「ブラッシュアップライフ」でのスマッシュヒットが話題のバカリズムが次は俳優としてプライム帯ドラマに出演、しかも脚本は盟友オークラ、ということで話題のドラマ「イップス」。
楽しみに初回を見て思ったのは
「うーん、さほどでもない…」
と、いうことでネタバレ感想です。
書けなくなったミステリー作家黒羽ミコと解けなくなった刑事森野が出会ったサウナで事件が起こり、2人が組んで解決していく。
最初に犯人が明かされる倒叙物ということで「令和の古畑任三郎」という前宣伝も。
ですがねー、それは三谷幸喜に失礼です。
とにかく、ミステリーとして見た時に謎解きが弱い、弱すぎる。いまどきコントでもこんな弱いトリックつかわんやろー!と突っ込みました。
犯人は熱波師のトリンドル玲奈。
反社の元カレに交際していた過去をバラすと脅されて、水風呂に誘いスタンガンで気を失わせて事故での溺死に見せかける。
なぜ水に浸かってスタンガンを使ったのにトリンドルは感電しなかったかというと、水風呂の水を全て純水に入れ替えて電気が伝わらないようにしていたから、というオチ。
女性が1人でトン単位になる水をタンクで買ってどこに隠していたかとか、どうやって短時間で見つからずに入れたかとかは無視。
さらに、首筋にありありとスタンガンの火傷の跡があるのに所轄は事故と判断。
間抜けすぎる。
こういう、刑事のキャラクター自体を見せたいドラマの場合、謎解きは多少の無理はありとは思います。
けれど、この場合は「多少の無理」ではなくて「不可能」。
さらにメインを有能に見せるための周りを無能にするミステリードラマに傑作はないですね。
このトリックで思い出したのはハナコでした。
あんまり見たことないけど。
なんか発想がコントで、それをドラマにまで落とし込めてない。
だからありえないトリックになってしまう。
これはあれかな?大売れっ子放送作家のオークラ様に書いていただいたから誰もダメだしできなかったって感じ?
そしたらもうプロデューサーも演出もクソですね。
そもそも「オークラ脚本にハズレなし」ってコメント見たけど、そんなにドラマ書いてました?
調べたらプライム帯の連ドラは3本目、しかし前2作は原作あり。
初オリジナルでこれかぁ…。
期待していただけにがっかりです。
もちろん挟み込まれる小ネタとか篠原涼子とバカリズムの掛け合いとかはよかったと思う。
そこがメインなのもわかる。
でも、あくまでも「ドラマ」なのだから、ドラマとしての最低ラインはクリアしないと。
ドラマを見るのはオークラ信者ばかりではないのだし。
そしてイマイチの原因を「篠原涼子の芝居が古い」とか言ってたやつにイラっとする。
確かにいつもの篠原涼子芝居ではあるけれど、これはバカリズムとともにその「いかにも」を求められてる企画なのは明らか。
それが合ってないのなら、それはやっぱりプロデューサー、演出、そして脚本の責任。
なんでもかんでも篠原涼子のせいにするなよ!と思う。これは篠原涼子が悪いのではない。
なんかね、叩いていい設定にしたらずっと叩いていいって文化が本当に腹立つし、ましてや不倫とか犯罪でもないことをネタに「終わった」とか叩き続けるのがホントいや。
しかも、篠原涼子の場合あくまでも「疑惑」なのだし、親権を母親が取らなかったことでまた叩くけど、それはその元夫婦が決める事で他人がとやかくいうことでもない。
ましてや俳優の仕事には関係ない!
あー、特にファンでもないけど腹立つわー。
トリックの稚拙さはともかく、2人の掛け合いは面白くなりそうなのに、初回にこれだけのグズグスを見せちゃうとミステリー好きは離れそうだし視聴率は厳しいかもな。
なんか、色々残念だな。