温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「MIU404」第5話 社会派じゃないドラマなんて面白くないでしょ!

頻発するコンビニ強盗の捜査のため店員として張り込む伊吹と志摩。そこへ強盗が現れ、同時に近隣のコンビニも襲われる。取り押さえられた犯人たちはほとんどが元技能実習生の外国人だった。そして2人に仕事を教えてくれた留学生のマイが共犯ではないかと疑われる。

 

第5話「夢の島」。う~ん、なんてストレートなサブタイトル。確かに、近隣のアジア諸国から見て日本は憧れの場所だった。ジャパニーズドリーム。でももうそうじゃなくなって久しい……。過酷な技能実習生の現実。

こういうネタを選ぶ野木亜紀子のセンスがいつも凛々しい。

Twitterとかでも「知らなかった」というつぶやきが多かったけど、実際知らない人も多かろう。星野源も言ってたし。

自分はニュース見るの割と好きだし、ネットでもテレビでもラジオでもニュースが入れば結構聞いているけれど、覚えてる限り技能実習生についての記事をネットで見たことないと思う。テレビではかろうじてあったと思うけど、ほぼ新聞で見ただけだ。だから紙媒体を見ない人が多くなった今、知らない人が多いのは当然だろうと思う。

ネットのニュースサイトは便利だしよく見るけれど、当然よく見る系統の記事ばかりになってきて、それがとても気持ち悪いので、自分が選ばないニュースをたまたま目にできるメディアの必要性を強く感じている。

野木亜紀子Twitterでわりと時事ネタに触れる人なので、こういう話を見ると、やっぱり世の中のいろんなことを見ようとしていて、いろんなことにちゃんと腹を立てている人なんだなと思う。そうしてそういう人は信用できると思う。

 

いろんなことにどういう意見を持っていても、それはそれぞれの自由で構わないのだけど、ネット社会では声高に言う人ほど見ているものが偏っていてほんの一部だったりして、そのほんの一部の情報だけで判断していたりする。それがほんと怖い。

自分もまずは知りたい。いろいろ思うことはあるけれど、それについて全部見たい。それから考えたい。でも、それを全部見れることなんてなかなかない。

ナウチューバーの特派員RECがテレビに売り込んだら「技能実習生のネタなんて誰も見たがらない」と邪険にされたように、その時盛り上がってるネタばかりをメディアは取り上げ、その裏で小さく扱われるニュースの多さにぞっとする。

扱いは小さくても、それぞれが重要な問題で、それに対して水森のように問題意識を持っている人もいるはずなのに見えない。

 

そんな気持ち悪さを取り上げて一流のエンタメに仕上げる制作チームに毎度感謝する。

ネット記事で5話について「『社会派ぶるな』と賛否両論」というものを見て「はぁ~!?」と思った。そもそも自分は絶賛ツイートしか見つけられなかったので「賛否両論」っていうほど否定意見あったのか?と思うし、まあ1つでもあれば嘘記事ではないのだろうからいいんだけど、「社会派ぶるな」ってなんだよ!と思う。

ドラマってその時の空気を描くもので、そうでないと面白くならない。「逃げ恥」のように、ラブコメだって社会派要素がなくては今どきウケない。

そんな時代に「社会派ぶるな」とかって、ほんとにドラマ見てるのか?と問い詰めたいくらいだ。

 

そしてあいかわらず桔梗隊長がかっこいい。

男社会と言われる警察物で、ほとんどが男性キャラのなかに1人2人女性キャラをいれるのは昔からよくある。そしてほとんどが「華」だった。

でも桔梗隊長は違う。美人ではあるけれど、隊長になったのは有能だからだ。けれど「女」であるだけで疎まれる。桔梗隊長は自分が正しいと思うことをしているだけなのに。「ただいるだけなのに」だ。
ブラック・ライブズ・マターの問題について星野源が発信して、それがほとんど取り上げられなかったことに絶望したのだけど、それとは別に、同じくそれについて発信した大島優子には叩き記事が出てた。超人気者の売れっ子で「男」である星野源はスルーされ、「女」の大島優子は叩かれる。検察庁法改正問題もそうだった。城田優はスルーで秋元才加は粘着される。そういうものに対するいら立ちを野木亜紀子はちゃんとすくい上げてくれる。

 

そんなもやもやする問題を扱って、しかも毎回事件はすっきりとは解決しない。なのに毎回見終わったときなんか救いが見えるのがなにげに凄い。それがこのドラマのエンタメとしての上手さだ。5話でいえばマイの強さとしたたかさ。人間捨てたもんじゃない。けれどつい考えてしまった。劇中は今2019年。沖縄のホテルで働くと言ったマイは大丈夫なのか。このコロナ渦で大変な目にあっているんじゃないか?
ついそう思ってしまうほどはいりこんでしまったし、マイは魅力的なキャラだった。

 

5話を見終わってから、ずっとぐるぐる考えていた。もう完全に制作チームの掌の上だ。でもいいんだ、それが気持ちいい。

そして・・・今回も志摩がめっちゃかっこよかったぜ~!!(笑)
本来そういうルックスではないはずなのに、もう演技でクールな男前なんだもんなぁ~。まいっちゃうぜ!!!(爆)

それにしても、ウイスキーのグラスでフラッシュバックするとか、志摩の闇は思った以上に深そうだ。
そして予告にでたかつての相棒はまさかの村上虹郎とは!わりと同世代の相棒を想像してたのだけど、そうきたか!

はたして志摩の過去はどこまででるのか、6話が待ち遠しい。
ああ、このドラマのおかげで一週間生きていけるよ~(笑)