もうすぐ9月。
半年という長さの朝ドラもラスト1ヶ月、ラストスパートです。
先週はあさイチのプレミアムトークに浜辺美波が登場して、「え?もう退場!?」とざわつかせましたが、まだまだ出るようで一安心。
で、「らんまん」ですが、気づけば一度も感想書いてませんでした。
脱落はしてません。欠かさず毎日見てます。
結構面白く見ています。
でもねー、なんかガッツリはハマってないんです。
「おかえりモネ」とか「舞いあがれ」は、先が気になって、朝のBS放送をバタバタ支度しながら横目で見て、時には手を止めてみてしまったり、そして夜に改めてちゃんと見る、とやってました。
ですが「らんまん」は朝は見ず、ネットニュースでのネタバレも気にせず、夜見てます。
面白いしよくできてるなぁと思うけど、でもなんか距離がある。
神木隆之介も浜辺美波も上手いのに、ほかの俳優陣もいいと思うのに。
世間的な評判では先に上げた2作より出来がいいと言われているのに、なぜでしょう?
考えてみたんですけど、結局自分はこの主人公が好きじゃないんだなー。
作劇は確かに上手いんです。
万太郎って朝ドラ主人公にありがちな、徹頭徹尾自分のやりたいことしかやらない、ある意味でのクズ人間。
それを嫌われすぎない絶妙な加減で描いている。
「ちむどんどん」の主人公と同じってレビューを見たけどホントそう。
それを、好きな事だけとはいえひたむきな努力を重ねる様子を何度も入れたり、天才に対して田邊教授という秀才でしかないキャラクターを置く事で、視聴者の気持ちの置き場を作ったり、史実とは言え辛い出来事を重ねたり、といった巧みな作劇でドラマとして成立させている。
そして何といってもやっぱり神木隆之介が上手い。
子役2人も上手かったけど、神木隆之介が登場した途端、画面が華やかになって「ドラマが始まった!」という感じがした。
万太郎というただの自分勝手男を、まさに天真爛漫な愛すべき子供として魅力的に見せるのが素晴らしいなと。
でもね、やっぱり万太郎が好きじゃないんだなー。
自分はどうやら朝ドラでは「自立する主人公」が好きなんですね。
なので、昨今多めの史実ベースの男性主人公ものがあんまり好きじゃない。
「マッサン」、「エール」や、妻が主人公の「ゲゲゲの女房」やら「まんぷく」も含め、基本的に才能はあるけど社会性は無い、良く言えば少年の心を持った夫を物心両面で妻が支える物語。
そしてボンボン率も高い。
なんかねー。
いやわかりますよ、そういう時代だったんです。それはわかる。だからドラマとして否定はしません。けどねー。好みではない。
そして、そんな中でもトップオブトップのクズが牧野万太郎ですよ(笑)
何しろ自分の稼ぎが今のところほぼゼロ!
おばあちゃんに大金を出してもらい、竹雄に食わせてもらい、寿恵子に養ってもらう。
そしてやりたくない事は本当にやらない。
「マッサン」とか「まんぷく」とかはまだ稼ぐためにやりたくない仕事したりしてたぞー。
田邊教授とのやりとりも、一見教授が悪役だけど、何の肩書きもないと論文発表すらできないのも、ちゃんと手続き踏んで学校に入らなくてはならないというのも現実で、それを教授が言っていただけとも言える。
描き方上手いけどね。
でも苦手かなー。
自分が見た朝ドラでのベスト3は「カーネーション」「あまちゃん」「スカーレット」なのだけど、毛色の違う「あまちゃん」は置いておくと、「カーネーション」も「スカーレット」も史実ベースの主人公が自分のやりたい事を貫く話ですが、男性主人公の場合と腹のくくり方が全然違う。
女性であるからこその不自由を抱え、それでも自力で稼いで家族を養い、その上でも向かわずにはいられない夢。
決して綺麗事だけではない容赦ない展開に震えて目が離せない。
これぞ朝ドラ。
決して出来た人間でもないし欠点も多い主人公なのに惹かれてしまう。
オリジナルですがレジェンド朝ドラ「おしん」もそうですね。
とにかく自分で生きていく。
「自由🟰自立」なんですよね。そこがかっこいい。
少なくとも何かやることには壁のない男性にくらべ、一歩踏み出すことがまず難しかった女性の、だからこそそこを乗り越えた強さを描いているのが、自分のみたい朝ドラなんだなぁと思います。
あと、「らんまん」はモデルがいて全体の展開がわかるから安心してみれるという声を見ますが、そんなにドラマのネタバレ知っておきたい派って多いんですかね?
作品にもよるけど、別に先の展開が分からなければそれはそれで面白いと思うのですけどね。
どうだろう?
そう言うわけで、さほどハマっていない「らんまん」ですが、俳優陣は素晴らしいし、脚本も上手い。
とりあえずちゃんと完走はしますよ。
万太郎の人生のどこを切り取るか、寿恵子がいる時間の取り方とか、作りとして興味深いですから。
でも、万太郎には思い入れは無い(笑)