温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「BG 〜身辺警護人」 3話まで見てなぜ面白くないのかを、他のドラマと比べて考えた

今クール見てるドラマが固まってきた。
「アンナチュラル」「anone」「隣の家族は青く見える」の3本はガッツリ視聴。リアタイできなくても、なるべく早く録画を見てる。
「もみ消して冬」は溜まりつつも見てる。
「相棒」は長年のファンなのでもう見るのは義務でもある(笑)

で、「BG 〜身辺警護人」は今のところ毎週帰宅していて相方が見るから横で見てるという状態なのだけど、とにかく集中が続かない。飽きてしまってスマホ見たりしてる。
なんでかなぁ?と相方に言ったら「話がつまらないからでしょ」とバッサリ。おいおい言っちゃったなー。まあ、そうなんだけど。
ちなみになぜそう言いながら相方が見てるかというとアクションのあるドラマが好きだから。
「奥様は、取り扱い注意」も「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」も自分はさほどハマらなかったがその流れで結局全部見たしなぁ。

で、具体的にどこがつまらないのかとか考えていた。
「アンナチュラル」とかめちゃくちゃ面白いと思って見てるけど、ドラマのタイプのせいかどこがどう面白いとか上手く言葉にできない。
ドラマの感想をあれこれ書くとき、簡単に分けると4つに分かれる。

1、面白くてあれこれ書いてしまうもの。
2、面白いのに上手く感想に出来ないもの。
3、つまらなくてツッコミが止まらないもの。
4、つまらなくてあれこれ書く気にもならないもの。

「アンナチュラル」は2。あまりにドラマ作りが上手くて、「わー、すげー!面白ーい!」ってアホな事しかつぶやけなくなる。書けても「ここが良かった」くらいで「どう良かった」が言葉にできない。まあ、これは自分の理解力と文章力の無さのせいなんだけど。

4の場合はそのうち見なくなるものも多いから、どちらにしても書かなくなる。「わろてんか」は3から4に移行し見なくなった。

で、「BG」は当然3。もうグダグダっぷりに突っ込まずにはいられない。もともと事件物が好きなのもあるので、雑な脚本が気になってしょうがない。3のパターンが書きやすいのは自分の性格の悪さもあるのかもなぁ(笑)

テレ朝はドラマ枠の多くを事件物と医療物に特化して他局と差別化を図りドラマ人気を安定させている。その結果シリーズ物が多くなり「相棒」「ドクターX」などの成功がある。
いくつかそういうシリーズ物候補を見てきたけど、それらと比べて「BG」は明らかに脚本の出来が悪い。事件の展開が読めてしまって意外性がなく、ご都合な結末なのだ。
例えば3話では、アイドルが誘拐され事務所の社長が身代金を届けるのを警護するのだけれど、「あー、1時間ものだと大抵狂言誘拐だなー」と思っていると本当にそうなのだ。まずそこにビックリする。
そのアイドルはヤンチャな彼氏にそそのかされて誘拐を偽装するのだけど、当然のように彼氏は金を取ってアイドルを裏切ろうとする。その彼氏の企みがどうしてバレるかというと、車に潜んで身代金を待つ2人のところに彼氏のヤンチャ仲間が突然乗り込み「お前なんかだまされてるんだぜー」とバラす。なぜ今言う?金を取ってからにしなきゃ意味なくない?
1、2話もこんな感じで、すべてありきたりな事件展開にありえない馬鹿なご都合で動く脇キャラで成り立っている。
1時間もので事件解決まで収めるとある程度展開がパターン化してしまうのは仕方ないが、そう思わせないためにそれぞれのドラマなりの味付けをして作っているのに、ここまでありきたりで雑なドラマは最近見たことない。
「アンナチュラル」がとても1時間とは思えないほどの展開とエピソードを上手く入れ込んでるのと比較してしまうと、事件物としての出来は相当低い。

じゃあ、「味付け」の方。似た展開の事件でもキャラクターの魅力で見せたり、人間ドラマの部分で見せたりの所はどうか。
これも微妙。
「BG」の木村拓哉はこれまでの木村拓哉ドラマの典型なキャラクターで新鮮味がない。
型破りなアウトローでマイペース、だが実はできる男。いつも通り。
多少は変えようとバツイチ子持ちとか、(一応)中年と言い張ってはいるけど中途半端で、中年の悲哀からの魅力とか、愛すべき情け無さが出てるわけでもない。
これは結局、木村拓哉に「キムタク」キャラ以外を演じさせる決断が出来なかったんだろうと思う。
46歳なのに引き抜かれて若者には負けない仕事ぶり。若くないと難しい仕事をやらせるなら、その年齢なりの手法を使えるキャラにしないと、結局無理した若作りにしかならないのに。

