温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

「ニュースキャスター」 三谷幸喜の訴えが刺さる

「セクシー田中さん」についての話が、落ちつくどころかあちこちから燃料くべられて燃え盛る一方なのが辛い。

 

原作は読んでなかったけど、ドラマは面白く見て、だから配信で原作も途中まで読んで、GP帯のドラマではメインキャストがまだ少なかった俳優陣の健闘を喜び、ドラマのラストにも納得して満足した一視聴者としては、

「どうしてこんなことに?」

としか言いようがない。

 

俳優陣にまで火の粉が降りかかるのも哀しいし、いつのまにやら「原作者=被害者VS脚本家=加害者」な煽りになっているのも辛い。

誰かが説明しつつ「とりあえず落ち着け」的な事を言っても、「だってあの脚本家がSNSに先に書いた!」と一点張りで騒ぐ輩がウヨウヨ湧いてきていてどうしようもないのがもう。

 

とにかく「脚本家」はうっかり何か言うと悪者認定されてしまう状況で、冷静な説明とわかる範囲での内情をXに上げた野木亜紀子は腹が座ってるなぁと思う。

それでもこれは野木さんが原作つきの「逃げ恥」だけでなくオリジナルの「アンナチュラル」「MIU404」のヒットもある脚本家だから、輩どももある程度話を聞いたのであって、おそらく「逃げ恥」だけだったら「オリジナル書けないくせに」という矢が飛んできたのだろうなぁと思うとそれもまた気が重くなる。

そんな野木さんの冷静なポストにすら言葉尻をとって絡んでくる輩がいっぱいいた。

 

あの脚本家が誰もが見れる状態でSNSに明らかに誰のことかわかる内容の不満をあげたのは確かに悪い。

仕事をする人間として一番やっちやダメなやつだった。

あの人は中途半端な有名人だったから、SNSの使い方が甘かったんだろうなあとなんとなくわかる。

何か書いたらすぐネットニュースになるような人ならもっと気をつけるし。

小さなコミュニティの王様で普段入ってくるのは信者だけで、つい油断して見栄をはったのかもなと思うし。

けれど、芦原先生があそこまで追い詰められることになったのは、脚本家1人が悪いのではなくシステムの問題で、それを検証するのが日テレと小学館のやるべき事だ。

少なくとも今できることはこれだけなのに、何もかもにも噛みついて騒いでる、本当にファンなのか怪しい輩どもを見てるとしんどい。

 

そんな中、「ニュースキャスター」で三谷幸喜がコメントをした。

普段あまり本音を話そうとしない三谷さんが、言葉を選びつつ、声を震わせながら思いを伝えるのは重かった。

聞いていて「ああ、その言い回しは輩どもが言葉尻をつかんで騒ぎそう…」と心配な箇所がいくつもあった。

追加して「自分も死にたいと思った方がある」「踏みとどまって欲しかった」と言ったのも、ものすごく気持ちはわかるけど、危ういコメントだと思った。

「踏みとどまらなかった芦原先生が悪いのか!」「それくらい追い詰めた奴らが悪い!」

というやり返しが目に浮かぶようだった。

 

だけど、三谷さんが話している画面を実際に見て聞いていたら、三谷さんの言いたいこと、悔しい思いはいやってほど伝わる。

あの普段ちゃらけるしかしない三谷幸喜がここまで言っているくらい重く突き刺さっているのだなと思ったら、もう細かな言い回しで揚げ足取らないでくれよとしか思わない。

三谷さんも野木さんも、それから「ワイドナショー」で見た柴田先生も、自分たちの業界で起こってしまった最悪の出来事にショックを受けて傷ついている。

そしてどうしてこうなってしまったのかを考えて二度と起こらないようにしなくてはと必死なのだ。

それをみたらもう、我々一視聴者にできることなんで見届けることだけだなと思う。

だからもうほんと、こういうことに乗っかって騒ぎたいだけの輩の相手なんてしてちゃダメなのだ。

 

ドラマの「セクシー田中さん」はとても楽しかったし、出演者の出世作にもなりそうだったのにこのまま無かったことになってしまうんだろうか。

自分はHuluに入っていないし録画保存もしていなかったから、もう見る機会もないかもしれない。

でも、田中さんと朱里ちゃんが安易に誰かとくっつくのではなく、あれこれ悩みながらそれぞれ自分の道を見つけたラストは素晴らしかったとずっと覚えていると思います。