立場に追い込まれている。

本人は「お国のために戦地の方々や銃後の皆さまを励ましてきた」つもりだったのに、昭和20年戦況が悪化していくなかでは、ちょっとセリフを喋れば不謹慎と言われ、元女優だからって何様だとなじられる。

 

これは今のコロナ禍と重なるなぁ…。

非常事態になれば結局エンタメなんて後回しで、それは仕方のないことだ。

だからこそ歴史から学んでそういう状況にならないようにするのが今を生きる人間のすべき事なのに、そしてその状況で仕事を無くし生活に行き詰まった人をフォローするのが現在の行政のやるべき事なのに、戦時中とさほど変わってない現在にうんざりする。

何もしない行政も、「そんな仕事を選んだんだから自業自得」と見えない事をいいことに当たり散らすネット民もうんざりだ。

「おちょやん」実は結構思い切ってるドラマだと思います。

 

残念ながら視聴率が朝ドラとしては悪く、だから話題も少ないのだけど、でもドラマとしては色々考えられて面白いですよ。

視聴率の低さの原因は、始まるタイミングの悪さもあったし、言われるように華やかな展開が少ないのが朝向けと思われてないからなのかなと。

千代が単独主役になっているので、千代に思い入れができないと脱落するのではないかと。

「あさが来た」の時に言われてましたけど、昨今の成功作はダブルヒロイン的な作りが多いと。主人公のifに当たるようなまるで違う生き方の準主役を置く事で、広く視聴者の関心を惹きつけるのだそうで。

夕方再放送枠の「花子とアン」では貧農出身のはなに対して華族令嬢の蓮子、「あさが来た」では金持ち街道まっしぐらのあさに対して没落してゆく姉のハツ、「あまちゃん」でやりたいようにやるアキと地元を離れられないユイ、そうなんですよー、伝説の「澪つくし」でも控えめな主人公かをるに対して思うように生きる異母姉の律子がいましたから。

「スカーレット」は傑作と思ってますが、割と視聴率いかなかったのはそういうとこかもなー。

 

千代はなんだかんだであの父親テルヲに似て、考えなしでとにかく動いちゃう人なので、好き嫌いが分かれそうではある。

そういう意味でその対になる人間は必要だったのかも。

ただ前作からザクッと話数が減ったので書き込み的に無理だったのかもねー。

 

でも、「おちょやん」好きですよ。

朝ドラ向きではないかもしれませんが、面白いです。