日テレ土曜10時、9時だった頃から連綿と続くトンチキドラマ枠。
今期はおディーン様主演の「パンドラの梶浦〜科学犯罪捜査ファイル〜」です。
けっしてトンチキドラマは否定しない。振り切っていて面白い物もたくさんありますが、この枠から遠ざかって久しいです。
一番の要因は「主演に知名度と人気(だけ)がある」のにあぐらをかいた雑企画が多いので、そもそも見る意欲がわかないというところ。
そんな中この枠にしては年齢高め主演、ディーン・フジオカの登場。
役どころは化学方面に明るい警察官寮。現場の叩き上げ刑事にユースケ・サンタマリア、若き天才科学者に岸井ゆきの。なかなか興味が惹かれるメンバーです。
だがしかし、この企画の発表があったときからの懸念材料が、
「続きはHuluで」
ですよ。
セカンドシーズンはHuluでやりますというのが当初から発表されていました。
おい、まだ懲りないのか日テレ!
これまで幾多のドラマで中途半端な終わりにしてそのままHuluへを案内し、その都度炎上してきたというのに、まだやるのかおい!
竹内涼真のゾンビドラマとかはゾンビ苦手なのでそもそも見てませんが、斎藤工主演の「火村英生の推理」では縦軸の事件を一切解決させずに、サラッとHuluに移行して「シネ!」と思いましたよ。
事件物を長々ふって「続きが見たければ金払え」って、地上波ドラマとしての存在意義を自分達で全否定してどーするよ?
なので自分は何があってもHuluだけは入らないと心に決めてます!
前に佐久間Pが日本の配信の失敗は「配信チャンネルを一つにまとめられなかったこと」と言っていたのですが、いちユーザーとしてそれはしみじみとわかります。
若い人にお金がなく、マンガや音楽ですらタダで手に入ると思っている時代に有料配信に入る人がどれだけいるのか。
細かい数字は忘れてしまったけど、コロナ禍でNetflixの加入者が増えたって記事を見て「え?まだこんな少ないの?」と驚いた覚えがあります。
ラジオとかで芸能人とかの話を聞いてるともうみんな入ってるのでは?と思ってしまうけど、そもそもメディアに出るような人達は有料配信の純粋なユーザーではなく仕事な部分もあるんですよね。
ましてや各局の有料配信に加入したらいったい月々いくらになるのか。
お金払ってでも見たいものは確かにあるけれど、その1番組のためだけに配信加入するとなるとなぁ…。
どうせ再生毎に振り分けしてるのだろうから、テレ朝もフジも一つの配信チャンネルであれば加入者も増えるし、結果としてNetflixやディズニープラスとも戦えたかもしれない。国内で低い争いをしてる場合ではないと思うのだけど。
自分はWOWOWを見るためにケーブルテレビに加入してますが、CSのチャンネルを自由に選べないのが本当に腹立たしい。
指定の6チャンネルパックの3パターンからしか選べず、そうすると過去ドラマの再放送がある各テレビ局のチャンネルは全部は見られず、全部見たいと思うと全チャンネル見れるプランしかなく、お値段爆上がり。
本当にふざけた商売だと思います。
配信でまたおんなじ失敗をして、結果ユーザー獲得がはかどらないという、バカ丸出しぶり。
なんだかなぁと。
話は戻って、「パンドラ〜」は一応事件物なのでおそらくなんらかの縦軸エピソードがあるはず。それの解決をまた「Huluで」とやられたらたまったもんじゃない。
…と思っていたら、プロデューサーインタビューで「ちゃんと地上波10話で完結します」との記事が。セカンドシーズンは別エピソードになるそうです。
ほんとか〜⁉︎
というか、こういうインタビューが出るという事は相当クレームが来たんだろうなぁ。前科ありすぎるし。
まあとりあえず信じて見てみるかなと。
で、肝心の内容はというと自分は結構好きですね。
原作では岸井ゆきの演じる天才科学者・最上が主人公のところをディーン演じる科学犯罪捜査室長・小比類巻に変更。テレビ局お得意の傲慢変更ですが、縦軸エピソードを小比類巻の亡くなった妻に持ってくることで主人公変更の違和感を減らしている。
確かに謎解きを実際にするのが最上なのでこちらが主人公だったろうなぁ感はあるのだけど、小比類巻も最先端化学に明るい設定なので傍観者感が少ない。
ユースケ演じる足で稼ぐ刑事長谷部が「わからないから説明して」という担当になるので、無理なく説明パートに入れるのが見やすくていい。
ディーン・フジオカはやっぱり似合う役をやると抜群に魅力的なので、こういう知的男前役をやるのがいいよね。
肝心の最先端化学については、自分は知識無いし、ある程度はSFとして受け入れるので、果たしてそれが可能なことなのかのぎりぎりを攻めてくれればいいと思う。
初回の「AIが自分の意志を持つか?」というのもずっと使われてきたテーマで、可能性が見えてきている現代だからこそ生きると思う。
結局はハッキリした結論を出さなかったけど、これは現代の研究としてはここまでということなのかしら?
小比類巻の妻は亡くなった後蘇生技術が可能になるまで冷凍保存しているのだけれど、彼女をどうするかを果たして10話で決着つけられるかが重要ポイント。
この手のドラマはふりだけは大きく持ってきても、いつも結末がしょぼくてガッカリさせられる。明らかに現実ではまだ不可能な技術をどう扱うかが見ものだなぁ。
自分が子供の頃読んだ科学本で既に人間の冷凍保存の技術があったんだけど、問題は蘇生な訳で、じゃあ科学技術的に「死」と「生」の境目はどこなのだろうと考えたりした。
現実に死ぬのは体が生を維持する機能を保てなくなったからで、じゃあ死んだ体を治すことが可能なのか、体は治せても、それを再度稼働させるのはどうするのかとか、考えると面白いけれど、でもだからこそこのドラマで描ききれるのかがちょっと不安。
他で言うと、日テレドラマにしては警察シーンがちゃんと大勢いるのは良かった。
日テレ警察物っていつも主人公周りのメンバーしか存在せず、人手不足で犯人に逃げられてるじゃん!というグダグダ展開が多くて萎える。
まあ、そういう犯人の追い方をするドラマじゃないから大丈夫かな?
とりあえず初回はまずまず楽しめたし、メイン3人もいい感じなので完結を信じて継続視聴します。