温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「最愛」 田中みな実を見て、異業種俳優について考えた

「最愛」面白いですね〜!

この制作チームのドラマは「リバース」しか見ていないのですが、あれも毎週の「もしや?」と思わせてからのどんでん返しが面白かった。

「リバース」はドラマの後原作を読んで、味付けぶりにおお〜と思った反面、「これは原作を知ってる人は楽しめるのかしら?」と思ったので、オリジナルの「最愛」はそういう点でも目が離せません。

毎週区切りがつく連続ドラマとしてのミステリーの見せ方をよく分かってますよね。

毎回何かが明かされているのに謎は形を変えるだけでクリアにはならない。でも進んではいる。次回への引き方がさすがだなぁと。

 

そして昨今無視できないのが芸人を始めとする異業種俳優の台頭です。

どこの局でも多いですがTBSが特に多い印象なのは日曜劇場のせいでしょう。

ドラマ初挑戦という人を引っ張り出すのが上手いなーと、毎回思います。

正直演技は上手いとは言い難い人も多いのですが、ピンポイントでキャラを上手く合わせているのでいいアクセントになってます。

その分、上手いけど世間的にはまだ知られてない俳優を使ったり、メインどころはガッツリした芝居を当てたりでバランス取ってますよね。

 

そんな中、「最愛」での異業種俳優といえば田中みな実です。

いや、ネットの芸能ネタを信じるなら「異業種」ではなく「俳優」に転身したというところでしょうか?

まあだったら俳優として見ての感想を言えば、しっかりした俳優のキャスティングの中で明らかに演技レベルが一段下、やってしまったな感が大きくて大変がっかりです。

がっかりというのは田中みな実本人というより、このキャスティングをした制作チームにかなー。

 

田中みな実演じるしおりはフリーのジャーナリスト。

化粧っ気もなくラフな格好でぶっきらぼう

本人のパブリックイメージと逆の役を演じるのだけれど、初回からそれがぎこちなく、「頑張って演技してます!」感丸出し。

他の出演者がみな演技と思わさないレベルの演技なので1人浮きまくり。

なんというか、他の人の解像度が100なら1人だけ10の単位で動いていると言った感じ。

7話でしおりは突然死に、過去が明かされる。

なぜ彼女があんなふうなのかがわかり、おそらく「しおりがしおりを演じてる」の表現としてのぎこちなさだったのだろうと思う。

けれど、ちゃんとした俳優だとそれも違和感だけ感じさせつつ視聴者に「下手か?」と思わせない演技になる。残念ながら田中みな実には荷が重かった。

なにしろ、しおりと同じような立ち位置の役をやってるのが岡山天音だからだ。

出番は少ないのにそれをやってのけてしまっているのでやはり力量の差が見えてしまう。

つくづく残念だ。

 

アナウンサー、タレントとしての田中みな実はわりと好きだったんだけど、俳優としてはキャリアがどうであれ、同じ作品に出るのなら同じレベルを求められるのは当然で、このドラマの俳優としてはまったく足りてない。

吉瀬美智子が30代になってからの女優転身後かなり大根呼ばわりされていて、まあそれも当然かなというレベルだった。

キャリアがどうあれ、子役でないある程度の年齢の人が出ていたらそれはそれなりのレベルを求めてしまうものだし。

容姿が美しい分「顔だけか?」と言われるのも当然で、それは田中みな実もわかってると思うけど、そろそろそれで許される段階じゃなくなってると思いますけどね。

もちろんコメディリリーフとか上手い使い方はあるので、今回のミステリーでのキーマンは難しかったというだけで、使いようはまだあるし、いくつになっても演技って上達したりするので全否定はしないけど。

でも、他の出演者が上手いと言うのはホント残酷で。もちろんその上手さに引き上げられることもあるけど(専業俳優ではない伊集院光がそんなこと言ってた)逆にものすごーく差が見えてしまうこともある。

「カムカムエブリバディ」で上白石萌音が本当に上手くて、でもそれが変に浮かない絶妙な上手さで、親友役の小野花梨がきちんと受けられる上手さで、上手いということに気づかず見てたんだけど、岡田結実が登場したら力量の差がはっきり見えてしまった。

今まで岡田結実を下手だと特に思ったことなかったのだけれど、上白石萌音小野花梨という同世代と並んでしまったがためにレベルの差がクリアになってしまった。

田中みな実も、「M」とかでのとにかく振り切ればいいみたいな演技ならまだしも「最愛」のキャスト陣と並ぶには厳しかったのね。

 

あー、なんか田中みな実の悪口延々と書いてるみたいになったけと、田中みな実自体は好きな人ですよ。

ただ「異業種」なのか「専業」なのか立場も技量も曖昧な人が「最愛」でキーマンをやるということに対するモヤモヤが抑えられなかった。

「最愛」自体がそういう人を受け入れるタイプのドラマじゃないと思うんだよねー。

残念。

 

ドラマ自体はミステリーとしての引っ張り方がすごく上手くて(「アバランチ」のキャラのポンコツ具合で話を延ばす手法がモヤモヤするのでその真逆で素晴らしい)、連ドラミステリーとしての出来がよくて楽しみにみてます。

結末知りたいけど、終わるのが寂しいなぁ。