温泉とテレビが好きな私の日記

誰かに気を遣うことのない、思った事をそのまま書いてみるところ。

好きな人の好きな人には美しくあって欲しかった

色々な思惑と忖度が働いてなし崩しに終わりそうなジャニー氏性加害問題。

だかしかし、SNS時代の今、なかなかまるっとは押し込めずあちこちで火の手が上がります。

 

日曜日、注目された山下達郎のラジオ「サンデー・ソングブック」。

事務所の公式ページから山下達郎からコメントがあると発表されてました。

そして、自分も聴いてみました。

そして悲しかった。

 

自分は山下達郎本人には特に興味もないけれど、かつてKinKi Kidsにどハマりしていて(今もテレビ見るくらいには好きです)そして、星野源がちょくちょく話題にしてすばらしさを語っているので、間接的に好意は持っていた。

そう、「好きな人の好きなものは好き」ってことです。

そしてそういう人は素敵な人であって欲しかった。

でも、ラジオでの山下達郎の言い訳(まさにそうとしか言えない内容だった)は醜く無責任で、「ああ、この程度の人だったのか」と残念なものだった。

 

騒動のきっかけの松尾潔については、音楽に疎い私でも知っていた売れっ子で、たまに聞くラジオが面白く「業界人って感じだー」と思っていた。

なので、ジャニー氏の性加害問題が出た時にすぐさま意見を言っていたのが意外だった。

要領よく黙っているタイプなのかと思ってた。

そして、事務所の契約を切られた事に関して、自分の連載コラムで書いたものを読んで、正直な人だと思った。

 

ジャニーズのタレントに曲を提供するようになり、知人に「ジャニー喜多川ってヤバいんでしょ?」と聞かれたこともあった。

しかし曲を提供するだけなので「わかるはずない」と答えていたし、実際ジャニー氏に興味がなかった。

 

このあたりのところがすごく分かると思った。

事実か確定でなく自分に直接関係のない噂に対しては興味がない。よくあることだ。

この問題がずっと見過ごされてきたのはそういう面もあるんだろう。

まさかなーで終わってしまう。

けれど、BBCのドキュメンタリーを見て打ちのめされ後悔したという松尾氏のその後のコメントは冷静で納得いくものだった。

「1番の弊害は、今回の報道やマスコミの有り様を見た子供たちが、もし性犯罪・性暴力の被害者になったとき『声を上げても無駄だ』という諦めの気持ちになるかもしれないことです」

 

本当にそうだ。

最近でも自衛隊の性暴力問題で、一旦認めた加害者がまるっと手のひらを返した事に対して、被害者が「戦う」と言っているのが辛かった。

彼女がこの先の被害をなくすために頑張っているのに、それを分からない奴らが多すぎて腹立たしい。

被害を受けたら助けを求められる世界でなくてはならないのに。

松尾氏はジャニーズ事務所を非難するのではなく、「第三者委員会を設置して膿を出し切りましょう」と提案していた。

それでも、ジャニーズに対して物申したから契約を切られた。

そして山下達郎もそれに同意したと書いた。

 

それに対しての山下達郎の言い分は「松尾氏がジャニー氏の性加害問題に対して憶測に基づく一方的な批判をしたことが契約終了の一因であったことは認めるがそれだけではない」

松尾氏の他の問題もあるように匂わせたけれど、そもそもジャニーズの件があると認めちゃってるし。

そして「松尾氏とは会ってない」と言い訳するが、それは松尾氏も言っている。

そして「憶測で」と言ってるけども、これはもう憶測ではないですよ。

何人も証言が出て、裁判でも認められている。

そしてあれを「一方的な非難」というのは読解力が無さすぎる。

まあ読んでないんでしょうけど。

 

そしてその上でジャニー氏との関係を取る。

忖度というなら私の音楽は聞かなくていい、ときた。

ああ、醜い。

そりゃー、アーティストが高潔な人間とは限らないし、社会的なことに関心がなくても別に仕方ない。

でも、他国の戦争や難民について弱者を助けようなんて曲を、たとえスタイルだけでも作っておいて、手の届くところにあった、しかもよく知っている人の犯罪については「知らなかった」で終了しちゃうのは、あんまりにもカッコ悪い。

挙句に「気に食わなきゃ聞くな」かぁ。

そりゃ、もう信者がガッツリいて充分稼いで安泰だし、社会的な責任なんて負いたくはないし、何言われたって困らないか。

でも醜いなぁ。見たくなかったなぁ。

そして取ってつけたようにキンプリの脱退を残念がる。

そうやって問題のすり替えを図るのか。

痛々しい。

 

松尾氏は55歳で、この世代の成功している男性はマッチョイズムも多い中、柔軟にこれからの人たちの事を考えているのに、70歳の山下達郎はザ・昭和の芸能界のままか。アップデートは無理だったか。

これが、KinKi Kidsが慕って星野源が尊敬している「山下達郎」の本質なのか。

悲しいなぁ。

そもそも、KinKi Kidsを始めとしたジャニタレ達があれだけ楽しそうに話すジャニー喜多川が本当にこんなやつだとは思わなかった。

「好きな人の好きな人は好き」というのは愚かな事だ。自分も愚かだなぁ。

美しくあって欲しかった。

ああ、悲しいな。

 

今回の件、ワイドショーでもスルーが多い中、ミヤネ屋で扱ってたようですね。

せめて、問題がなし崩しで消えない事を祈るしかないですね。

辛いなぁ。