さらにうんざりするのが他キャラクターの魅力の無さ。
それぞれ木村拓哉とライバル関係に当たる江口洋介斎藤工がまったく惹かれない。
やたら民間を馬鹿にする以外に何もしない江口洋介。「あなたのやり方に納得できない」しか繰り返さない斎藤工
木村拓哉を持ち上げるためにライバルキャラを下げるという手法をとったため、なんの興味も惹かれないキャラがメインで2人。
さらにヒロインポジションの石田ゆり子はとにかくワガママ自分勝手、若手の菜々緒間宮祥太朗木村拓哉が活躍するための問題起こし係でとてもプロとは思えんポンコツ
各話のゲストキャラ、浅はかで自分勝手な行動で結果ピンチに陥るバカ。
……そりゃ面白くないわけだ。ライバルキャラが魅力的だからこそ、そこの切磋琢磨がドラマを産むのに。亜弓さんは、ベジータはいないのかー!ゲストキャラも魅力的な「刑事ゆがみ」を見習って。
「アンナチュラル」が面白い理由の一つにキャラクターがしっかり出来上がっていて、それぞれがきちんとプロとして仕事をしている、という点がある。
だからそれぞれの考えが合わず意見が対立しても、考えさせて面白いエピソードになる。
それでお仕事ドラマとしてなりたっているのだ。
木村拓哉以外ポンコツなのだから、お仕事シーンから間抜け感しか伝わらないのと真逆だ。

そして気になる音楽の付け方。
やたら大げさで大事件のような音楽で盛り上げれば盛り上げるほど、「え、こんなショボいシーンをなぜ?」と見てる側は置いてきぼり。
「警備」を見せるなら、もっと落ち着いた音楽のが緊迫感でると思うけど。

結局今まで通りの「キムタク俺カッケードラマ」でしかない。
だから木村拓哉のファンは楽しめても、面白いドラマを見たい層が離れてしまうのだ。
本当は「俺カッケー」だって悪くないんだよ。それならそれで突き抜けてありえないくらいかっこよくすればいいのに、半端なんだよ何もかも。「俺カッケー」も中途半端だ。
3話の橋からぶら下がるというアクション、なぜその流れで橋から落ちかけるのかわからない無理矢理な動き。そして「実は手錠繋いでて大丈夫でしたー!」というありえない展開。あの動きで片手にバッグもっていつ手錠出してつけたのか?手品??はぁ?」としか言えない。
なんだろう?脚本家井上由美子木村拓哉サイドに弱みでも握られてるの?

以前何かで読んだハリウッドプロデューサーの話で「面白い脚本からつまらない映画はつくれるけど、つまらない脚本からは絶対につまらない映画しかできない。だから脚本選びが大事なんだ」という「うん、当たり前だね」という心がけを見たけど、そのまま「BG」製作陣に突きつけたいよ。

初回見たときと同じように、つくづく木村拓哉が気の毒になった。
誰も彼もが「木村拓哉」の名前に怯えて、「持ち上げなきゃ」「かっこよくしなきゃ」「視聴率取らなきゃ」にがんじがらめて自由に作れてない。
素材として「木村拓哉」を素直に見ることが出来てない。
これだけのキャストを揃えて全てポンコツとかなんて無駄遣い。
バカバカしい。
素直に面白いドラマを作ろうとすればいいだけなのに。ドラマの出来が良ければ、出てる俳優だって魅力的だ。
石原さとみはあまり好みな女優さんじゃなかったけど、「アンナチュラル」で見るミコトはとても素敵。そういうもんでしょ。

江口洋介の立ち姿がカッコいい、が支えだったのに毎回「丸腰で何ができるんだ」しか言わせてもらえなくてかわいそうすぎる。

まあ、「木村拓哉ファン」が見ればそこそこの視聴率は取れるようだから、ただ1時間映して置けばいいんじゃない?その方がコスパいいと思うよ。