年末、根津甚八が亡くなった。
69歳というのは微妙な年齢だ。
「若すぎる〜」と嘆くほどでもないけど、「よく生きた」って程でもない。迷う。
身体悪くしていたようだし、仕方ないのだろうけと、訃報というのは誰の話でも何となく滅入る。
特別ファンというわけでもない。
黒澤映画は見たことないし。
ただいつもこの人の名前を聞くと思い出すドラマがある。
子供の頃、NHKで見た「もどり橋」。
今だにたまに思い出す。
主役は樋口可南子。舞台は京都。小学校教師で、酒グセの悪い父親と二人暮らしの教え子をきにかけている。
ある日その父親が亡くなり、一人ぼっちになった少年がもどり橋を渡ると、心は少年のまま父親の姿になり、憧れていた教師のところへ会いに行く‥‥という話。
まあ、よくあるといえばよくあるファンタジーなんだけど、すごく印象に残ってる。
根津甚八によく振られているダメな男の見た目のまま、中身は少年なのが印象強かったんだろう。
最後は哀しい別れになるのもパターン通りなんだけど。
根津甚八をちゃんと見たのは、これとキンキ剛くんの父親役(これもダメ男)くらいしか思い出せないけど、それでもこれだけ何十年も印象には残っているのなら、
俳優さんってのはいい仕事だよなぁ。