昨日の夜中に4話を見てからあれこれとカルテットのことを考えている。
仕事中も延々と星野源を聴きながら、カルテットと巻真紀と松たか子について考えていた。
相変わらずセリフのやり取りや構成に隙がない。
アジフライが出てきて「おっこれは醤油かソース問題か〜?」と期待させ、そこからさらに家森のキャラを掘り下げたり、
「妻は僕のことをよく知ってるから」だけで、なぜ家森がすずめに興味もってるかを説明したり、説明は多くないのにちゃんと見てる人間に伝わるのが楽しい。
家森の入院ネタもただの1エピソードのように入れといて、さらっとユスリや真紀の疑惑につなげて来週への引っ張るとかホント上手い。
坂元裕二のドラマはいくつか見たけど、私が見た範囲では間違いなくカルテットがナンバーワンだ。
4人それぞれの背景と恋愛模様に真紀の疑惑、いくつもある要素を無理なく無駄なくバランスよく、まるでパズルのようにはめ込まれているのがめちゃくちゃ気持ちいい。
あっという間の1時間ってこういうことだ。
4話まで見て、毎回見るたびにあれこれ考えるけど、毎回締めの感想は『松たか子スゲー』に着地してしまう。
2〜4話はそれぞれ他の3人の背景を明かすストーリーなので、真紀の出番は控えめ。
なのにポイントポイントで出るたびに絶妙な存在感を出していて、やはりこのドラマの主役は真紀なのだとわからせてくる。と言ってその回のストーリーを邪魔しない、出過ぎない。
4話で言えば、確かに家森の話で高橋一生さすがだったけど、ちゃんと真紀の所に話の中心が戻ってる。
もちろん脚本演出がいいのは大前提として、真紀は松たか子だから成り立つんだな。
真紀以外の3人は言い方悪いけど普通の人だ。
もちろん辛い過去や難しい家庭環境があったり、小狡いところや悪い事考えたりダメな面があったりするけど、そういうところこそがリアルな普通の人なのだ。せいぜいちょっと変わった、でも普通の人だ。
だから別府は好意をもってくれる女性をキープしてしまうし、すずめは辛いときに手を差し伸べてくれた真紀にすっかり甘えてしまうし、何やっても半端な家森も息子に向えばただの父親になる。ホントリアルに理解できる普通の人だ。
だけど真紀は違う。相変わらず底知れない。
どこが本当の真紀なのかわからない。
別府が一目惚れしたミューズの真紀も、すずめに手を差し伸べた母親のような真紀も、ベンジャミンをアッサリ切り捨てた冷静な真紀も、「火照ってるに決まってるじゃないですか」と家森をドン引かせた下世話な真紀も、夫が失踪した次の日にパーティーで満面の笑みを見せる写真の真紀も、全部バラバラでどれが本当の真紀なのか、つながらないいくつもの面をちゃんと1人の人間にまとめあげてるのが松たか子なんだ。
松たか子はお嬢さん風のルックスとは違い、本人は喋ると結構ザックリした感じを受ける人なんだけど、持っている雰囲気にどこか品があって、それが真紀のようなうっかりするとガサガサなだけになってしまいそうな役を、見てる人に目を離させない魅力のある人物にしている。
こういうのは演技力だけではどうにもならなくて、真ん中に立つ人ってこうでないとドラマが成り立たない。
松たか子が演じるから真紀がドラマの中心にいて、だから第一バイオリンになるんだ。
そこへそれぞれ個性的で高い技術の第二バイオリン、ビオラ、チェロがやってきて、セッションが始まった訳だけど、それをまとめるのはやっぱり第一バイオリン、真紀なのか松たか子なのか。
まさにカルテット。
俳優さんを好きになるとき、このドラマのこのシーンで落ちた!って思う時があるけど、
松たか子で言えば私は今回、真紀の家で別府に口説かれるときの真紀の表情、あれを見てヤバいと思った。
こんなに複雑で色んな感情が浮かびながらも目がキラキラしてものすごく美しいと思った。
こんな表情を出せる松たか子、やっぱり底知れない。
松たか子のことばっかり考えてるけど、他にも見所たくさんだ。
実はあさが来たのときから吉岡里帆は虫が好かない。
整ってるけど地味目の顔、小柄だけど巨乳、なんかわざとらしい笑顔。
どれもこれも男ウケして女に嫌われるポイントを押さえてる。だから虫が好かないのかしら?
だけど、だからこそこれ以上ないナイスキャスティング‼︎
最初思ったより重要な役のようで、彼女の飛躍を見れるのかもしれない。
徹底的に突き抜けてくれ!
そして家森息子役の子役ちゃん。
めちゃくちゃ可愛いなー。
そして放送前、何の役かは伏せて高橋一生と2ショット写真がまわってたけど、あ、息子だなとわかる、何となく面影がある。
子役チョイスうまいなー。
そしてライムスターの人、すごくいい味出してたのに、今回で終了?残念。
ドラマは来週から第2章?ということはガラッと雰囲気変わったりするのかしら?
んー想像が追いつかないので、もう予想なんて小賢しいことはせず、来週を楽しみに待とう。