温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

映画「蜜蜂と遠雷」を見た。なんて言ったらいいか、わからないくらいに良かった!

映画館で予告を見て、なんか気になっていた「蜜蜂と遠雷」。
ちょうどシネコンの割引クーポンの期限があったので見に行こうと思い立ちました。

公開2日目の土曜日18時半からの回。
心配になるほど空いてます💧
まあ題材がピアノのコンクールというと興味わかない人も多いかなぁ。
原作未読、宣伝番組も未見、ざっくりとしたあらすじのみの知識で挑みました。
ちなみに音楽経験もほぼ無し、クラシックについても詳しくないです。

見終わって感想。
凄く良かった‼︎
なんだかわかんないけど、すっごくいいもの見た!映画見たー!って感じ。
直後は上手く言葉に出来ず、ずっと思い出しながらあれこれ考えていたので思った事を書き出してみようかと。
ネタバレもあります。

ある地方都市で開催される国際ピアノコンクール、そこにエントリーした天才達の一次審査から本戦までの数日間の話。
原作は小説なので細かい状況まで描かれているのだろうけど、それを2時間の映画にするために周りの事はばっさり切ったいさぎいい作りが好印象。
それぞれの背景の説明は最小限、セリフも少なく映像と音楽で見せる。それがいい。
とにかく音楽、音楽だけで見せるので3人の天才性が伝わってくる。
一方で彼らとの差に気づく天才ではない明石のことは生活感のある描写が入る事で、明らかに違う人種だという事を説明している。
この差をしっかり描く残酷さが、才能の世界の厳しさを表していてグッとくるんです。

一方で天才達も人間なので挫折経験があったり、現状行き詰まりを感じていたりする。
それが、お互いに交流することで出口を見つけ、本戦でそれぞれの最高の演奏にたどり着く。
これがかっこよくて気持ちいい。
天才っていうのは己れを突き詰めることが出来るから天才なので、それはほかの天才と関わって潰し合うとか気後れするようなものじゃなく、天才×天才で何かを掴んでさらに一歩上がる。

映画のクライマックスは本戦に残った3人の演奏シーンなのだけど、見ている自分ももうコンクールの会場で聴いている気持ちになっていて、会場の盛り上がりと一体化していた。
キッパリ演奏シーンで終わったのが気持ち良かった。
なんというか、「映画」というものを信頼してる作りだなと思う。
音楽と映像という、原作に無いもので原作を再構築したんだなと。
映像も色が独特で、基本的に室内か夜か雨なのに重くない。上手くいえないけど、印象強いです。

出演者もみんないい。
松岡茉優は表情で主人公の迷いとか葛藤、何か掴んで吹っ切れた感じが全部わかって凄いなぁと。
松坂桃李は唯一生活感のあるキャラクターで、何がいいって全く男前に見えないところ。
普通の家庭のある青年なんですよ。
確かに華やかな美形というわけではないけど整った顔してグラビアだと男前なのに、男前オーラゼロ。いいです!
森崎ウィンはお芝居初めて見たけど、上手いですね。「王子」と呼ばれて本人も自信あってちょっと鼻持ちならない気配もあって。
そして鈴鹿央士!すごい新人だー。
広瀬すずにスカウトされた」って煽り言葉は変な意味にとらえられかねないから控えたほうがいいかも。全然他の3人に負けてない。
才能の話になると出てくるキャラ、無垢な天才役なんだけど、存在感があって何となく恐ろしさすらある。

そして4人とも相当ピアノやったんだろうなぁ。
吹き替えでない、明らかに本人の手のシーンも多いので単純に「うわー、すごい!」と思いました。

大人の出演者はもう間違いない。
審査委員長の斉藤由貴は久々にパリッとした役で、もう普通に上手い。
有名指揮者の鹿賀丈史はこの人しかないよねという感じだし、プロフェッショナルなホールマネージャーの平田満の安心感は何?ここに平田満ならもう大丈夫という感じでね。
少し気になったのは記者役のブルゾンちえみ
薄めとはいえ、アイラインバッチリでどうみても「ブルゾンちえみ」なんですよ。
役柄が説明係なのでここでキャラが意味を持ちそうなキャスティングはどうなのかなと思う。
まあそんなに気にはならなかったけど、気になる人もいそう。

とにかく音楽疎くてもめちゃくちゃ入り込めて楽しかった。
あー、でも知識あったらもっと楽しいだろうなぁ。
そしていい意味で原作読みたくなりました。
彼らのことをもっと見たいというね。
とにかく、こういう映画はやっぱり劇場で見ないと!
面白かった〜。