第10話「Not found」、存在しないページ。
まあもうとにかく毎回外さない、ゆるっとスタートしてスルッと入り込んだらもう後半はドキドキして一瞬も目が離せないのにクスッと笑わせてきてええ〜っっ⁉︎と思わせてからのそうくる??で密度の濃〜い1時間が終了。
ああ、面白かった。そしてヤバい。今回もリアタイ推奨、なるほどね。
と、面白かったのはもう言わなくてもわかっているので、ツボったところをつらつらと。
久住のクズっぷりからスタート。
人を殺すのを正にゲームのように楽しげに。あああ、この菅田将暉がめちゃくちゃ鼻につくわー腹立つわー、上手いよ。
エトリの正体は死んだはずの指名手配犯、鴻上悟。あー、それでエトリかぁ。死んでやっと「存在する」存在になる皮肉。
そして、エトリは指示を出していたのではなく指示を受けていたという証言。ああ、そこも見えてなかったのか。年長のエトリの方が立場が上、という思い込み。
仮想通貨に詳しく、システム開発に関わっていた若い男。さらっと資金源と手法が明かされる。結局裏社会を牛耳るにはいつの時代も金と力なわけだけど、2019年の世界の金と力はこれか。というか、デジタル方面のスキルがなきゃどうにもならないというか、あれば無敵というか。野木亜紀子のこういうリアルなとこ好き。
成川が言っていた「久住」ではないかとサクッと気づく志摩は相変わらず聡明だけれども、それより動きの早い久住の方が上手か。
存在証明の難しさ。うーん。エトリに指示を出していた若い男がいたという証言も、何より成川は顔を合わせているのに、痕跡を残さないというのもデジタルに強いからこそなのね。
成川が捕まって、代理として「浜田」からRECに届くファイル。ああ、それ開いちゃあかんやろ!とみんな思ったよね。ナウチャーバーでデジタルに強いはずのRECでもウッカリするのは、それまでの情報のやり取り、しかも素朴な成川が顔を合わせてることで培った信頼ゆえか。久住そつなさすぎる。
さっそく「久住」を探しに動く伊吹と志摩。が、もう既にシェアオフィスからは撤退済み。
で、受付の男の臭いで薬物使用に気づく伊吹。犬か!そしてその男の目線で隠し場所に気づく志摩。優秀か!最強コンビやな。
薬物に真っ当に怒る伊吹。その場にいるのが特別悪そうでも遊んでそうでもない普通の若者達なのが怖い。2人が「警察だ」と言っても逃げるでも反撃するでもない。そんなにハードルが低いのかよドラッグ。罪の意識のなさ。
そして、若者たち一人一人に対応を変えて心に滑り込む久住の人たらしっぷり。あー、これは菅田将暉キャスティングしたいわね。菅田将暉本人の人たらしっぷりとつい重なる。
処分するものは処分して新たな物と入れ替え、別の島に現れる久住。そこでは「五味」と名乗る。その自称は自虐なのか上から故なのか、いちいちイラッとくる。素晴らしいわ。
RECの動画で警察の陰謀論が広がり、4機捜が巻き込まれる。ほんと、伊吹でもわかるくらいあり得ない話が回ってしまうのがネット社会だよね。冷静に見るとホントくだらん。なんで信じるんだろうといつも思うけど、内容よりも「誰が言うか」なんだろうなぁ。みんながいいって言うからいい、そういう時代。うーん、皮肉たっぷりだ。
久住の正体を「メフィストフェレス」と例える志摩と聞き取れなくて「メケメケフェレット」と変換する伊吹。うーん、パワーワード。
キャリアに傷つかないよう4機捜から外される九重。グチこぼすのが陣馬さんとの飲みな所が泣ける。うんうん、こっちのコンビの関係も育ったよね。陣馬さんはホント大人。恵まれている事を理解できるようになった九重の成長にもうるうる。
一方でせっかく、せーっかく、桔梗隊長と2人なのにまったく進展しない志摩がらしくて笑う。というかね、隊長の「働いてんだよ」が全働く人々に刺さる。そうなんだよ、ただちゃんと働きたいだけなのに、どうしてこう煩わしい事が多いのか。
酔って泣き上戸になってクスッとさせるバランスがいいよなぁ。このドラマ、ちょいちょゆるめてくれるのが集中切れずに見れる。エンタメを熟知した演出だなぁ。
いや、ホント志摩ってばイケメン魔人〜!
