朝岡の後を引き継ぎ気象キャスターになった神野だが、評判は芳しくなく視聴率もさがり、テコ入れ策を検討される。
内田と交代制になると彼の方が評判が良くますます落ち込む神野。
被災者であるモネ、挫折経験のある朝岡、専門分野の強みがある内田と比べて、幸せに生きてきてしまった自分は傷ついた経験が足りないという神野に菜津が言う。
「それは違う。傷ついていいことなんかない!」と。
あーそうなんだ、このドラマの魅力はこういうところだ。
菜津さんよく言ってくれたー‼︎
菜津が経営する銭湯兼シェアハウスには宇田川という男性が住んでいるが、モネたちは会ったことがない。昼間は部屋に篭り、夜中風呂掃除をして日々を過ごしている。
そんな彼について菜津は語る。
美大を出た後一般企業で営業職をして頑張っていたがあるときから外に出られなくなったこと。時々パニックになってしまうこと。
傷ついてそこから動けなくなってしまう人だっている。傷つかないで生きて来れたことは素敵な事だと菜津さんは言う。
ああ、そうだよね。
ドラマというのはどうしても盛り上がりが必要で、傷ついてそこから立ち直り進んでいく人が描かれがちだ。
もちろんそういう人は魅力的だし、そうやって強くなっていく。
けれど世の中には特に傷ついたことのない人だってたくさんいて、そういう人が劣るなんてことは全くない。
傷つく度合いも耐性も本当に人それぞれで、立ち直れる人もいればできない人も当然いる。
大事なのは傷ついた人がどうなのか、思いやれること。
神野さんに足りなかったのは傷ついた経験ではなく、そういった人達への配慮をきちんと見せること。それがわかればきっと大丈夫。
思えばモネ自身、被災者ではあるけれど震災時に島にいなかった傍観者でもあって、それを負い目に感じていた。
そういう気持ちはわかるけど、大事なのはではこれからどうするかどうできるか。経験したことに優劣はない。
安達奈緒子の脚本は、安易なドラマ的な盛り上げに頼らず、人がこうしていって欲しいという姿を淡々とでもしっかり描いていてそれが好きだなぁと思う。
そういう脚本だから朝ドラ的ヒキが弱いのはもう仕方ない。ながら見はやっぱり無理。
でもそういうところがいいのだから、毎日楽しみに見ている。
今週からまた時間が進み、モネが地元への貢献を考え始める。
いよいよ終わりへと向かっていくのだと思うと淋しいけれど、でも楽しみです。