温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。タイトル変えました。

「スカーレット」 第95話 喜美子たち、これで大丈夫なんだよね?

ついに穴窯の製作に取り掛かり、喜美子の陶芸家への道が本格的に動き出した。

ああ、このまま川原夫妻は続いていくと思っていいんだよね?


以前から気配はあったけれども、年明けからの展開はずっとハラハラしていた。

夫婦である事と同業者である事の折り合いのつかなさが生々しくて辛かった。

喜美子と八郎はお互いに相手の事を大切に思っているし、それぞれのものづくりへの思いも強い。なのに、資質の違いや考え方の違い、そして普段の生活が積み重なってのズレが大きくなっていた。

傍目から見れば、喜美子は天才肌で直感的にものづくりをするタイプ、八郎は積み重ねた研究が向いていて、喜美子は作家向き、八郎は職人向きなのだが、この時代の「夫が主で妻が支える」という一般的な考えに囚われていて、そこに上手く進まない事が大きな原因だった。

自然に出来てしまうからこそ自分の天才性に気づかない喜美子と、製作に行き詰まり自分が作家に向いてない事に気づきながら家長としての責任もあってそれを認められず、喜美子の才能に怯える八郎。

芸術と実用品、どちらが上ということではないのに、結婚前常治に誓った「5万円の湯呑みを作る」という自分の言葉に縛られているのだ。

もう見ている方が辛かった。


そこに松永三津という第三者が入る事で、「もしや崩壊が決定的になるのでは?」と怯える視聴者がたくさん出た。

こういうネタバレを上げる人は無くならないなーと残念に思っていたのだけど、喜美子のモデルとされている人は同業の夫が弟子の女性と不倫関係になり離婚してるのだそうだ。

それを踏まえたうえでの三津の登場は確かに不安。

三津は喜美子と似た行動力のある女性ながら、才能のある恋人を見ているのが辛くなって別れてしまったという八郎側の人間で、明らかに八郎に共感している。これは恋になってしまうには充分だ。実際、三津が八郎に好意があるのははっきり分かる。

けれども、この脚本家がそんな安易な展開をそのまま拾うとは思えないし、と様子を伺いながら見続けてきて、ここに来てやっと先が開けてきた。


八郎は三津の話からヒントを得て、実用品を作る事に舵を切り、室町の信楽焼の色を再現してみたい喜美子の背中を押す。

芸術が成り立つのは平和な世の中だから。またいつ戦争が起こるかわからない、やりたい事はやりたい時にやろう、と。

うん、八郎はやっぱりいい男だった。

三津と関わった事で視野が広がり、それでいて喜美子との結婚前のように妙齢の女性に対しての距離はきちんと取る。

結婚前は喜美子を「川原さん」と呼んでいたように「松永さん」と呼び続ける。あくまでも弟子であって、八郎にとっての「女の子」ではないと。

八郎が注文を受け生活を支え、喜美子はお金がかかる穴窯作りに挑戦する。

以前とは逆の立ち位置になって川原夫妻は再出発した。

うん、もう大丈夫!良かったよ〜。

 

この生活と才能と仕事のくだりを丁寧に描いていて、自分はとても面白かったのだけど、視聴率があまり上がらないのもわかるなと思った。

朝ドラの視聴者はながら見派も多いからわかりやすく派手な展開を好む人は多いだろうし、そういう人は「スカーレット」のあえて結婚出産という大きな出来事をサラッと流し、そこまでの経緯や普段の生活の中で感じる事を丁寧に描くやり方は退屈なんだろうと思う。

そしてこの夫婦でありライバルである関係というのは、一般の夫婦では多くないから関心が持てない人もいるのもある。

けれど自分はこういう「スカーレット」がやっぱり好きだし、いいドラマだと思う。

このところの川原夫妻のヒリヒリとバランスを取るように、信作と百合子の恋物語が上手く挟み込まれていてすごくいい。

前から信作が好意を示してるのに対し、気づかないのか流してるのか絶妙な百合子が、信作と結婚を考えてもいいと思った理由が、百合子の赤松通いが亡き父常治を思ってのことだというのに信作が気づいていたからというのがうっときた。

人が人を受け入れるきっかけって、こういう何か一ヶ所、でも大事なポイントが通じたからだというのはすごくわかる。脚本家はよく見てるんだなと思った。

そして信作の林遣都は本当に上手いな。

「べっぴんさん」のときは全然印象に残らなかったのだけど、信作の一見頼りないけど、繊細で心優しく周りの人をとてもよく見ている様が素晴らしい。コメディ担当の加減もやり過ぎることなく絶妙で、登場するたびに感心してしまう。いい俳優だなー。

 

川原夫妻が「夫が主で妻が支える」の呪縛から逃れ関係を立て直した以上、三津はもういられなくなるんだろうか。

百合子と同じ年で気も合っていたけど、当初よく話していた昔の恋人の話をしなくなり、八郎への気持ちは弟子としてのものでは無くなっているから仕方ないんだろう。

三津がどう信楽から旅立つのか、この脚本家なら納得の展開を見せてくれると思う。

 

やっと中にあるものを出す決意をした喜美子がこれからどうなるか、まだまだ楽しみ。

稲垣吾郎出演も発表されたし、もう少し視聴率上がるといいな。

こんなにいいドラマなのに視聴率が低いというだけで否定されるのは残念だから。