温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「生きるとか死ぬとか父親とか」 第1話 父親と娘というものは

今期いろんな意味で楽しみにしていたドラマ「生きるとか死ぬとか父親とか」。

吉田羊と國村隼のダブル主演とか、もう深夜ドラマのキャスティングじゃないし。

原作はジェーン・スーの同名エッセイで、「生活は踊る」リスナーとしてはそりゃ見ます!ということで。

 

冒頭、番組の準備中のジェーン・スーならぬ蒲原トキ子に重なって、生きづらさを抱えた女性達が描かれる。何かものすごい事件が起こるわけではない、淡々とした日々なのだけど、でも積み重なっていくモヤモヤが描かれて見ていてううっとなる。もう掴まれている。

そしてそんな彼女たちがトキ子のラジオを聴き相談を送る。

 

トキ子は父親の哲也と別々に暮らす。

中々にやんちゃな人生を送ってきた父親とは相入れないところが多く、同居せずに時々会うという形で距離を測る。

それでも父親を憎みきれず、家賃の面倒を見る代わりに父親の事をエッセイのネタにする事にした。

 

実際のラジオでもジェーン・スーはよく父親の話をしているが、女性関係が中々にヤンチャだったようで、そういう「女性から見て魅力的」な男性が父親だった場合、娘としてどうなのかがこのドラマでのメインエピソードのひとつのようだが、確かにこの関係は難しそう。

前クールで「俺の家の話」や「モコミ」でも父親の過去の不貞に対しての娘の確執が描かれていたのだけど、父親に対して異性の子である娘は息子より不貞を許せない感情が大きいのだろう。

どの話でも70代の父親に対して40代の娘となるので、この世代だと専業主婦家庭も多いだろうし、男の甲斐性で世間的にも浮気に寛容だった時代だ。

けれども母親と同性である娘は感情としてはやはり母親に寄り添うのだろうし、父親に対するわだかまりがずっと残るのかもしれない。

自分は少なくとも自分が知る限りでは両親にそういうトラブルはなかったので、こういう面についていまいちわからない。

この父親と娘がどう描かれていくのか先が興味深い。

 

原作のエッセイでは父親との話のみなのだそうだが(考えてみればジェーン・スーのエッセイをそもそもほとんど読んだことがなかった)ドラマオリジナル部分としてラジオのシーンが入る。

これがまたなんというか、ラジオリスナーとしては「パラレルワールド⁉︎」という感じで何かむず痒い。

ラジオ冒頭の「酸いも甘いもつまみ食い」というフリが実際の番組そのままなのに、パーソナリティが吉田羊、パートナーが田中みな実だとしっとりしてなんだかJ-WAVE的なおしゃれ番組に見えてしまう。

演出が若手注目株の映画監督なのでフィルム調の画質が雰囲気を出していてますますAMラジオ感がしない。
実際のジェーン・スーはどちらかというとガサツ感があるトークなのに、これはいったい何?マボロシ??と思ってしまうのだ。
取り上げる相談は以前に実際に番組で採用されたものをベースにしているそうだが、すくなくとも初回で取り上げたものはいかにもな「女子」の相談で、それに対するトキ子の解答も、ネットにいくらでも転がっているベタな模範解答でしかなく、「ジェーン・スーっぽさ」が感じられなかった。
自分はリスナーと言っても、生活情報部分はさほど興味ないので(失礼)、相談のところだけradikoで聴いている。それだけジェーン・スーの相談はエンタメとして成り立っていると思っているので(同意出来るときも出来ないときももちろん両方あって、そのうえで色々考えられるし面白い)、こんな当たり障りのない相談シーンがこのさき続くとしたらちょっと心配だと思った。
そして、どうやらトキ子の生き方と重ねるとはいえ、相談者を女性でくくりそうな雰囲気もちょっと不安。まあまだ初回だし、杞憂に終わると期待しているけれど。

 

回想での若いトキ子を演じるのは松岡茉優。これまた豪華キャストで。何かのCMで吉田羊と母子役だったなぁ。
そして亡くなった母親役は富田靖子でこれまた期待しかない。
「モコミ」では父親の不倫を許せない娘の役だったが、ここでは浮気に耐える妻か。どうなるんだろう。


まだまだフリばかりの初回なので、いろいろと心配しつつも先も見るなぁという感じ。なによりこのキャストを見ないのはもったいないかな。
DJ松永のドラマ初出演もこれからだし、佐久間Pも出るしね(笑)
週末が楽しみだ。