キャラ見せと状況説明の1週目が終わり、2週目は大きく話が動いた。
東京になんてまったく興味のなかったみね子が東京に出るキッカケ、父 実が失踪してしまう。
母 美代子か東京まで探しに出かけ、みね子も何かがあったのを感じつつも、美代子の帰りを待つ。
みんないいひとで一生懸命生きているのに、どうしてこうなってしまうのか?
1週目からチラチラと不穏な気配は出されてた。
1964年、高度成長期だけれども、地方の農家には恩恵はない。
みね子は18歳だから、現代では70過ぎ。
以前何かで読んだけど、今の専業農家は65歳以上がほとんどだとか。
農家を迷いなく継いだ最後の世代なんだね。
今から半世紀前にもう地方の農家の厳しさがちらほらと書かれてる。
50年経っても日本の農家を取り巻く状況は何にも改善していない。
谷田部家は仲良くてみんなにこにこしているように見えても抱えてる問題は大きい。
東京についた美代子。
どこにいっても「出稼ぎの失踪はよくあることだから」で済ませられてしまう。
宿舎のおかみさんも、赤坂署の受付の警官も本当に冷たい訳ではないんだろう。
あまりにも失踪者が多いから、現実に対応してくにはそうしていかないと自分がもたないから。
誰もがどんどん変わっていく東京についていくのが精一杯なのがすごく伝わってくる。
それでも、失意の美代子に優しい人達は沢山いる。
同郷だからと非番の時に探してくれるという若い警官。
そしてスズフリ亭の鈴子と省吾親子。
この時代は1、2度あっただけの人の事を本気で心配できるのが普通の事なんだなぁ。
スズフリ亭の親子が優しくていいひとで美代子じゃなくても泣けてしまうよ。
宮本信子という女優さんは伊丹作品を何本か見た以外は「あまちゃん」くらいしかガッツリ見てないんだけど、さすがだなぁと思った。
メイクや髪型は「あまちゃん」の偏屈な夏ばっぱとそう変わらないのに、どう見てもまったく別人だ。
夏ばっぱをまったく連想させない、人の良さ全開の気のいいおかみさん。
上野駅で美代子においなりさんを進める鈴子を見てたら泣けてきた。
帰りを待つみね子が健気。
不安でいっぱいなのに、祖父を問い詰めるでもなく、妹弟の前では明るく振る舞う。
長女の自覚がキチンとある。
そしてひょうたん島の歌がストーリーとちゃんとリンクするのがうまいなぁ。
これに限らず、当時の流行り物を入れて時代感を出すのがうまい。
さすがベテラン岡田惠和。
「べっぴんさん」では無理やり当時のヒット曲を歌うシーンがちょくちょくあって、入れ込んだ感半端なかったけど、
こうやって話の流れと合わせると違和感がない。なるほどなー。
父の失踪という重たい出来事をいれつつも、ちゃんと明るいシーンもいれることで、朝に見るのにふさわしい前向き感もでる。
先がきになる朝ドラ、ひさしぶりだなー。