隊長の息子ゆたかの問いに対する伊吹の答えと隊長の問いに対する志摩の答えが重なるのが、そのままこのドラマの問いなんだろう。
「正義とはどうあるべきか」。結局、警察官である彼らは正しくあろうとする。久住がどれだけ悪辣な手を使ってきたとしても、それに乗っかってしまったら警察は負けなのだ。ハンデは大きいかもしれないけれど、それでもそうするのが彼らのプライドなのだね。ああ、存在証明なのかもしれない。
伊吹と志摩の言葉から「浜田」に対する疑いを持つREC。そうか、彼は彼なりの正義で動いている。
404の2人と共に「浜田」と対峙する。
このやり取りの「私を騙そうとしても無駄です」が予告でも思ったけど、菅田将暉のオールナイトでのネタコーナーみたいでウッカリ笑った。絶妙な芝居くささ。
「メケメケフェレット」をつい検索。デジタルネイティブの子だなぁ。知らん言葉はノータイムで検索する身体になってるのね。それか見下してる連中が自分の知らない事を知ってるのが許せないか?久住の人となりがだんだん露わになる。
やっぱりファイルに仕込まれていてこちらの様子は丸見え。そんな中久住の後ろの会話を聞き取る伊吹。だから犬か!
「うそやん」がウケる。デジタル弱くても伊吹の身体能力が久住の想定をサクッと越えるのが気持ちいいよね。
同じくデジタル全然の陣馬さんの昔ながらの地道な捜査も久住の島に迫っている。そうだよねー、力ってデジタルだけじゃない。
状況を変えるため久住はRECのパソコン乗っ取りテロを仕掛ける。「大騒動!」と見せかけて全部フェイクか!そうかずいぶんちゃちい爆発映像と思ったら、そこまでが仕掛け。さすが。
そして404のメロンパン号が犯人に仕立てられツブッターのトレンドに「#MIU404」が。ツイッターにももちろん上がるタグ。ああ、どっちがフェイクなんだ。そうか、だからリアタイ推奨か。もう何がなんだかだ。やられた。
そして、陣場さ〜ん‼︎
過去作「フェイクニュース」でもSNSやネットニュースの功罪を描いていて、そこから時間が経ってさらに練られた野木亜紀子のネット社会への問いなんだなぁ。
「フェイクニュース」見たいという声があがってたけど、諸事情でオンデマンドでは見られない。今は配信があるからそれでいいって人多いけど、自分は好きな作品は絶対録画して手元に残したい派。それはこういうことがあるから。「いだてん」だって、BSの再放送で何事もなかったように播磨屋は三宅弘城だ。ネット上の物が本物なのかいつまであるのかわからない。
いつ存在しなくなるのかわからない。好きなサイトが突然見られなくなることも珍しくない。
あくまでも仮想空間なんだな。だけど久住は実在する。ハムちゃんがエトリの存在を信じてもらえるまで苦労したように、4機捜がどうやって久住の存在を捕まえるのか。
そして虚偽通報も出前太郎も何もかも回収するパワフルな脚本。ただただ感動。ああ、もうあと1話!マジか⁉︎まだまだ見たいのに。
10話放送後、メモリアルブック発売の発表。おう!買うとも!買ったるぜー!
でもいま迷ってるのは通常版にするかAmazon版にするか。違いが表紙だけならどっちがいいか迷うー。「両方買う!」と言いそうになるのをグッとこらえるぜ。Blu-rayも買うから。
本日は菅田将暉がミスド50周年記念のキャラクターに起用されたことが発表されて、ドラマファンザワつく。ドーナツEPじゃなくドーナツを売る。間の悪さに野木亜紀子までつぶやく。売れっ子は大変だ。
あー、ついに明日か、最終回。
見たいけど見たくない。終わらないで欲しいのに〜。