最終回を迎えるドラマが出つつある中、溜まっている録画を必死で消化しながら遅れて色々みています。
本当は感想レビューを読みたいからなるべくその週のうちには見たいのですがなかなかね。
で、噂の番外編「恋のおしまい」を見ましたー!
かんそう、「水季の魔性ぶりがヤバ過ぎてコワい(笑)」
ですね(笑)
そもそもの本編では毎話水季エピソードからスタートという「呪い?」という状態な訳で、切ない恋愛物とかホッコリ親子物とかの側面より何より、この「魔性・水季」に囚われ振り回されていく人々の痛々しさと滑稽さをツッコむドラマとして見るようになってしまっています。
元看護師である脚本家が伝えたかったという「避妊とガン検診はしましょう」というのも、わからないではないけれど、この状況になったのも基本的には水季の自分中心ぶりのせいでしかないので、「かわいそう」というより「なんだかなあ」と思ってしまいます。
そして、その水季の魔性ぶりが明らかに母親の朱音ゆずりで、しかも娘の海に引き継がれているのを見ると、このドラマのテーマである「家族に血縁はなくてはならないのか?」という問いかけの前に「血縁こええ」が先にきてしまうのです。
そういう意味では脚本家がまだ拙いというか、描きたいこととそれを伝えるための技術のバランスが悪いなぁと思います。
それでも、つい見てしまうという魅力はあるのですけども。
で、諸事情で急遽作られた番外編「恋のおしまい」はその水季の魔性っぷりがこれでもかと描かれていましてね、ツッコミどころ満載でございました。
3年前の東京オリンピックの年、図書館の同僚である津野との恋物語。
元々津野が勤めていたところに後から入ってきた水季は早々にシングルマザーであることを明かし、当初から水季が気になっていた津野はお迎えとか手が足りなければ手伝うよとすぐさまいい人っぷり(と下心)を見せていたのは本編で既に明かされている。
水季の闘病中も見舞いに来たりと近しい様子だったし、亡くなったという連絡も朱音から直接入ったようだった。
けれど、交際相手というところまでは行っておらず、部屋の片付けを手伝いに行っても、朱音に「家族でやるから」と追い返される。
ここの朱音の態度もいくら娘を若くして亡くした直後だったとしても、1話の葬儀の時の態度と矛盾しててちょっとモヤモヤ。
葬儀中に海を任せるほどなのに。
まあこれは、「血縁だけはある」夏と「血縁だけが無い」津野との対比を強調したいのだろうけど、相変わらずこういうところがどうも上手くない脚本だなと。
とまあ、津野はずーっといわゆる「いいお友達」できてしまって、「交際相手」に踏み込めなかったのだなぁと思っていたら「恋のおしまい」でまさかのアプローチ済みと玉砕が描かれていて驚く。
しかも明らかに水季の方からガードを下げて動いているのに、またも一方的な理屈で津野のアプローチ、というかほぼプロポーズを断っている。
で、それが3年前なので、結局その後もずっと交際相手としては踏み込ませないくせに、海の子育ての「人手」としては津野を使っていた訳ですね。
恐ろしい女だ。
古川琴音があまりに魅力的に演じるからウッカリ騙されそうになるけれど、全ての問題は水季の独りよがりな考えと行動のせいで起きている。
夏に全く選択権を与えないどころか話し合いすらさせずに中絶を1人で決め、翻って産むのも1人で決める。
当初は当然反対したとしても、結局頼めば海を預かってくれる両親がいるのに、無理に「シングルマザー」をやって、経済的に苦しく、結果検診が遅れる。
そもそも図書館司書というのも今はブラックの代名詞だというのになぜ選ぶのか?
ドラマ的に絵面がいいから?ドラマでは多いよね。少なくとも水季に本好きの描写は一切ない。
本当に「海のためになんでもする」のなら、親に頭下げて住まわせてもらって少しでも金銭的な余裕を作ってやることだってできるのに、この状態は「1人で頑張るシングルマザー」の立場に酔ってるようにしか見えない。
こういう、魔性というかファムファタル的女子って、単館映画のヒロインにありがちで、見てる分には面白いけれど、近くにいたらたまったもんじゃない。
そして、いなくなってしまったからますますその姿に元カレ夏も便利男津野も、元カレ今カノ弥生も、ずっとずっとその影を引きずる羽目になる。振り回され続ける。
もうなんというか、してやったりですよ。
それでもまあまだ夏には海がいるし、弥生は基本他人だから距離も取れるけど、数年の間、ひたすら匂わされて振り回され続けて切り捨てられた津野はいったいどうすればいいのか。
そもそも「夏の将来を潰したくないから」と別れておいて津野にはこの仕打ち。
この先新しい相手なんて見つけられるのか?
ガッツリ将来潰されてますけど、津野にはそれでいいのか?水季さんよ。
さらに、これがまた池松壮亮が上手くて騙されるけど、冷静に見ればどんどんやばい方向に進んでるんですがどうなるの?
演者が上手くて映像が綺麗だから、なんかステキなラブストーリーな気分になってますけど、間違ってもこれを「いいお話」と思ってはいかんのでは?とつくづく思います。
あー、こわいこわい。