大晦日、世間をざわつかせた紅白での「AI 美空ひばり」登場。
もうばっきり賛否が分かれてますね。
ちょっと時間が経ったので落ち着いたかなーと思いきや、ラジオで山下達郎が「冒涜です」とバッサリやったそうで、また話題になってます。
自分は紅白をながら見しただけですが、確かにずっと引っかかっていたのでちょっと思うところを書いてみる。
亡くなった人を勝手に再現して言葉まで喋らせるという事に対する倫理面がどうなのか?ということと、あくまでも技術の進歩として凄いから見せるのはいいんじゃないと意見は色々。
自分はその前にやってたNHKスペシャルも見てないので、美空ひばりに対してよりAI技術についての方が興味あって、「どのくらいの再現度なのかなー?」となんとなく思ってたくらい。
で、聴いた歌は「え?この程度??」というのが最初の感想。
自分は美空ひばりは懐かし歌番組とかで見た程度だけど、母親が以前ベスト盤を買って延々と聴いてたことがあってある程度はわかる。
で確かに声は似てる気がするけど、音を伸ばした所とか、所々いかにも合成音っぽいとこがあってボーカロイド感は拭えなかった。
そしてなんの感情も入ってない感じでひっかかりのない曲だなーと思った。インパクトが無いというか。
ちょうど初めてたけしの歌をちゃんと聴いて、「あー、歌は技術じゃないってこういうことかー」と感動したのと逆。
歌というより音だった。良くも悪くも機械音。
美空ひばりファンの人達は間奏部分の語りに腹立てたようだけど、自分はそこまで思い入れないので、「そんなことまでするのかー」とさほど関心もなかった。
と、歌は全くいいとは思わなかったけど、それよりももっと自分が気になったのは映像のほう。
全く似てなくない?「こんな顔だっけ??」と思ったよ。
映像の動きもぎこちなかったけど、何より顔が似てないじゃん!というのがモヤっとした。
倫理とか云々より、歌も映像もこのレベルでよく得意げに出したなーと。
数年前、マツコロイドというのが良くテレビに出ていた。
有名人そっくりのアンドロイドを作ってる研究者がいて宣伝も兼ねてあちこちに出して、ドッキリなんかにも使ってたけど嫌いだった。
だって似てなかったし。
マツコ本人はまあ大人だから「似てるわー、凄い」と褒めてたけど、並んで出てしまえば似てないのがますますよくわかる。
人間って、結局一番知ってるのが自分の顔なので、似顔絵とかもそうだけど作った人に絶対似るんだよね。
マツコロイドも、一緒に研究者の人が出るとその人の顔に似てるのがすごくわかって気持ち悪かった。
AI美空ひばりも、既存の映像をデータして平均取ったりしてるんだろうけど、そこに製作した人間の主観が入っていて、それであんな似てない顔になったんだと思ったら、そのあたりにすごく自己顕示欲を感じて気持ち悪いなーと思った。
倫理面でも問題無いとは思わないけど、それ以前にあんな出来の悪いの作って、それこそ美空ひばりに失礼だよなーと思う。
だから山下達郎は「冒涜です」って言ったんだろうな。
また秋元が出張ったとか、息子が金に困ってるとかあれこれ言われてたけど、研究としてはありだし面白いものだと思う。
けど、あれはやっぱり美空ひばりでは全く無いよね。
もっとクオリティ上げてから出してきて!