あとは最終回を残すだけになった「石子と羽男」。毎週楽しみにほぼリアタイで見てます。
期待はしていたけれど不安もありました。
有村架純と中村倫也という安定したキャストに新井P &塚原監督コンビというのは魅力だったのですが、脚本が西田征史だったのが不安要素。
実はここ数年で自分の中でワーストの方に入る朝ドラの「とと姉ちゃん」の脚本家なのです。
もはや炎上がルーティーンになっている「ちむどんどん」ほどではないにせよ、当時も結構荒れていて、確かインタビューで「SNSは一切見ないし意見は見ない」と答えてて「見ろよー」と炎上してました。
自分も「ちむどんどん」はまだ見てますけど「とと姉ちゃん」は途中で脱落したくらいですし。
タイバニはハマるほどではなくてもそこそこ面白かったのにどうしてこうなった?と残念に思った記憶があります。
それが、初回こそ「地味かなぁ?」と思ったものの回を重ねる事にじんわり染みる素敵なドラマができあがってるじゃないですか!
ドラマスタッフと言うとつい「脚本家は?」と思いますが、この新井P &塚原監督コンビで、視聴者に「ドラマをプロデューサーと監督で見る」楽しみを教えてもらいました。
このチームの良さはなんと言っても「こういうものに興味があってドラマにしたい!」と言う意志が明確な所です。
見ていて「はぁ?ちゃんと調べたの?描き込み薄っす〜!」ということが全くない。
前にインタビューでも言ってましたが、旬なネタをすぐ扱えるテレビドラマの強みを存分に生かしてるんですよね。
今回で言えば、リーガルものといっても身近なちょっとしたトラブルを扱うところがなるほどなぁと思います。それでいてしっかり考えてるなぁと感動します。
3話のファスト映画のエピソードで、それをやられた監督がやった人間の謝罪を受け入れず許さない、というのにはジーンときました。
綺麗事じゃなく、起きている問題に正面から向き合って考えているんです。
それから、「アンナチュラル」「MIU404」でも扱っていた、行き場のない未成年のエピソードを見ると、こうやってずっと考え続けている大人がいるんだと言う事をあらゆる手を使って届けようという姿勢に感動します。
と、内容的にしゃべりたいことは山盛りなのですが、先週の第9話でこのチームの根本の魅力的をしみじみと感じました。
とにかく、画面が美しいんです!
今回弟を庇って逮捕された赤楚衛二演じる大庭の無実を石子と羽男コンビが晴らす。
その大庭が勾留を解かれ警察署の外に出た時に見上げた青空の色が…。
眩しくて涙出そうになりました。
大庭の晴れやかな気持ちが伝わってくるような青空だった。
ドラマはもちろんストーリーが大事だけど、この画面だけで伝わるものをスッと受け取れる、こんな楽しみがあるからたまらないんだなぁと思いました。
素晴らしい。
明日にはもう最終回。
めちゃくちゃ残念だけど早く見たい。
うー、楽しみ。